アフィリエイト広告を利用しています
      現在会員2名
FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。さんの画像
FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。
プロフィール
 右矢印1 何でも食べるな!
   このブログの広告です
 右矢印1 イエティはいるのか
   このブログの内容です
 右矢印1 「お通」を見送る顔
   内容の補足です
 右矢印1 モストアンラッキー
   先に謝っておきます
 右矢印1 孤独な英国人は減ったのか
   但書きです

にほんブログ村 為替ブログ 為替投資情報へ
にほんブログ村


FX・オリジナル手法ランキング

1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

ーーーーーーーー
【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
ーーーーーーーー

DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

ファン


ランキングサイトに登録すると、やっぱりランキングは気になります。でもせっかくだから、他の人の記事もご覧ください。



広告

posted by fanblog

2017年08月28日

4-2. 米国経済指標DB(2017年8月最終版)

米国の経済指標発表前後の取引はUSDJPYで行っています。
米国の政治・金融・経済の動向は、どの通貨ペアにも影響を及ぼします。望ましくは、東京時間の取引はUSDJPYで、欧州・米国時間はEURUSDで行いたいものです。


【4-2-1. 8月概観】

個別発表・個別指標の問題ではありません。

7月は変化の兆しが多い月でした。
具体的には、高水準だった製造業景気指標が低下に転じたように見受けられました。ところが、生産関連実態指標には、そういった兆しが見受けられません。逆に、物価指標Iや小売売上高が低下や悪化したにも関わらず、4-6月期GDP速報値や4-6月期PCEは前期比で+2.6%・+2.8と良い数字でした。CPIと小売売上高の低下・減少にはかなり大きな陰線で反応しました。雇用は相変わらず良好で平均時給も前月比プラス推移しています。
米経済にプラス結果ではあまり反応せず、マイナス材料に過度に反応したのが7月でした。

8月は、経済自体に過度な心配が不要なもののむしろ、政治的混乱に伴う行政遅延・外交的行き詰まり・デフォルトリスクといった問題が相場に影響した月でした。折しも、FRBのBS縮小による引締め政策への転換が9月に予定されていると見なされていたため、その影響もあったでしょう。
具体的には、各種景況感の下げ止まり・小売販売の好調・物価再上昇・GDP速報値+2.6%といった内容にも関わらず、USD売りです。

9月は、デフォルトリスクとBS縮小開始がテーマです。こんな政治的状況でBS縮小なんて始められるはずない(デフォルトで金融市場が大混乱の恐れあり)のですが。BS縮小延期なら、USD買に大きく動く可能性があります。


【4-2-2. 政策決定指標】

(1) 金融政策

2017年の政策金利利上げは3回が予定されていました。3月・6月を市場予想通り実施し、次回は12月と見なされていました。9月には、BS縮小によって引締め政策転換が実際に始まると見なされていました。

がしかし、8月25日のジャクソンホールでのFRB議長の講演では、今後政策に関するヒントがなかったように思われます。
そもそもFRBが何か言える状況ではありません。FRBの金融政策のスケジュールへの最も大きな障害は、議会の予算未承認によるデフォルトリスクかも知れません。そんなときに大きな金融政策変更が出来るはずないでしょう。

 (分析事例) FOMC政策金利(2017年7月27日発表結果検証済)
 (分析事例) FOMC議事録(2017年5月25日公表結果検証済)

(2) 財政政策

米国GDPに対し公共投資が与える影響は、日本の場合に比して小さなものです(絶対額でなく比率で考察)。従って、政府予算の配分が変わることは経済的な直接効果よりも、関連法規改正などで予算配分が増えた分野への政府支援が強まる間接効果となります(日本の場合は直接効果が大きい)。にも関わらず、そうした政策変更は、JPYに対してよりもUSDに対して大きく影響が現れがちな点が不思議です。

