2017年05月25日
米国経済指標「四半期GDP改定値」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年5月26日21:30発表結果検証済)
結果検証は6月1日以降になります。
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月26日21:30に米国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。個性的な指標なので、少し長くなります。
指標については次の通りです。
シナリオは次の通りです。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
省略します。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
下図は、GDP・PCEともに過去の発表結果が過去の改定値となっています。本来ならば、現在と比較すべき過去データには確定値か、前回発表結果である速報値を用いるべきですが、対応できていません。
4月28日の速報値発表以降に3月分データが公表された主要指標は次の通りです。
5月1日、PCE・PCEコアデフレータが発表されました。PCE前月比は、今年1月から3か月連続で低下しており、0%となってしまいました。PCEコアデフレータ前月比は△0.1%と2000年末頃以来のマイナス転化です。
5月4日、3月貿易収支が発表され、10-12月期の赤字合計と1-3月の赤字合計にあまり差がないことが確認できました。
5月9日、3月卸売在庫前月比が発表されました。昨年11月12月のレベルには達しないものの、1月のマイナスに対し2月3月はプラス化しています。
5月16日、3月対米証券投資(短期債除く)が発表されました。10-12月期より1-3月期は約900億ドル増えたようです。ただ、この数字は経常収支と比較しないといけません。
速報値以前の発表となりますが、3月ISMは製造業・サービス業ともに前月より数値低下しています。
以上の結果、最もGDP寄与が大きな個人消費が2月分から伸びておらず、今回改定値は市場予想を下回るのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%です。方向一致時に、直後1分足と直後11分足との跳値同士・終値同士の反応伸長率は各64%・21%となっています。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足の陽線率が77%となっています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が27%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、それぞれのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は、直前1分足・直後1分足・直後11分足との方向一致率が各18%・25%・25%となっています。その一方、実態差異は直前1分足との方向一致率が18%となっています。
ところが、前項の反応一致性分析の結果、直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が27%です。もし、直前10-1分足が陽線なら、ふたつの分析結果が一致して直前1分足は陰線ですが、直前10-1分足が陰線ならば分析結果が矛盾することになります。
よって、直前1分足は、直前10-1分足が陽線のとき陰線と見込み、直前10-1分足が陰線の場合にはポジション取得を諦めます。
次に直後1分足は、前期比市場予想が速報値の上方改定となっていることから、直後1分足は陰線と見込みます。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以下は2017年6月2日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
GDP改定値・PCE前期比は、前回結果・市場予想を上回りました。
耐久財受注は、前回結果を下回ったものの市場予想を上回りました。
デフレータ・コアPCE前期比は、前回結果と同値で市場予想を下回りました。
企業収益・コア耐久財受注は前回結果も市場予想も下回りました。
直後1分足は陽線で反応しており、GDP改定値とPCE前期比が寄与したものと考えられます。
一方、直後11分足は直後1分足の値幅を全て失っており、デフレータとコアPCE・企業収益の悪化が寄与したと考えられます。
出先で取引できませんでした。
事前分析では、GDP改定値は速報値を下回ると予想していました。外しています。
取引はできなかったものの、事前準備していたシナリオを検証しておきます。
直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が77%となっていました。
結果は陰線でした。
直前1分足は、反応一致性分析と指標一致性分析の結果、直前10-1分足が陽線のとき陰線と見込んでポジションを取り、直前10-1分足が陰線の場合にはポジション取得を諦めるつもりでした。
結果は、直前10-1分足は陰線なので、取引ができていたら売ポジションを取る予定でした。直前1分足は同値終了なので、スプレッド分だけ損切となっていたことになります。
直後1分足は、指標一致性分析の結果、陰線と見込んでいました。
結果は陽線で、もし取引していたら10pips近い損切となるところでした。
どうやら取引できなかったことが幸いしたようです。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以下、「T.調査・分析」を事前投稿し、「U.結果・検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.結果・検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年5月26日21:30に米国経済指標「四半期GDP改定値」が発表されます。今回発表は2017年1-3月期分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本指標で取引する上での注意点です。個性的な指標なので、少し長くなります。
