2017年08月31日
英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年9月1日17:30発表結果検証済)
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年9月1日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。
本指標発表後は、どの時点かで21:30に発表される米雇用統計を睨んだ動きに移行します。ただでさえ、17:30頃はEURGBPの取引量が多い上に、雇用統計を睨んでUSDJPYとGBPUSDは動きが上下逆になる動きも加わり、それらがGBPJPYの動きを複雑化します。ポジションを持つ間に、USDを買う(売る)動きとEURを買う(売る)動きがタイミング的に重なると、GBPJPYは一瞬で数pipsが「どすん」と落ちる(騰がる)ことがあります。
今回は、ロンドンの朝のニュースで前日のEU離脱交渉不調(?)が大きく取り上げられている時間帯に、本指標が発表されることを頭に入れておいた方が良いでしょう。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。本指標の意義は、鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表に先立ち、それら集計月の企業景況感を知ることができること、です。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と言われています。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、今では消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は過去平均で23pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。分布は、15pipsから33pipsの跳ねが65%を占めています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ形状は、2017年7月をボトムに上昇基調が1年間続いています。もし今回、市場予想を下回ると、2017年4月をピークとした下降基調転換の形状となってしまいます。
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは30回中15回(50%)です。一見すると市場予想後追い型のように見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高くなっています。
よって、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
製造業PMIは為替の影響を受けるかも知れません。
EURGBP・GBPUSDの上下動と、実態差異符号を見比べておきましょう。
EURGBP GBPUSD 実態差異
8月 + △ ?
7月 + + +
6月 + + △
5月 + △ △
4月 △ + +
3月 △ + △
2月 △ △ △
1月 + + △
関係ありませんね。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が15pipsです。その跳幅が20pips以上だったことは過去7回(23%)あります。
この7回の直後1分足跳幅は17pipsで、これは直後1分足の過去全平均23pipsよりやや小さくなっています。そして、この7回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(14%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足跳幅が20pipsps以上あったときは、直後1分足の反応がその逆になる可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が10pips以上だったことは過去8回(26%)です。
この8回の直後1分足跳幅の平均は28pipsで、これは過去全平均23pipsよりやや大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は5回(63%)が一致しています。反応方向を示唆している、とは言えません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は6pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率22%)です。直後11分足のそれは10pips(戻り比率29%)です。戻り比率としては30%を下回っており、この程度の反応をする指標としては普通です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各97%・83%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。
実態差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率も高いものの、その数字は事後差異との一致率ほどではありません。ならば事後差異だけ見ておけば十分です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足はやや陽線への偏りが見受けられ、直前1分足はやや陰線に偏りが見られます。がしかし、いずれも取引基準の70%には達していません。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いこと(86%)を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候は見受けられません。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは80%となっています。これなら反応方向を確認したら早期参加です。
