2017年06月19日
豪州金融政策「RBA金融政策決定理事会議事録」公表前後のAUDJPY反応分析(2017年6月20日10:30公表結果検証済)
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年6月20日10:30に豪州金融政策「RBA金融政策決定理事会議事録」が発表されます。今回発表は去る6月6日の理事会の議事録となります。
同時に実態指標「四半期住宅価格」が発表されます。「議事録」に注目箇所がある場合、「議事録」の方が反応に寄与します。今回は、あまり注目すべき内容がないと思われるため、「住宅」の方が反応に寄与するかも知れません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
興味のある方のために、以下、分析結果を開示しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
RBA議事録の要点は「政策金利決定理由(方針)」「インフレ動向」「経済見通し」です。
がしかし、最も関心が高い政策金利決定方針については、しばしば市場予想を裏切ってサプライズを起こしています。つまり、結果から言えば(サプライズが生じる以上)最も関心がある「政策金利」が読み取れていない、ということになります。
それにも関わらず、公表された議事録から次回の理事会決定を予測せざるを得ないため、内容によってはAUDが大きく反応します(たまにです)。疑心暗鬼もあって、どの文言によって議事録公表時の反応方向が決まるのかはわからない、というのが本音です。
むしろ個人的には、すぐに役立つ情報だと言えないものの、公的機関によるインフレ動向や経済見通しを直近の経済指標の解釈を見直すことに使う方が役立つ、と考えています。そもそも豪州経済に関して入手できる情報は、米欧中に比べて少ないのですから。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
下図に本議事録の元となる結論の政策金利の市場予想と発表結果の推移を示します。
前回理事会では「市場予想通り現状維持」が結論でした。
過去の直後1分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が50%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは92%、終値同士で反応が伸びたことは62%となっています。
つまり、確率的には指標発表後の反応方向が陽線から陰線(陰線から陽線)へと反転することが多く、安心して追撃ポジションを取れません。方向一致時の跳値の反応伸長率が高くても、方向が一致しないことには無意味です。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
先に形成されたローソク足が、その後に形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
政策金利発表結果は分析に足るデータ数が稼げていないので省略します。
代わりに、指標間反応一致性分析の結果を示します。
下表は、本議事録の元となる政策金利発表前後と本議事録公表時の各ローソク足の方向一致率を求めています。
結果、政策金利発表時の反応がどうあれ、議事録公表時の反応方向とは関係が薄いことがわかります。
本議事録の公表内容を考慮してのポジションは取りません。
以下は2017年6月22日12時頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
同時発表された1-3月期住宅価格指数の前年比が前回結果・市場予想を上回り、陽線で反応しています。
今回の議事録は予想通りの内容で、以下に要点を纏めておきます。
そして、豪州中銀総裁は「今後数年の豪州経済は成長がやや力強さを増す見通し」について言及しました。
取引できませんでした。
発表内容は予想通りです。
問題ありません。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年6月20日10:30に豪州金融政策「RBA金融政策決定理事会議事録」が発表されます。今回発表は去る6月6日の理事会の議事録となります。
同時に実態指標「四半期住宅価格」が発表されます。「議事録」に注目箇所がある場合、「議事録」の方が反応に寄与します。今回は、あまり注目すべき内容がないと思われるため、「住宅」の方が反応に寄与するかも知れません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 基本的に反応が小さく、その方向も過去の傾向からは読み取れず、追撃にも向いていません。
- 過去の反応平均は直後1分足跳幅・値幅が各11pips・6pipsです。そして、その11pipsを超えて反応したことは33%しかありません。
- 直後11分足の過去平均は、跳幅・値幅が各19pips・12pipsと、直後1分足より大きくなっています。
