2017年07月06日
米国雇用指標「NFP変化・失業率・平均時給」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年7月7日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年7月7日21:30に米国雇用指標「NFP(非農業部門雇用者数)変化・失業率・平均時給」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標の過去傾向は、
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
詳細ないしは論拠は「T.調査・分析」を参照頂くこととして、その要点を以下に纏めておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
米国雇用統計は、市場の関心が最も高い経済指標として有名です。
過去に最も反応したのはNFP(非農業部門雇用者数)ですが、最近は平均時給への注目が高まっています。これは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、FRBは平均時給の上昇に関心があるのです。
さて、最も市場の関心を集めるだけに、雇用統計の結果を事前分析した記事は、毎月数多く見受けられます。
例えば、ISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数の内訳には、雇用指数というのがあります。また、ADP民間雇用者数も有名です。同月のこれら指数・指標結果に絡めて、当月の雇用統計の結果を論じる記事は、かなり多く見受けられます。
がしかし、下図をご覧ください。この図は、上記3つの指数・指標の結果を前月結果と比べた増減を、同月雇用統計のNFP増減数が前月結果と比べた増減と、方向一致率を調べたものです(実態差異の方向一致率を求めています)。
これでは当たらないと言った方が良いぐらいです(調査範囲は2015年1月分発表から前回発表までの29回分です)。あまりにひどい一致率ですが、事実は事実だから仕方ありません。
よって、ISMの雇用指数やADP民間雇用者数を論拠に、雇用統計のNFP増減を論じることはできません。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。これらグラフは、発表結果が後に修正値されても、修正せずに定時発表時のままの値をプロットしています。理由はおわかりだと思いますが、経済情勢の正確な把握よりも、発表時の反応との関係分析を優先するためです。
これら「NFP増減」「失業率」「平均時給」の反応への影響を調べておきましょう。
平均時給>NFP増減>失業率の順に、結果の良し悪しが反応方向に影響することがわかりました。そして、
で事後差異を求めると、直後1分足の反応と方向一致率が90%に達することがわかりました。
では次に、この係数を用いた雇用指標結果を用いて、先述の比較で最もアテになるADP結果と指標間一致性分析を行っておきます。
陰線率の方向一致率以外はひどいものです。
これは先述の通り、もともと最も関係が深いと思われるNFP増減とすら、ADP結果の実態差異の方向一致率が58%しかなかったため、と理解できます。
となれば、もう因果関係に説明がつくような分析ではなくなるものの、両指標の事後差異の方向一致率が32%(不一致率68%)しかないことに着目して、「逆張りの有効性」を調べるしかありません。
例えば、ADP民間雇用者数の発表結果が市場予想を下回った月は、雇用統計全体の発表結果が市場予想を上回る、というようなことです。上表では、こうした逆張り分析が3回に2回以上有効だったことが、データで示唆されています。
重ねて注記ですが、こんなデータ上の特徴には因果関係の説明がつきません。無理筋を通すなら、「ADP結果が良いときは、雇用統計発表以前に折込みが進むため、雇用統計発表後に事実売り(買い)が発生しやすい」という解釈です。
そうかも知れないけれど、どうもしっくりきません。
さて、雇用統計の事後差異と直後1分足の方向一致率は、過去90%にも達してます。
従って、ADP民間雇用者数の事後差異と逆方向に雇用統計直後1分足が反応することは、68%と90%の現象が重なったときなので、61%ということになります。
話が面倒だった割には、あまりアテにできる(高い確率)話じゃありませんね。これなら他の分析結果をアテにする方が、期待的中率が高くなります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
政策変更期待があるときの各国中銀の金利発表時を除くと、本指標と英国雇用統計は最も反応が大きい指標です。それだけに、騙しや高値(安値)掴みには気を付けましょう。
騙しや高値(安値)掴みを避けるセオリーなんてありません。騙されるときは騙されるし、タイミングを間違って高値(安値)掴みしてしまうこともあります。
