2017年08月17日
英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年8月17日17:30発表結果検証済)
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年8月17日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は8月16日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で30pipsです。16-30pips跳ねたことが40%、31-45pips跳ねたことが30%で、この範囲に分布の70%が属します。
反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めたものです。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事前差異判別式は、全項目の差異を単純に全て加えたものになります。直前10-1分足は、この判別式差異符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、方向一致率が77%になります。
上から6・7行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足・実態差異(発表結果ー前回結果)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この判別式は、3✕前月比の差異+1✕前年比の差異+4✕コア前月比の差異+2✕コア前年比の差異、となります。
事後差異判別式符号と直後1分足は、方向一致率が79%になります。
今回の事前差異はマイナスです。よって、直前10-1分足は陰線となる期待的中率が77%です。
事後差異と直後1分足の方向一致率が高いということは、発表結果の良し悪しに素直に反応する、ということです。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が22pipsです。跳幅が20pips以上だったことは過去14回(頻度47%)あります。この14回の直後1分足跳幅は29pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均30pipsとほぼ同じです。そして、この14回の直前10-1分足と直後1分足の方向は8回(57%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は9pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度30%)あります。この9回の直後1分足跳幅の平均は26pipsで、これは過去全平均30pipsよりやや小さいものの、ほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は4回(44%)一致しています。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応方向程度や方向を示唆しているとは言えません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は11pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率40%)です。直後11分足のそれは14pips(戻り比率33%)です。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生して取引が難しい指標だと言えます。
これらの詳細分析は、ローソク足観察よりも他の分析を参照する方が良いでしょう。
過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。
(1) しょっちゅう(頻度47%)直前10-1分足跳幅は20pips以上に達します。がしかし、直前10-1分足が20pips以上動いても、それが直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。
(2) しばしば(頻度30%)直前1分足跳幅が10pips以上に達します。がしかし、直前1分足が10pips以上動いても、それが直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。
(3) 直後1分足と直後11分足について、過去平均の戻り比率(1ー値幅/跳幅)を求めておきました。結果はそれぞれ40%・33%でした。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生して取引が難しい指標だと言えます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。そして、その72%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが95%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。
がしかし、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは48%と、50%を切ってしまっています。直後1分足と直後11分足とが反転したことは28%しかないものの、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったことが24%あります。
早期追撃で得たポジションは早期利確すべきであり、そしてその後の追撃にはあまり適していません。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が78%と、偏りが目立ちます。
また、直後10-1分足と直後11分足の方向一致率が70%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%と、高くなっています。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足は、事前差異・事後差異・実態差異との方向一致率がそれぞれ77%・73%・73%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線ということになります。そして、もし直前10-1分足が陰線/陽線ならば、発表結果は市場予想・前回結果を下回る/上回る、ということです。
また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ79%・83%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには、素直に反応する指標です。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年8月19日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、注目していた全項目で前回を下回りました。がしかし、前年比を除く前月比・コア前月比・前年比で市場予想を上回ったため、弱い陽線で反応しました。
市場予想を上回っても売上が減っているのなら、BOE利上げには繋がりません。発表直後から陰線でも不思議ではない結果でした。
取引結果は次の通りでした。
指標発表を跨いだ取引は、気の迷いでしょうか、止めてしまいました。そんなときに限って、シナリオが当たっていました。