現在、米政権はオバマケア代案法案・税制改革・2018年度予算案(予算削減先が多い)・ロシアゲート問題・北朝鮮問題(中国問題)・多国間協定離脱の代替施策必要性(FTAやパリ協定)・政府高官の相次ぐ辞任、を抱えています。
きっと風呂敷も日本の20倍ぐらいあるのでしょう。もう「わやくそ」と言った状況です。

8月はデフォルトリスクが現実味を帯び始めました。財務長官によれば9月いっぱいの予算手当はできているそうですが、一度、数年前に期限に間に合わなかった前科があります。北朝鮮を見ればわかるように、瀬戸際交渉戦術というのは、以前よりも大きな刺激や衝撃が必要です。
この影響で9月の取引は、指標分析なんてあまり役に立たないかも知れません。

(3) 景気指標

景気指標の発表結果予想では、ふたつの指標の上昇基調・下降基調といったトレンド一致を論拠にすることはできます。がしかし、先に発表された指標結果の良し悪しを論拠に、後で発表される指標結果の良し悪しを予想することはできません。

(3-1) 総合・非製造業
8月18日に発表された8月分UM消費者信頼感指数速報値は、総合指数(信頼感指数速報値)・期待指数が前回結果を上回り、現状指数が前回結果を下回りました。8月上旬には、ダウが22000ドルを一時的に上抜けているので、そのことと関係があるかも知れません。但し、その後はダウが下げることの方が多かったので、確定値は低下するかも知れません。

8月29日には、8月分CB消費者信頼感指数発表が予定されています。
前回7月分は121.1で、直近の最大値は2017年3月分が125.6だったので、それには及ばなかったものの、2か月連続で前回結果より改善が続いて好調を維持しています。

9月6日には、8月分ISM製造業景況指数発表が予定されています。
前回7月分は、価格指数を除き、6月分結果を大きく下回りました。景況指数は、昨年8月以来の水準まで低下しています。

 (分析事例) UM消費者信頼感指数速報値(2017年8月18日発表結果検証済)
 (分析事例) CB消費者信頼感指数(2017年8月29日23:00発表予定、事前分析済)
 (分析事例) ISM非製造業・総合景況指数(2017年8月3日発表結果検証済)

UM(ミシガン大学)消費者信頼感指数速報値とCB(カンファレンスボード)消費者信頼感指数とは、統計の目的・内容・時期が同じにも関わらず、単月毎の実態差異(発表結果ー前回結果)の方向が一致しません(一致率50%前後)。6月・7月の発表結果も、UM速報値とCBの結果はそれぞれ前月結果に対し悪化と改善とが入れ替わっています。
よって、全体的なグラフの上昇基調・下降基調といったトレンドを論拠に発表結果を予想することは可ですが、単月毎の先に発表された指標結果を論拠に、後で発表される指標結果を予想することは不可です。

またCBは、直後1分足と直後11分足の方向一致率がそこそこあっても、それら終値同士を比較すると反応を伸ばしたことが33%しかありません。跳幅同士を比較すると反応を伸ばしがちなので、発表から1分を過ぎると逆張りの機会を窺った方が良い指標です。なるべくなら、取引しない方が良いでしょう。

(3-2) 製造業
8月15日に発表された8月分NY連銀製造業景気指数は+25.2で、前回結果を大きく上回りました。
2016年1月を底として、それ以降は上下動をしながら全体的に上昇基調が続いています。5月分データが7が月ぶりにマイナス転換したことで景気減速が懸念されたものの、グラフ推移は上昇基調に保っています。

8月17日に発表された8月分Phil連銀製造業景気指数は+18.9(前回+19.5)で、反応は陽線でした。ほぼ横ばいですが、グラフ推移を見ると、今後の上昇・下降いずれも予感させます。
ただ、今回の内訳で見るべき大きな変化は、新規受注が大きく伸びたことです。前回は受注が急落(6月25.9、7月2.1)していたので、これで7月を異常値と見なすことができます。7月の受注は、2016年9月以来の低い値でした。

