2017年09月07日
英国実態指標「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年9月8日17:30発表結果検証済)
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年9月8日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
同時刻に、英国収支指標「貿易収支」の発表も予定されています。がしかし、これまでのところ本指標と比べると、反応方向への影響は本指標の方が大きいようです。よって、以下の分析は「貿易収支」発表の影響を無視して、本指標についてのみ行います。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を基準年を100として指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で24pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。後述するように、直後1分足・直後11分足の戻り比率は平均33%ですので、ピークないしはボトムを付けたら33%分のpipsの戻りを狙うのも一案でしょう。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
こんなグラフを見て、今回がどうなるかなんて予想できません。主要項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきます。
上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から6行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段7行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
結果、事前差異・事後差異・実態差異の判別式は、それぞれ
2✕鉱工業前月比事前差異+2✕鉱工業前年比事前差異+1✕製造業前月比事前差異+1✕製造業前年比事前差異
3✕鉱工業前月比事後差異+2✕鉱工業前年比事後差異+1✕製造業前月比事後差異
1✕鉱工業前月比実態差異+1✕鉱工業前年比実態差異+1✕製造業前月比実態差異+1✕製造業前年比実態差異
とすると、これら判別式の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足・直後1分足・直後11分足との方向一致率が、それぞれ23%・77%・70%となります。
本指標に先立ち、同じ7月分の製造業PMIは発表されています。
本指標と製造業PMIの相関を調べておきました。
相関の有無は、それぞれの指標の実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて調べます。事前差異・事後差異・実態差異のうち、市場予想が含まれないのは実態差異だけだからです。もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。
比較に用いた実態差異は、それぞれの指標の判別式に実態差異を代入した結果です。
結果、両指標の実態差異の方向一致率は、一方を前後1か月ずらしても50%前後しかありません。よって、製造業PMIの単月毎の実態差異増減を論拠に、鉱工業生産の実態差異増減を論じても意味がありません。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が13pipsです。その跳幅が19pips以上だったことは過去6回(頻度20%)あります。
この6回の直後1分足跳幅は22pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均24pipsとほぼ同じです。また、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足跳幅が大きくても、直後1分足の反応方向や大きさとは関係ありません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が9pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度30%)ありました。
この9回の直後1分足跳幅は26pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均24pipsとほぼ同じです。また、この9回の直前1分足と直後1分足の方向は5回(56%)一致しています。
つまり、直前1分足跳幅が大きくても、直後1分足の反応方向や大きさとは関係ありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は8pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率33%)です。直後11分足のそれは11pips(戻り比率33%)です。直後1分足や直後11分足は跳幅の2/3の値幅を持つことを目安にしておけば良いでしょう。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異と直前10-1分足・直前1分足の方向一致率がそれぞれ23%・70%となっています。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足は陰線、直前1分足は陽線の可能性が高い、と言えます。
事後差異と直後1分足の方向一致率が77%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応する可能性が高い指標です。
実態差異と直後11分足の方向一致率は70%となっています。発表結果が前回結果を上回れば/下回れば、発表から10分経過後に陽線/陰線となる可能性が高い、と言えます。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
各ローソク足は陽線や陰線への偏りはありません(ばらつきの範囲です)。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は77%です。そして、その77%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは53%です。53%しか、最終的に反応を伸ばさないのなら、先に早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確した方が良いということです。伸びるか伸びないかが半々ですから、無理する必要なんてありません。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年9月8日19:45頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、鉱工業生産が予想同値で、製造業生産が予想を上回りました。反応は、直後1分足が陽線だったものの、直後11分足は陰線でした。
7月分鉱工業生産指数は前月比+0.2%でした。
前回6月分の+0.5%からは鈍化したものの、グラフ推移は2017年2月分をボトムに上昇中です。
7月分製造業生産指数の前月比+0.5%は今年最大の上昇率でした。
グラフ推移は2017年1月分をボトムに上昇に転じたように見受けられます。がしかし、プラス転換はまだ今年に入って2回(前回は4月分+0.2%)しかありません。
取引結果は次の通りでした。
反応が小さな割に稼げました。
直前10-1分足で2回取引きしたのは、いつ以来でしょうか。もちろんこれは、もともと現状が北朝鮮リスクを抱えており、ロングよりショートで勝負すべき日だからです。
事前調査分析内容には問題ありません。
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.指標予想要点
2017年9月8日17:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
同時刻に、英国収支指標「貿易収支」の発表も予定されています。がしかし、これまでのところ本指標と比べると、反応方向への影響は本指標の方が大きいようです。よって、以下の分析は「貿易収支」発表の影響を無視して、本指標についてのみ行います。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 同時発表される鉱工業生産指数・製造業生産指数・貿易収支において、反応への寄与は、鉱工業生産指数>製造業生産指数>貿易収支、となります。特に、鉱工業生産指数前月比の事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足との方向一致率は高くなっています。
- 今回発表される7月分データについて、製造業PMIとの相関はありません。また、指標発表前後のローソク足方向には、ある種、傾向を見いだせるものの、指標結果の良し悪しについては予想できません。
また、指標発表前から10pips以上跳ねることがときどきあるものの、その跳ねは直後1分足の反応方向との相関は高くありません(関係ありません)。 - 直前10-1分足や直前1分足は、事前差異との方向一致率がそれぞれ23%・70%となっています。