そして、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが59%となっています。他のパターン(直後11分足が、直後1分足の値幅を削ったことの2倍、直後1分足と反転したりすることの4倍、反応を伸ばしています。ただ、58%という数字を考えると、反転におびえながら短期利確を繰り返した方が良いかも知れません。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年9月1日20:20頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
グラフ推移を見ると、直近ピークである4月分の57.3に迫る上昇でした。
報道等では、EU離脱交渉が進展していないことや、英国内で交渉目標をはっきりさせよという論調を見る限り、この結果は多くの予想を裏切ったと思われます。
取引結果は次の通りでした。
発表時刻を跨いだポジションは、シナリオ条件未成立により、取引を見送りました。
シナリオ外取引は、1時間足チャートにおけるレジスタンス(転換線142.34)の上抜けは難しいと考え、逆張りを行ったものです。
事前調査分析内容を以下に検証します。
事前準備していたシナリオと結果は次の通りです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.指標予想要点
2017年9月1日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。
本指標発表後は、どの時点かで21:30に発表される米雇用統計を睨んだ動きに移行します。ただでさえ、17:30頃はEURGBPの取引量が多い上に、雇用統計を睨んでUSDJPYとGBPUSDは動きが上下逆になる動きも加わり、それらがGBPJPYの動きを複雑化します。ポジションを持つ間に、USDを買う(売る)動きとEURを買う(売る)動きがタイミング的に重なると、GBPJPYは一瞬で数pipsが「どすん」と落ちる(騰がる)ことがあります。
今回は、ロンドンの朝のニュースで前日のEU離脱交渉不調(?)が大きく取り上げられている時間帯に、本指標が発表されることを頭に入れておいた方が良いでしょう。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。指標発表後はそのまま反応を伸ばしがちですが、安心して追撃ポジションを長持ちできるほどではありません。追撃するなら、早期開始・短期利確繰り返し、が良いでしょう。
- もともと景気指標は、各種実態指標よりも先に発表されるため、予想の論拠にし得る事実が乏しくなる、という性格があります。
指標グラフは上昇停滞中と言える位置にあり、上下どちらに向かうかがわかりません。また現在、本指標は市場予想後追い型ではありません。
本指標実態差異(発表結果ー前月結果)と、EURGBPやGBPUSDの月足との一致率も高くありません。
8月FTSE100(株価)は月初こそ上げたものの、中旬以降は中立的な付近で上下動を繰り返しています。中立的とは、トレンド上のレジスタンス手前付近を指しています。 - 本指標は、指標発表前の取引は危ないので、できれば避けた方が良いでしょう。
直前10-1分足は、ときどき(頻度23%)20pips以上跳ねています。恐ろしいのは、そうした動きがあったときに直後1分足はその跳ねと逆方向に反応することが86%にもなっていることです。知っていれば予兆と言える確率ですが、知らなくて慌てて釣られてしまうと、反応が大きい指標だけにかなり痛手です。
直前1分足は、しばしば(頻度26%)10pips以上跳ねています。このとき、直後1分足は平均よりもやや大きく跳ねることが多く、そして反応方向は予想がつきません。
ちなみに、直前10-1分足や直前1分足が大きく跳ねたとき、事後差異(発表結果ー市場予想)が大きくなった(発表結果が市場予想と大きく乖離した)、という事実はありません。
よって、これらの跳ねは、指標結果を正しく捉えている大口参加者が居る可能性よりも、大きく反応する指標発表前に大口ポジションを閉じる売買が多くなるため、と捉えています。
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)します。
- 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行います。
論拠は、反応性分析の結果です。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。本指標の意義は、鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表に先立ち、それら集計月の企業景況感を知ることができること、です。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と言われています。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、今では消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は過去平均で23pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。分布は、15pipsから33pipsの跳ねが65%を占めています。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
グラフ形状は、2017年7月をボトムに上昇基調が1年間続いています。もし今回、市場予想を下回ると、2017年4月をピークとした下降基調転換の形状となってしまいます。
ーーー$€¥ーーー
グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。
調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは30回中15回(50%)です。一見すると市場予想後追い型のように見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高くなっています。
よって、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。
ーーー$€¥ーーー
製造業PMIは為替の影響を受けるかも知れません。
EURGBP・GBPUSDの上下動と、実態差異符号を見比べておきましょう。
EURGBP GBPUSD 実態差異
8月 + △ ?