8月分ISM製造業景況指数は9月1日発表予定です。
前回7月分ISM製造業景況指数は、6月結果を下回って56.3でした。但し、この数値は、5月分数値が2014年11月の58.7以来の最高値だったことを踏まえると、それほど低下幅が大きかった訳ではありません。NY連銀・Phil連銀のように下降基調転換の兆しが現れている訳ではありません。

 (分析事例) NY連銀製造業景気指数(2017年7月17日発表結果検証済)
 (分析事例) Phil連銀製造業景気指数(2017年8月17日発表結果検証済)
 (分析事例) ISM製造業景況感指数(2017年8月1日発表結果検証済)

多くの指標解説書籍・記事では「NY連銀指標で動向を掴み、Phil連銀指標でそれを再確認して、ISM発表に臨むと良い」旨、記載されています。がしかし、この話をアテにすることはできません。
NY連銀結果とPhil連銀結果との実態差異一致率にせよ、Phil連銀結果とISM結果の実態差異にせよ、50%程度しか一致していていません。実態差異は、発表結果ー前回結果、で指標値の増減を表します。単月毎に見る限り、増減方向すら丁半博奕と同じぐらいしか一致していないのです。

但し、これにISM直前に発表される製造業PMIも加え「NY連銀・Phil連銀・PMIの方向が揃って一致したとき」とすると、ISM実態差異の方向一致率を70%付近まで向上できます。もちろん、そんな3つとも一致という機会は少ないため、指標予測には別の分析方法が必要です。

(4) 物価指標

四半期毎に発表される四半期PCEコアデフレータは、GDPと同時発表されます。

毎月発表されるPCEコアデフレータは、FRBが注目していると言われています。がしかし、最近はあまり大きな反応がありません。最近はCPIが小売売上高と同時発表されることが続いたこともあって、CPIが最も大きく反応しています。
8月1日に発表された6月分PCEコアデフレータは、上昇・下降を見極めやすい前年比が前回よりやや改善しました。まだ、上昇に転じたと言えるほどではありません。

8月10日に発表された7月分PPI・コアPPIは前回結果を下回りました。
ただ、前回よりも今回結果が低下と言っても、0.1〜0.2%程度です。この結果解釈は難しいところです。このところのUSD安と設備稼働率上昇で、製造原価は下がって当然です。

8月11日に発表された7月分CPIは前回結果を上回りました。
コアCPIは前回同値でしたが、グラフ推移を見る限りでは、CPIは下げ止まったように見受けられます。市場の解釈は、市場予想を下回っていたため一旦大きく陰線で反応したものの、発表から10分を過ぎる頃から反転し、30分を過ぎる頃には発表前の水準を超えて陽線側に転じました。

6月分までのデータを見れば「どこまで(いつまで)下がるのか」といった感想を持つことが自然だったと思います。がしかし、7月分データからは「そろそろボトムかも知れない」と予感させる内容が続いています。但し、これは指標の推移についてで、反応はまだ「下げが大きい」状態が続いています。

 (分析事例) 四半期PCEコアデフレータ(2017年7月28日発表結果検証済)
 (分析事例) PCEコアデフレータ(2017年8月31日21:30発表予定、事前分析済)
 (分析事例) CPI(2017年8月11日発表結果検証済)
 (分析事例) PPI(2017年8月10日発表結果検証済)
 (分析事例) 輸入物価指数(2017年7月18日発表結果検証済)

多くの指標解説書籍・記事に記されている「物価は、材料(輸入物価指数)→生産(PPI)→消費(CPI)へと下流に波及する」旨は、少なくとも最近に関する限りあてはまりません。
輸入物価とPPIとは、単月毎に前回結果と発表結果の差を求め、上流指標と下流指標の増減方向を比べた場合、一方を前後3か月ずらしても増減方向の一致率は高くありません。
PPIとCPIは「波及する」というよりも、ほぼ同時に同じ方向に向かいがちです。同月発表のPPIとCPIの実態差異は71%一致するのです。