本文を読んでくれた方のため、本指標の特徴を2つ挙げておきます。
ひとつは、直前1分足が陽線になったことは調査期間において4度しかないものの、陽線になったからと言って、直後1分足が陽線になるか否かは結果的に関係なかったことが下図を見比べればわかります。慌ててはいけません。
もうひとつは、直後1分足跳幅が過去平均値50pipsを超えたことは11回(38%)あります。この11回だけに注目して、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅よりも伸びたことは8回(72%)です。当り前の傾向ですが、大きく反応したときには、発表から1分を過ぎてから高値・安値を付けがちです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年7月7日23:10頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果はまちまちで、NFP増減は改善、失業率と平均時給は悪化しました。
この、まちまちの結果を受けて、発表から20秒程度経過すると、長い上ヒゲを残して値幅を削り、発表後3分を経過した頃には陰線へと転じました。そして、発表から5分経過後には再び陽線側に反応を伸ばしました。反応はかなり複雑な動きで、方向を見切るような取引方法では損切となった人も多いと推察します。
妙な動きが直前1分足でありました。発表の10秒前ぐらいから「すー」と陰線側に伸びたのです。前日のADP発表直前にも全く同じ動きがあり、単に発表直前のポジションクローズではないのかも知れません。
この動きに連られて売っていたら、発表直後の初期反応で損切が自然です。初期反応を見てから追撃しても、発表後20秒ぐらいで決済していないと、再び損切が自然です。もう一度、ドテンしても5分以内に決済していないと、またまた損切になっていた可能性があります。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足の利確が早すぎたかも知れませんが、これで構いません。前述の「すー」と陰線側に大きく動いたのは、指標発表10秒前ぐらいからです。そこまで付き合っていたら、指標発表直後の反応を狙ったポジションが取れずにいたかも知れません。
発表時刻を跨いだ直後1分足跳幅狙いは、うまいタイミングで利確できました。
最初の追撃は一時、含損が生じていたものの、失業率と平均時給が悪化していたので、含益転換が待てました。3度目の追撃は、まさかもう一度反転するとは考えていなかったので、これは判断ミスです。
事前調査分析内容を、以下に検証します。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年7月7日21:30に米国雇用指標「NFP(非農業部門雇用者数)変化・失業率・平均時給」が発表されます。今回発表は2017年6月分の集計結果です。
本指標の過去傾向は、
- 反応が非常に大きい経済指標のひとつで、
- 反応方向は素直な傾向があり、
- 追撃は早期参加・短期利確に適しています。
定型分析結果を以下図表に纏めておきました。図表の細かな文字が見えにくければクリックしてください。
詳細ないしは論拠は「T.調査・分析」を参照頂くこととして、その要点を以下に纏めておきます。
- ISM製造業景況指数とISM非製造業景況指数の雇用指数やADP民間雇用者数は、本指標のNFP増減の結果を先行示唆すると言われています。
がしかし、直近29回の結果を調べた限りアテにならず、ADPを除けば外れることの方が多いくらいです。そのADPの結果も、NFP増減の結果を正しく示せたことは58%しかありません。 - 発表結果項目毎の発表結果の良し悪しは、直後1分足の反応方向と、平均時給(78%)>NFP増減(66%)>失業率(57%)、となっています。
また、各項目に適切な係数を用いて回帰計算を行うと、事後差異と直後1分足の方向一致率は90%と達します。よって、本指標は素直に反応する傾向があります。 - 直前1分足の陰線率は83%と、かなり偏りがあります。
指標発表前のローソク足の方向が、指標発表後のローソク足の方向を示唆している兆候はありません。 - 事前差異(市場予想ー前回結果)と直後1分足との方向一致率が75%となっています。つまり、最も有名な指標だけに、指標結果方向について市場予想がアテにできる訳です。そして、今回の事前差異はプラスです。よって、陽線で反応する可能性が高い、と解釈します。
- 指標発表時点から見て、直後1分足と直後11分足の方向一致率は86%です。直後1分足と直後11分足の跳幅同士・終値同士を見比べると、反応が伸びた確率は各80%・56%です。そして、次に、直後1分足終値がついた時点から見ると、直後11分足の終値が伸びていたことは48%しかありません。