7月 + + +
6月 + + △
5月 + △ △
4月 △ + +
3月 △ + △
2月 △ △ △
1月 + + △
関係ありませんね。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が15pipsです。その跳幅が20pips以上だったことは過去7回(23%)あります。
この7回の直後1分足跳幅は17pipsで、これは直後1分足の過去全平均23pipsよりやや小さくなっています。そして、この7回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(14%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足跳幅が20pipsps以上あったときは、直後1分足の反応がその逆になる可能性が高い、と言えます。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が10pips以上だったことは過去8回(26%)です。
この8回の直後1分足跳幅の平均は28pipsで、これは過去全平均23pipsよりやや大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。
そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は5回(63%)が一致しています。反応方向を示唆している、とは言えません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は6pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率22%)です。直後11分足のそれは10pips(戻り比率29%)です。戻り比率としては30%を下回っており、この程度の反応をする指標としては普通です。
【3. 定型分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。
事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各97%・83%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。
実態差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率も高いものの、その数字は事後差異との一致率ほどではありません。ならば事後差異だけ見ておけば十分です。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足はやや陽線への偏りが見受けられ、直前1分足はやや陰線に偏りが見られます。がしかし、いずれも取引基準の70%には達していません。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いこと(86%)を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候は見受けられません。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は86%です。そして、その86%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは80%となっています。これなら反応方向を確認したら早期参加です。
そして、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが59%となっています。他のパターン(直後11分足が、直後1分足の値幅を削ったことの2倍、直後1分足と反転したりすることの4倍、反応を伸ばしています。ただ、58%という数字を考えると、反転におびえながら短期利確を繰り返した方が良いかも知れません。
【4. シナリオ作成】
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)します。
- 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行います。
論拠は、反応性分析の結果です。
以上
2017年9月1日17:30発表
以下は2017年9月1日20:20頃に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。
グラフ推移を見ると、直近ピークである4月分の57.3に迫る上昇でした。
報道等では、EU離脱交渉が進展していないことや、英国内で交渉目標をはっきりさせよという論調を見る限り、この結果は多くの予想を裏切ったと思われます。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
発表時刻を跨いだポジションは、シナリオ条件未成立により、取引を見送りました。
シナリオ外取引は、1時間足チャートにおけるレジスタンス(転換線142.34)の上抜けは難しいと考え、逆張りを行ったものです。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を以下に検証します。
- 発表後の値動きは、次のように捉えていました。
反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。指標発表後はそのまま反応を伸ばしがちですが、安心して追撃ポジションを長持ちできるほどではありません。追撃するなら、早期開始・短期利確繰り返し、が良いでしょう。
結果は、18pipsの反応で、過去平均の23pipsを下回りました。18pips付近には1時間足チャートにおけるレジスタンスがあったため、と推察されます。
反応方向は素直でした。
追撃は、上記レジスタンスに頭を押さえられたため、pipsが稼げなかったでしょう。 - 指標結果予想については、次のように捉えていました。
もともと景気指標は、各種実態指標よりも先に発表されるため、予想の論拠にし得る事実が乏しくなる、という性格があります。
指標グラフは上昇停滞中と言える位置にあり、上下どちらに向かうかがわかりません。また現在、本指標は市場予想後追い型ではありません。
本指標実態差異(発表結果ー前月結果)と、EURGBPやGBPUSDの月足との一致率も高くありません。
8月FTSE100(株価)は月初こそ上げたものの、中旬以降は中立的な付近で上下動を繰り返しています。中立的とは、トレンド上のレジスタンス手前付近を指しています。
この内容はこれで問題ありません。
わからないものを根拠薄弱なまま予想するのでは勝率が下がります。何より、間違っていても明確な根拠のない取引方法では、悪いところを直しようがありません。定量的な論拠があってこそ、改善を繰り返すことができます。 - 注意点として、以下を挙げていました。
本指標は、指標発表前の取引は危ないので、できれば避けた方が良いでしょう。
直前10-1分足は、ときどき(頻度23%)20pips以上跳ねています。恐ろしいのは、そうした動きがあったときに直後1分足はその跳ねと逆方向に反応することが86%にもなっていることです。知っていれば予兆と言える確率ですが、知らなくて慌てて釣られてしまうと、反応が大きい指標だけにかなり痛手です。
直前1分足は、しばしば(頻度26%)10pips以上跳ねています。このとき、直後1分足は平均よりもやや大きく跳ねることが多く、そして反応方向は予想がつきません。
この内容は来月もこのままで問題ありません。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオと結果は次の通りです。
- 直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)するつもりでした。
結果は、前提条件を満たさず、取引を諦めました。 - 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行うつもりでした。論拠は、反応性分析の結果でした。
結果は追撃2回で、3回目はシナリオ外取引の逆張りで行いました。
シナリオ外取引は、先述の通り、レジスタンス上抜けがない、と見なしたためです。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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