(5) 雇用指標

景気を表すのは新規雇用者数と失業率で、これらについては既にFRB幹部も満足しています。だから、最近は景気を後押しする平均時給の伸びが注目されています。インフレ圧力が強まっているのに、賃金が伸びなければいずれ好調な個人消費が減少に転じ、それが経済成長を阻むと考えられているから、です。

8月2日に発表された7月分ADP民間雇用者数前月差は+17.8万人でした。
8月4日に発表された7月分雇用統計は、NFPが予想(+18.3万人)を上回り(+20.9万人)、失業率(4.3%)と平均時給(+0.3%)は予想通りでした。

 (分析事例) ADP民間雇用者数(2017年8月30日21:15発表予定、事前分析済)
 (分析事例) 雇用統計(2017年9月1日21:30発表予定、事前分析済)

雇用統計は非常に大きな反応する指標です。発表前には、ISM製造業景況指数や同非製造業景況指数の雇用指数や、ADP雇用統計の結果を根拠に、雇用統計の良し悪しを論じる記事は多数見かけます。がしかし、少なくとも過去2年程度に関する限り、単月毎のISMの雇用指数は雇用統計の良し悪しと関係ありません。ADP結果は雇用統計結果とやや相関があるものの、それでも前月発表結果と今月発表結果の増減方向が60%も一致していません。
雇用統計発表から1分間の反応は極めて大きいため注意が必要です。発表から1分を過ぎると、それ以前のポジションは一旦利確のタイミングを計った方が良さそうです。そして、発表から10分を過ぎた頃に、再度の追撃可否をチャートと相談すると良いでしょう。やみくもに複数回の追撃を繰り替えすやり方には向いていない指標です。


【4-2-3. 経済実態指標】

(1) 経済成長

財政収支・国際収支の赤字が続いていても、主要先進国において米国経済は最も好調です。そういう実態を踏まえると、我々アマチュアにも現状の景気の良し悪しを最もわかりやすく表しているのがGDPです。

6月29日に発表された1-3月期GDP確定値は、改定値を上回って1.4%となりました。雇用状況が好調ゆえに、速報値の0.7%・改定値の1.2%よりもいずれ盛り返す、というFOMC見解は正しかったのでしょう。
そして、7月28日に発表された4-6月期GDP速報値は、期待通り+2.6%まで上昇しました。それにも関わらず、一部市場予想を下回ったため、発表直後の反応は陰線です。+2.6%という数字は、1-3月期の+1.4%だけでなく、10-12月期の+2.1%も上回っていたのに、です。

 (分析事例) 四半期GDP速報値(2017年7月28日発表結果検証済)
 (分析事例) 四半期GDP改定値(2017年8月30日21:30発表予定、事前分析済)
 (分析事例) 四半期GDP確定値(2017年6月29日21:30発表結果検証済)

GDP速報値は、初期に比較的安定して大きく反応するものの、その後は伸び悩む傾向があります。

(2) 実態指標

GDPに直接大きな影響を与えるPCEへの反応より、PCE結果を示唆する小売売上高への反応の方が大きくなる傾向があります。そして、GDPに占める比率が小さな生産関連指標や、個人消費に占める比率が高いと思われる住宅関連指標は、反応が小さい傾向があります。

(2-1) 消費関連
米国GDPの約70%は個人消費(PCE)が占めています。その個人消費に直結する先行指標は小売売上高と考えられます。

7月28日に発表された4-6月期PCE速報値は前期比+2.8%でした。同時発表された4-6月期GDP速報値も+2.6%(1-3月期確定値+1.7%)だったにも関わらず、指標発表直後の反応は陰線となりました。

8月1日に発表された6月分個人消費は前月同値、個人所得は2016年11月以来の0%でした。但し、個人所得が減った主因は、配当の項が大きく減ったため、と思われます。配当が減った原因は、前月5月に大きかったため、前月比データでよくある反動と見なせます。
数字だけを見ると前月より悪化した印象があるものの、内容を見ると前月と状況変わらずと解釈した方が良さそうです。