つまり、反応方向を確認したら追撃ポジションを取り、短期利確に適しています。発表から1分を過ぎると、そこからどちらに反応するかはわからない、ということです。騙しや高値(安値)掴みには注意が必要です。 - 以上の分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(1) 直前1分足は陰線と見込みます。
(2) 直後1分足は陽線と見込みます。
(3) 追撃は早期参加・短期利確で行います。分析結果からは、発表から1分を過ぎての追撃に適していない指標となっているものの、大きく動きがちな指標なので、チャートの動き次第では慎重に再追撃しても良いでしょう。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
米国雇用統計は、市場の関心が最も高い経済指標として有名です。
過去に最も反応したのはNFP(非農業部門雇用者数)ですが、最近は平均時給への注目が高まっています。これは、以前にFRB幹部が注目していると発言したからです。現在、米国経済は成長とインフレが持続しています。インフレが進むのに賃金が上昇しなければ、いずれ成長が腰折れしてしまいます。だから、FRBは平均時給の上昇に関心があるのです。
さて、最も市場の関心を集めるだけに、雇用統計の結果を事前分析した記事は、毎月数多く見受けられます。
例えば、ISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数の内訳には、雇用指数というのがあります。また、ADP民間雇用者数も有名です。同月のこれら指数・指標結果に絡めて、当月の雇用統計の結果を論じる記事は、かなり多く見受けられます。
がしかし、下図をご覧ください。この図は、上記3つの指数・指標の結果を前月結果と比べた増減を、同月雇用統計のNFP増減数が前月結果と比べた増減と、方向一致率を調べたものです(実態差異の方向一致率を求めています)。
これでは当たらないと言った方が良いぐらいです(調査範囲は2015年1月分発表から前回発表までの29回分です)。あまりにひどい一致率ですが、事実は事実だから仕方ありません。
よって、ISMの雇用指数やADP民間雇用者数を論拠に、雇用統計のNFP増減を論じることはできません。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの29回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。これらグラフは、発表結果が後に修正値されても、修正せずに定時発表時のままの値をプロットしています。理由はおわかりだと思いますが、経済情勢の正確な把握よりも、発表時の反応との関係分析を優先するためです。
これら「NFP増減」「失業率」「平均時給」の反応への影響を調べておきましょう。
平均時給>NFP増減>失業率の順に、結果の良し悪しが反応方向に影響することがわかりました。そして、
NFP増減の差異[単位:万人]✕1
ー失業率の差異[単位:%]✕10
+平均賃金前月比の差異[単位:%]✕30
ー失業率の差異[単位:%]✕10
+平均賃金前月比の差異[単位:%]✕30
で事後差異を求めると、直後1分足の反応と方向一致率が90%に達することがわかりました。
では次に、この係数を用いた雇用指標結果を用いて、先述の比較で最もアテになるADP結果と指標間一致性分析を行っておきます。
陰線率の方向一致率以外はひどいものです。
これは先述の通り、もともと最も関係が深いと思われるNFP増減とすら、ADP結果の実態差異の方向一致率が58%しかなかったため、と理解できます。
となれば、もう因果関係に説明がつくような分析ではなくなるものの、両指標の事後差異の方向一致率が32%(不一致率68%)しかないことに着目して、「逆張りの有効性」を調べるしかありません。
例えば、ADP民間雇用者数の発表結果が市場予想を下回った月は、雇用統計全体の発表結果が市場予想を上回る、というようなことです。上表では、こうした逆張り分析が3回に2回以上有効だったことが、データで示唆されています。
重ねて注記ですが、こんなデータ上の特徴には因果関係の説明がつきません。無理筋を通すなら、「ADP結果が良いときは、雇用統計発表以前に折込みが進むため、雇用統計発表後に事実売り(買い)が発生しやすい」という解釈です。
そうかも知れないけれど、どうもしっくりきません。
さて、雇用統計の事後差異と直後1分足の方向一致率は、過去90%にも達してます。
従って、ADP民間雇用者数の事後差異と逆方向に雇用統計直後1分足が反応することは、68%と90%の現象が重なったときなので、61%ということになります。
話が面倒だった割には、あまりアテにできる(高い確率)話じゃありませんね。これなら他の分析結果をアテにする方が、期待的中率が高くなります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