FXをやっていると、何をやっても駄目なとき、というのがあります。そんなときにやけくそになって取引すると、もっと酷い目に遭います。だから、やけくそになるぐらいなら、何もしない方がマシです。そんな感じの取引になってしまいました。
事前調査分析内容を以下に検証します。
事前準備していたシナリオは次の通りでした。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.指標予想要点
2017年8月17日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年7月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。
※ 本稿は8月16日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 指標発表前に大きく動きがちにも関わらず、その方向は指標発表後の反応方向との関係が見出せません。指標発表前後を問わず、長いヒゲを生じることも多く見受けられます。
最も取引が難しい指標だと言えるでしょう。 - 後掲する判別式符号は、事前差異について直前10-1分足との方向一致率が77%、事後差異について直後1分足との方向一致率が79%です。
- 追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始です。がしかし、指標発表から1分を経過すると、早期追撃で得たポジションは早期利確すべきです。そしてもし、その後も追撃を繰り返すなら、焦らずにタイミングを計って、「超」短期取引(せいぜい10秒とか20秒の取引)に徹する方が良いでしょう。
ーーー$€¥ーーー
今回発表に対する調査・分析結果を以下に一覧します。
- 指標結果の予想分析は、直前10-1分足と同方向、が結論です。個別分析結論要点は以下の通りです。
(1) 事前差異判別式と直前10-1分足の方向一致率が77%です。
(2) 反応一致性分析の結果、直後10-1分足と直後11分足の方向一致率が高く、直後11分足は直後1分足との方向一致率が高い、と見込まれます。
(3) 指標一致性分析の結果、直前10-1分足が陰線/陽線ならば、発表結果は市場予想・前回結果を下回る/上回る、と見込まれます。 - 過去のローソク足の特徴は以下の通りです。
(1) 直前10-1分足跳幅は20pips以上に達した頻度は47%、直前1分足跳幅が10pips以上に達した頻度は33%もあります。がしかし、直前10-1分足や直前1分足がそれだけ動いても、それが直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。慌てて釣られると、痛い目に遭いかねません。気を付けましょう。
(2) 直後1分足と直後11分足について、過去平均の戻り比率(1ー値幅/跳幅)を求めておきました。結果はそれぞれ40%・33%でした。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生しています。高値(安値)掴みに気を付けましょう。
(3) 以上のローソク足観察の結果、本指標は取引が難しい指標だと言えます。 - 定型分析の結論は次の通りです。
(1) 反応性分析の結論は以下の通りです。
指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。がしかし、指標発表から1分を経過すると、早期追撃で得たポジションは早期利確すべきであり、そしてその後の追撃にはあまり適していません。
(2) 反応一致性分析の結論は、以下の通りです。
直前1分足は陰線率が78%と、偏りが目立ちます。
また、直後10-1分足と直後11分足の方向一致率が70%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%と、高くなっています。
(3) 指標一致性分析の結論は以下の通りです。
直前10-1分足は、事前差異・事後差異・実態差異との方向一致率がそれぞれ77%・73%・73%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線ということになります。そして、もし直前10-1分足が陰線/陽線ならば、発表結果は市場予想・前回結果を下回る/上回る、ということです。
また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ79%・83%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには、素直に反応する指標です。 - 以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前10-1分足は陰線と見込みます。
(2) 直前1分足は陰線と見込みます。
(3) 直後1分足は直前10-1分足と同じ方向と見込みます。
(4) 追撃は早期開始・短期利確します。
(5) 発表から1分を過ぎたら、追撃は超短期利確が狙える機会を窺います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。
発表元は英国国家統計局、時期は翌月中旬です。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。
最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で30pipsです。16-30pips跳ねたことが40%、31-45pips跳ねたことが30%で、この範囲に分布の70%が属します。
反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めたものです。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事前差異判別式は、全項目の差異を単純に全て加えたものになります。直前10-1分足は、この判別式差異符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、方向一致率が77%になります。
上から6・7行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足・実態差異(発表結果ー前回結果)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この判別式は、3✕前月比の差異+1✕前年比の差異+4✕コア前月比の差異+2✕コア前年比の差異、となります。
事後差異判別式符号と直後1分足は、方向一致率が79%になります。
今回の事前差異はマイナスです。よって、直前10-1分足は陰線となる期待的中率が77%です。
事後差異と直後1分足の方向一致率が高いということは、発表結果の良し悪しに素直に反応する、ということです。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が22pipsです。跳幅が20pips以上だったことは過去14回(頻度47%)あります。この14回の直後1分足跳幅は29pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均30pipsとほぼ同じです。そして、この14回の直前10-1分足と直後1分足の方向は8回(57%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。