8月15日に発表された7月分小売売上高は、前月比・コア前月比(除輸送機器)ともに前回・予想を上回り、反応は陽線でした。発表直後陽線は5か月ぶりでした。
指標のグラフ推移は、前月比・コア前月比ともに直近ピークの2017年4月を上回り、前月比は2016年12月以来、コア前月比は2017年1月以来の良い数字です。それらの時期はトランプ相場終盤の最も米国指標全般に良かった時期です。

 (分析事例) 四半期PCE速報値(2017年7月28日発表結果検証済)
 (分析事例) 四半期PCE改定値(2017年8月30日21:30発表予定、事前分析済)
 (分析事例) 四半期PCE確定値(2017年6月29日発表結果検証済)
 (分析事例) PCE・個人所得(2017年8月31日21:30発表予定、事前分析済)
 (分析事例) 小売売上高(2017年8月15日発表結果検証済)

四半期PCEはGDPと同時発表されます。
毎月のPCE・個人所得は、多くのFX会社が重要度・注目度を高く評価しているにも関わらず、反応が小さい指標です。但し、反応方向は、直前10-1分足の方向と一致する傾向があり、発表から暫くしてもその方向に反応が伸びやすい、という特徴があります。

小売売上高は、CPI結果との方向一致率が高い指標です(同時発表されることも多い)。指標発表後の反応は大きく一方向に伸びやすいため、追撃に適した指標だと言えます。

(2-2) 住宅関連
個人資産というのは、金融資産と住宅とがほとんどです。住宅は(ふつう)個人消費で最大の金額です。なので、住宅指標の良し悪しは、経済実態(個人消費)に直接的(住宅購入)にも間接的(家具等の耐久財購入)にも影響が大きい、と考えられています。
現在、米国住宅市場は在庫不足で、低価格帯住宅の販売が好調です。

8月23日に発表された7月分新築住宅販売件数は、年換算販売件数が57.1万件で、前月比が△9.4%でした。
8月24日に発表された7月分中古住宅販売件数は、年換算販売件数が544万件で、前月比が△1.3%でした。中古住宅在庫は26か月連続で前年水準を下回りました。その結果、販売価格が前年同月比で+6.2%となっています。

 (分析事例) 新築住宅販売件数(2017年8月23日23:00発表結果検証済)
 (分析事例) 中古住宅販売件数(2017年8月24日23:00発表結果検証済)

ともに、FX会社HPなどでは注目度や重要度が高く評価されている指標です。これら指標結果を予想するための指標も多く発表されているものの、これら指標自体の反応は小さく、よっぽど長期ポジションを持つFX参加者を除けば大して重要ではありません。

新築住宅販売件数は中古住宅販売件数より1〜2か月先行するという話があります。その理由の論理飛躍は、異なる客層の行動原理が異なることを無視した誤解が広く流布されたため、と考えられます。実際には両指標のどちらが先行指標であるにせよ、両指標の実態差異(発表結果ー前回結果)は増減方向すら一致率が高くありません。

ただ、新築住宅販売件数はユニークで、取引上の魅力があります。
指標発表前に予兆的な動きが見受けられることと、発表から1分経過後の追撃に逆張りが適している点で、他の指標で見られない特徴を有しているからです。大したpipsは稼げないものの、勝ちやすい指標かも知れません。これは魅力です。

そして、中古住宅販売件数は、指標発表前に発表直後の反応方向を示唆する偏りがいくつか過去事例から見出せます。指標発表後も一方向に反応を伸ばしやすいという傾向が見受けられます。つまり、取引しやすい指標なのです。

(2-3) 生産関連
鉱工業(含製造業・エネルギー産業)は、米国GDPの約12%しか占めていません。だから、製造業の好不調が米国経済に与える直接効果は小さい、と捉えています。雇用指標・景気指標・国際収支に影響すると考えているので記録を取って見ていますが、反応が小さくそのときどきのトレンドに呑まれがちなため、指標分析に基づく取引には適していません。