政策変更期待があるときの各国中銀の金利発表時を除くと、本指標と英国雇用統計は最も反応が大きい指標です。それだけに、騙しや高値(安値)掴みには気を付けましょう。
騙しや高値(安値)掴みを避けるセオリーなんてありません。騙されるときは騙されるし、タイミングを間違って高値(安値)掴みしてしまうこともあります。
本文を読んでくれた方のため、本指標の特徴を2つ挙げておきます。
ひとつは、直前1分足が陽線になったことは調査期間において4度しかないものの、陽線になったからと言って、直後1分足が陽線になるか否かは結果的に関係なかったことが下図を見比べればわかります。慌ててはいけません。
もうひとつは、直後1分足跳幅が過去平均値50pipsを超えたことは11回(38%)あります。この11回だけに注目して、直後11分足跳幅が直後1分足跳幅よりも伸びたことは8回(72%)です。当り前の傾向ですが、大きく反応したときには、発表から1分を過ぎてから高値・安値を付けがちです。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応性分析の結果を下表に示します。
反応一致性分析の結果を下図に示します。
指標一致性分析の結果を下図に示します。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年7月7日21:30発表
以下は2017年7月7日23:10頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果はまちまちで、NFP増減は改善、失業率と平均時給は悪化しました。
この、まちまちの結果を受けて、発表から20秒程度経過すると、長い上ヒゲを残して値幅を削り、発表後3分を経過した頃には陰線へと転じました。そして、発表から5分経過後には再び陽線側に反応を伸ばしました。反応はかなり複雑な動きで、方向を見切るような取引方法では損切となった人も多いと推察します。
妙な動きが直前1分足でありました。発表の10秒前ぐらいから「すー」と陰線側に伸びたのです。前日のADP発表直前にも全く同じ動きがあり、単に発表直前のポジションクローズではないのかも知れません。
この動きに連られて売っていたら、発表直後の初期反応で損切が自然です。初期反応を見てから追撃しても、発表後20秒ぐらいで決済していないと、再び損切が自然です。もう一度、ドテンしても5分以内に決済していないと、またまた損切になっていた可能性があります。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足の利確が早すぎたかも知れませんが、これで構いません。前述の「すー」と陰線側に大きく動いたのは、指標発表10秒前ぐらいからです。そこまで付き合っていたら、指標発表直後の反応を狙ったポジションが取れずにいたかも知れません。
発表時刻を跨いだ直後1分足跳幅狙いは、うまいタイミングで利確できました。
最初の追撃は一時、含損が生じていたものの、失業率と平均時給が悪化していたので、含益転換が待てました。3度目の追撃は、まさかもう一度反転するとは考えていなかったので、これは判断ミスです。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を、以下に検証します。
- 反応は過去平均より小さく、方向は結果的に素直だったものの、追撃は難しかったと思われます。
- ISM製造業とISM非製造業の雇用指数とADPのうち、今回のNFP増減の実態差異方向が一致したのは、ISM製造業のみでした。
- 過去の発表結果項目毎の実態差異と直後1分足の方向一致率は、平均時給(78%)>NFP増減(66%)>失業率(57%)、でした。今回の結果は、NFP増減と一致したことになります。
また、各項目に適切な係数を用いて回帰計算を行うと、事後差異と直後1分足の方向一致率は90%に達していました。今回の発表結果から事後差異を計算するとプラスで、素直に反応したことになります。 - 直前1分足の陰線率は83%と、かなり偏りがありました。結果は陰線です。
- 事前差異と直後1分足との方向一致率が75%となっていました。結果は一致しました。
- 直後1分足と直後11分足は方向一致し、直後1分足と直後11分足の跳幅同士・終値同士を見比べて、いずれも反応を伸ばしました。
また、直後1分足終値がついた時点から見て、直後11分足の終値が伸びていたことは48%しかありませんでした。がしかし、結果は終値を伸ばしています。
反応方向を確認したら追撃ポジションを取り、短期利確に適している、という事前分析は、ほぼこれで良かったと思われます。
(6-2. シナリオ検証)
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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