また、事後差異と直後1分足との方向一致率は77%と高く、市場予想に対する発表結果の良し悪しに素直に反応します。
追撃は、早期開始・短期利確の繰り返しに向いており、ポジションの長持ちには向かない指標です。指標発表から1分経過時点では、まだ反応を伸ばし続ける可能性が高いものの、10分後には1分後よりも反応が伸びていた確率が50%を僅かに上回る程度しかありません。
追撃によって利幅が拡大できるか否かは、発表結果が前回・予想のいずれにも上回るか下回ったときだけです。それでも、発表1分後よりも10分後も反応を伸ばし続けている確率は70%に達しません。
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足は陰線と見込みます。
- 直前1分足は陽線と見込みます。
- 発表後は追撃を早期開始し、短期利確します。
- 更に追撃するときは、直後1分足や直後11分足の戻り比率が33%あることを踏まえ、高値(安値)掴みをしないように気を付けましょう。
事前に15分足チャートと1時間足チャートでレジスタンスやサポートを確認しておき、そこに達したら短期逆張りを狙います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を基準年を100として指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で24pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。後述するように、直後1分足・直後11分足の戻り比率は平均33%ですので、ピークないしはボトムを付けたら33%分のpipsの戻りを狙うのも一案でしょう。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
こんなグラフを見て、今回がどうなるかなんて予想できません。主要項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきます。
上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から6行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段7行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
結果、事前差異・事後差異・実態差異の判別式は、それぞれ
2✕鉱工業前月比事前差異+2✕鉱工業前年比事前差異+1✕製造業前月比事前差異+1✕製造業前年比事前差異
3✕鉱工業前月比事後差異+2✕鉱工業前年比事後差異+1✕製造業前月比事後差異
1✕鉱工業前月比実態差異+1✕鉱工業前年比実態差異+1✕製造業前月比実態差異+1✕製造業前年比実態差異
とすると、これら判別式の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足・直後1分足・直後11分足との方向一致率が、それぞれ23%・77%・70%となります。
ーーー$€¥ーーー
本指標に先立ち、同じ7月分の製造業PMIは発表されています。
本指標と製造業PMIの相関を調べておきました。
相関の有無は、それぞれの指標の実態差異(発表結果ー前回結果)を用いて調べます。事前差異・事後差異・実態差異のうち、市場予想が含まれないのは実態差異だけだからです。もし両指標の間に相関があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。
比較に用いた実態差異は、それぞれの指標の判別式に実態差異を代入した結果です。
結果、両指標の実態差異の方向一致率は、一方を前後1か月ずらしても50%前後しかありません。よって、製造業PMIの単月毎の実態差異増減を論拠に、鉱工業生産の実態差異増減を論じても意味がありません。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が13pipsです。その跳幅が19pips以上だったことは過去6回(頻度20%)あります。
この6回の直後1分足跳幅は22pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均24pipsとほぼ同じです。また、この6回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(33%)一致しています。
つまり、直前10-1分足跳幅が大きくても、直後1分足の反応方向や大きさとは関係ありません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅が9pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度30%)ありました。
この9回の直後1分足跳幅は26pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均24pipsとほぼ同じです。また、この9回の直前1分足と直後1分足の方向は5回(56%)一致しています。
つまり、直前1分足跳幅が大きくても、直後1分足の反応方向や大きさとは関係ありません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は8pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率33%)です。直後11分足のそれは11pips(戻り比率33%)です。直後1分足や直後11分足は跳幅の2/3の値幅を持つことを目安にしておけば良いでしょう。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事前差異と直前10-1分足・直前1分足の方向一致率がそれぞれ23%・70%となっています。今回の事前差異はプラスなので、直前10-1分足は陰線、直前1分足は陽線の可能性が高い、と言えます。
事後差異と直後1分足の方向一致率が77%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応する可能性が高い指標です。
実態差異と直後11分足の方向一致率は70%となっています。発表結果が前回結果を上回れば/下回れば、発表から10分経過後に陽線/陰線となる可能性が高い、と言えます。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
各ローソク足は陽線や陰線への偏りはありません(ばらつきの範囲です)。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は77%です。そして、その77%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは100%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは53%です。53%しか、最終的に反応を伸ばさないのなら、先に早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確した方が良いということです。伸びるか伸びないかが半々ですから、無理する必要なんてありません。
【4. シナリオ作成】
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足は陰線と見込みます。
- 直前1分足は陽線と見込みます。
- 発表後は追撃を早期開始し、短期利確します。
- 更に追撃するときは、直後1分足や直後11分足の戻り比率が33%あることを踏まえ、高値(安値)掴みをしないように気を付けましょう。
事前に15分足チャートと1時間足チャートでレジスタンスやサポートを確認しておき、そこに達したら短期逆張りを狙います。
以上
2017年9月8日17:30発表
以下は2017年9月8日19:45頃に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、鉱工業生産が予想同値で、製造業生産が予想を上回りました。反応は、直後1分足が陽線だったものの、直後11分足は陰線でした。
7月分鉱工業生産指数は前月比+0.2%でした。
前回6月分の+0.5%からは鈍化したものの、グラフ推移は2017年2月分をボトムに上昇中です。
7月分製造業生産指数の前月比+0.5%は今年最大の上昇率でした。
グラフ推移は2017年1月分をボトムに上昇に転じたように見受けられます。がしかし、プラス転換はまだ今年に入って2回(前回は4月分+0.2%)しかありません。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
反応が小さな割に稼げました。
直前10-1分足で2回取引きしたのは、いつ以来でしょうか。もちろんこれは、もともと現状が北朝鮮リスクを抱えており、ロングよりショートで勝負すべき日だからです。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容には問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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