次に、直前1分足の過去平均跳幅は9pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度30%)あります。この9回の直後1分足跳幅の平均は26pipsで、これは過去全平均30pipsよりやや小さいものの、ほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は4回(44%)一致しています。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応方向程度や方向を示唆しているとは言えません。
そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は11pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率40%)です。直後11分足のそれは14pips(戻り比率33%)です。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生して取引が難しい指標だと言えます。
これらの詳細分析は、ローソク足観察よりも他の分析を参照する方が良いでしょう。
ーーー$€¥ーーー
過去のローソク足の特徴を纏めると以下の通りです。
(1) しょっちゅう(頻度47%)直前10-1分足跳幅は20pips以上に達します。がしかし、直前10-1分足が20pips以上動いても、それが直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。
(2) しばしば(頻度30%)直前1分足跳幅が10pips以上に達します。がしかし、直前1分足が10pips以上動いても、それが直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。
(3) 直後1分足と直後11分足について、過去平均の戻り比率(1ー値幅/跳幅)を求めておきました。結果はそれぞれ40%・33%でした。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生して取引が難しい指標だと言えます。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は72%です。そして、その72%の方向一致時だけを取り上げて直後1分足跳幅を、直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが95%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。
がしかし、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは48%と、50%を切ってしまっています。直後1分足と直後11分足とが反転したことは28%しかないものの、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったことが24%あります。
早期追撃で得たポジションは早期利確すべきであり、そしてその後の追撃にはあまり適していません。
次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。
直前1分足は陰線率が78%と、偏りが目立ちます。
また、直後10-1分足と直後11分足の方向一致率が70%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が72%と、高くなっています。
最後に、指標一致性分析の結果を下表に示します。
直前10-1分足は、事前差異・事後差異・実態差異との方向一致率がそれぞれ77%・73%・73%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線ということになります。そして、もし直前10-1分足が陰線/陽線ならば、発表結果は市場予想・前回結果を下回る/上回る、ということです。
また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ79%・83%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには、素直に反応する指標です。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年8月17日17:30発表
以下は2017年8月19日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、注目していた全項目で前回を下回りました。がしかし、前年比を除く前月比・コア前月比・前年比で市場予想を上回ったため、弱い陽線で反応しました。
市場予想を上回っても売上が減っているのなら、BOE利上げには繋がりません。発表直後から陰線でも不思議ではない結果でした。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
指標発表を跨いだ取引は、気の迷いでしょうか、止めてしまいました。そんなときに限って、シナリオが当たっていました。
FXをやっていると、何をやっても駄目なとき、というのがあります。そんなときにやけくそになって取引すると、もっと酷い目に遭います。だから、やけくそになるぐらいなら、何もしない方がマシです。そんな感じの取引になってしまいました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を以下に検証します。
- 全般的な特徴は次のように捉えていました。
「指標発表前に大きく動きがちにも関わらず、その方向は指標発表後の反応方向との関係が見出せません。指標発表前後を問わず、長いヒゲを生じることも多く見受けられます。最も取引が難しい指標だと言えるでしょう。」
今回、損切になったのは、単に私がついていなかったからかも知れませんが、この内容は来月もそのままでいいでしょう。 - 判別式については次のように捉えていました。
「判別式符号は、事前差異について直前10-1分足との方向一致率が77%、事後差異について直後1分足との方向一致率が79%です。」
事前差異判別式結果はマイナスで直前10-1分足は陽線、事後差異判別式結果はプラスで直後1分足は陽線でした。事前差異を外し、事後差異は当たったようです。
外した事前差異の方は、来月3%ぐらい期待的中率が下がるでしょう。 - 指標発表後の取引方法について、次のように考えていました。
「追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら早期開始です。がしかし、指標発表から1分を経過すると、早期追撃で得たポジションは早期利確すべきです。そしてもし、その後も追撃を繰り返すなら、焦らずにタイミングを計って、「超」短期取引(せいぜい10秒とか20秒の取引)に徹する方が良いでしょう。」
結果は直後1分足値幅を直後11分足が削っており、この内容はこれで来月も良いでしょう。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオは次の通りでした。
- 直前10-1分足は陰線と見込みました。結果は陽線でした。
- 直前1分足は陰線と見込みました。結果は陽線でした。
- 直後1分足は直前10-1分足と同じ方向と見込みました。結果は、直後1分足と直前10-1分足とは同じ方向になりました。
- 追撃は早期開始・短期利確するつもりでした。結果は、反応を伸ばさず損切となりました。
- 発表から1分を過ぎたら、追撃は超短期利確が狙える機会を窺って行うつもりでした。分析を外しまくりだったので、もう追撃は止めておきました。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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