8月17日に発表された7月分鉱工業生産・製造業生産は前回より低下しました。低下幅は、これら指標の過去推移に比べて正常範囲内です。よって、今回の発表があっても鉱工業生産と製造業生産のグラフ推移からは、変化の兆しが窺えません。ただ、設備稼働率は、2016年11月分以降の上昇基調が77%手前で4か月連続停滞しています。
グラフ推移から鉱工業・製造業の好不調を見やすい設備稼働率を見る限り、ここ最近の製造関連景気指標の低下は説明が付かない現象でした。

8月25日に発表された7月分耐久財受注前月比は、前回を大きく下回り△6.8%(前回+6.5%)ました。コア受注は+0.5%(前回+0.2%)でした。

 (分析事例) 鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率(2017年8月17日発表結果検証済)
 (分析事例) 耐久財受注(2017年8月25日発表結果検証済)

指標発表直後1分足跳幅が数pipsしかない指標では、指標結果に素直に反応しがち(事後差異と直後1分足の方向一致率が70%以上)で、且つ、指標結果の予想ができなければ取引する意味がありません。
僅か数pipsしか跳ねない指標では、比較的稼ぎやすい反応方向を確認してからの追撃をうまく出来ても、もっと小さなpipsしか得られません。何より、指標発表直後にすら大きく跳ねない指標は、もし反応を伸ばしがちだという分析結論を得ても、それが単にそのときどきのトレンドに偏りがあったことと区別ができないからです。

耐久財受注は、先に発表される鉱工業生産(同時に製造業生産・設備稼働率が発表)の実態差異(発表結果ー前回結果)との方向一致率が77%となり、両指標の良し悪しに相関があります。


【4-2-4. 収支関連指標】

最近は毎月400億ドル台の貿易赤字が続いています。毎月400億ドルという大きさは、年間で日本の国家予算近い規模の赤字ということです。米国の経済規模というのは本当にすごいのですね。

8月4日に発表された6月分貿易収支は、前月比△5.9%の465億ドルの赤字でした。
前月発表(5月分)では、内訳の輸出が2年ぶりの高水準でした。石油輸出が好調なだけでなく、輸出全体が約2年半ぶりの好調さです。今回発表では収支全体が2016年10月以来の赤字縮小でした。がしかし、直近の収支はここ2・3年で赤字が大きな時期に属します。赤字縮小に向かっている兆しは、まだグラフ推移から見出せません。

対中貿易赤字は+3.1%増加し、輸出が減って(△4.7%)、輸入が増えていました(+1.2%)。
米貿易赤字の47%は対中赤字です(2016年)。
7月16日に期日を迎えた米中100日計画は、早い時期にいくつかの合意がありました。中国市場への米国産牛肉輸出再開、米金融機関が中国市場で格付け業務・債券売買に参入、米LNG(液化天然ガス)輸出、といった内容です。その後、新たな合意についての報道がありません。これらの合意成果は、まだ指標結果に反映されていません。
8月18日、USTR(米通商代表部)は、通商法301条に基づく中国の知的財産権侵害調査を開始しました。8月24日、中国商務省は、国益を守るために必要なあらゆる手段を講じる、と表明しました。

 (分析事例) 貿易収支(2017年4月4日発表結果検証済)

本指標の特徴は、貿易赤字が多少増えようが減ろうが、発表直後の反応方向にあまり関係ありません。発表時刻の関係で、他の大きな指標と同時発表されることも多く、その結果、見掛け上の反応平均値は大きくなっています。単独で発表される場合には、あまり反応しない指標です。
本指標結果や内訳を論拠に、米政権からの2国間貿易収支に関する牽制発言があり得ます。本指標の意義は、毎月の貿易赤字の多寡よりも、そうした発言でUSDJPYが動くことへの警鐘を与えてくれることです。
以上


この記事へのコメント
コメントを書く

お名前: 必須項目

メールアドレス:


ホームページアドレス: 必須項目

コメント: 必須項目

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6568601

この記事へのトラックバック
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。