がしかし、反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は50%となっています。2回に1回は反応が反転する訳ですから、追撃には向いていません。 - そして、反応一致性分析の結果は、ある期間のローソク足が陽線や陰線となる偏りが見られず、先に形成されたローソク足がその後に形成されるローソク足の方向を示唆している兆候もありません。
指標間反応一致性分析では、本議事録と、本議事録の元となる政策金利発表前後のローソク足の反応方向一致率を調べました。がしかし、政策金利発表時の反応がどうあれ、議事録公表時の反応方向とは関係が薄いことがわかりました。 - つまり、過去のデータに基づく取引には全く向いていません。
但し、議事録で利上げ・利下げが示唆された場合(今はあまり考えられませんが)は別です。
主観的な話で恐縮ですが、AUDJPYは大きな指標発表時にトレンドが形成されると、発表後1時間ぐらい続きがちです。特に、15分ぐらいは押し目らしい押し目もなく反応が伸び続けがちです。また、政策金利が絡む話は、欧州勢が参加する15時・16時・17時ちょうどに数分間(1-3分?)、再び同じ方向に反応しがちです。
それらを頭に入れておきましょう。
興味のある方のために、以下、分析結果を開示しておきます。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正している、というのが実情です。
【1. 指標概要】
RBA議事録の要点は「政策金利決定理由(方針)」「インフレ動向」「経済見通し」です。
がしかし、最も関心が高い政策金利決定方針については、しばしば市場予想を裏切ってサプライズを起こしています。つまり、結果から言えば(サプライズが生じる以上)最も関心がある「政策金利」が読み取れていない、ということになります。
それにも関わらず、公表された議事録から次回の理事会決定を予測せざるを得ないため、内容によってはAUDが大きく反応します(たまにです)。疑心暗鬼もあって、どの文言によって議事録公表時の反応方向が決まるのかはわからない、というのが本音です。
むしろ個人的には、すぐに役立つ情報だと言えないものの、公的機関によるインフレ動向や経済見通しを直近の経済指標の解釈を見直すことに使う方が役立つ、と考えています。そもそも豪州経済に関して入手できる情報は、米欧中に比べて少ないのですから。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの27回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に本議事録の元となる結論の政策金利の市場予想と発表結果の推移を示します。
前回理事会では「市場予想通り現状維持」が結論でした。
(2-2. 過去反応)
過去の直後1分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が50%です。方向一致時に直後1分足と直後11分足を比較して、跳値同士で反応が伸びたことは92%、終値同士で反応が伸びたことは62%となっています。
つまり、確率的には指標発表後の反応方向が陽線から陰線(陰線から陽線)へと反転することが多く、安心して追撃ポジションを取れません。方向一致時の跳値の反応伸長率が高くても、方向が一致しないことには無意味です。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
先に形成されたローソク足が、その後に形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
(3-3. 指標一致性分析)
政策金利発表結果は分析に足るデータ数が稼げていないので省略します。
代わりに、指標間反応一致性分析の結果を示します。
下表は、本議事録の元となる政策金利発表前後と本議事録公表時の各ローソク足の方向一致率を求めています。
結果、政策金利発表時の反応がどうあれ、議事録公表時の反応方向とは関係が薄いことがわかります。
【4. シナリオ作成】
本議事録の公表内容を考慮してのポジションは取りません。
以上
2017年6月20日10:30発表
以下は2017年6月22日12時頃に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
同時発表された1-3月期住宅価格指数の前年比が前回結果・市場予想を上回り、陽線で反応しています。
今回の議事録は予想通りの内容で、以下に要点を纏めておきます。
- 世界経済は改善、貿易取引と工業生産の両分野での成長が顕著、中国は民間固定資産投資の伸び率が暫く低迷
- 国内経済は、3月分小売売上高が低迷しており消費が減速、労働市場は今後の家計所得の伸び率が重要で、労働市場・住宅市場の改善状況を注視継続
そして、豪州中銀総裁は「今後数年の豪州経済は成長がやや力強さを増す見通し」について言及しました。
(5-2. 取引結果)
取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
発表内容は予想通りです。
(6-2. シナリオ検証)
問題ありません。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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