- まず、指標一致性分析の結果、直後1分足と直後11分足との方向一致率は88%もあります。がしかし、両者の終値同士を比較すると、両者方向一致時に直後11分足終値が直後1分足終値を超えて反応を伸ばしていたことは、たったの21%しかありません。
21%などという反応伸長率は、主要経済指標で珍しいはずです。
本指標は追撃に向いていないという特徴が明確です。 - 次に「ならば逆張りならどうか」と言えば難しいところです(お勧めしません)。
両者の方向一致率が88%もあるので、0.88✕(1ー0.21)=70%は、直後11分足終値が直後1分足の値幅内に収まっていたことになります。もし直後1分足終値を付けたなら、同終値を超えたときに限って逆張りでポジションを取る、という方法が考えられます。
がしかし、想像してみてください。指標発表後に陽線(陰線)が伸びているときに、逆方向にポジションを取るのは、いくら過去データで70%の勝率を示していても、ちょっとできません。もし当たれば気持ち良いでしょうけど。 - 逆張りなんて、チャンスに思えても「やらない」と決めておいた方が良いのです。
分析によってファインプレーみたいな勝ち方ができたとしても、1アウトは1アウトに過ぎません。88%の事例では指標発表時始値以上に反応が伸びなかったのです。
以前どこかで記したように、当会で調べた順張りと逆張りの収益率は4:1もの差があるのです。4:1の1がマイナスにならないだけでも自慢なのですが、この差の原因はそのとき把握したつもりです。逆張りに適した多くの場面では、反応が伸びない・反応が伸び続けるという期待感が持てない場面だからです。順張りに適した場面での取引と決定的な収益差が生じた原因はそこにある、と考えています。
期待値の小さい勝負は避けた方が良いでしょう。まして、ちょっと何度か試して逆張りの収益率がマイナスになるようなら、逆張りなんてやるべきではありません。
指標については次の通りです。
- GDP速報値発表後の3月PCE前月比は0%となっています。ISM製造業・サービス業の数値や小売も3月分データは良くありません。
今回は市場予想を下回るのではないでしょうか。
シナリオは次の通りです。
- 直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が77%となっています。
- 直前1分足は、反応一致性分析と指標一致性分析の結果、直前10-1分足が陽線のとき陰線と見込んでポジションを取り、直前10-1分足が陰線の場合にはポジション取得を諦めます。
- 直後1分足は、指標一致性分析の結果、陰線と見込みます。
直後1分足のポジションを指標発表直前に取ると、もし損切するときには大きくなりがちです。本指標の場合には、いずれ値を戻す事例が多いことがわかっています。がしかし、外れたときに損切を先延ばしすべきではありません。諦めてタンタンと損切しましょう。
多くの初心者にとって、逆張りなんて悪い癖を覚えるぐらいなら、ここで損をしておいた方がマシです。 - 本指標発表時には追撃を行いません。
T.調査・分析
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。
【1. 指標概要】
省略します。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの16回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
下図は、GDP・PCEともに過去の発表結果が過去の改定値となっています。本来ならば、現在と比較すべき過去データには確定値か、前回発表結果である速報値を用いるべきですが、対応できていません。
4月28日の速報値発表以降に3月分データが公表された主要指標は次の通りです。
5月1日、PCE・PCEコアデフレータが発表されました。PCE前月比は、今年1月から3か月連続で低下しており、0%となってしまいました。PCEコアデフレータ前月比は△0.1%と2000年末頃以来のマイナス転化です。
5月4日、3月貿易収支が発表され、10-12月期の赤字合計と1-3月の赤字合計にあまり差がないことが確認できました。
5月9日、3月卸売在庫前月比が発表されました。昨年11月12月のレベルには達しないものの、1月のマイナスに対し2月3月はプラス化しています。
5月16日、3月対米証券投資(短期債除く)が発表されました。10-12月期より1-3月期は約900億ドル増えたようです。ただ、この数字は経常収支と比較しないといけません。
速報値以前の発表となりますが、3月ISMは製造業・サービス業ともに前月より数値低下しています。
以上の結果、最もGDP寄与が大きな個人消費が2月分から伸びておらず、今回改定値は市場予想を下回るのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
【3. 定型分析】
(3-1. 反応性分析)
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が88%です。方向一致時に、直後1分足と直後11分足との跳値同士・終値同士の反応伸長率は各64%・21%となっています。
(3-2. 反応一致性分析)
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
直前10-1分足の陽線率が77%となっています。
直前1分足は、直前10-1分足との方向一致率が27%です。
(3-3. 指標一致性分析)
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、それぞれのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
事前差異は、直前1分足・直後1分足・直後11分足との方向一致率が各18%・25%・25%となっています。その一方、実態差異は直前1分足との方向一致率が18%となっています。
ところが、前項の反応一致性分析の結果、直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が27%です。もし、直前10-1分足が陽線なら、ふたつの分析結果が一致して直前1分足は陰線ですが、直前10-1分足が陰線ならば分析結果が矛盾することになります。
よって、直前1分足は、直前10-1分足が陽線のとき陰線と見込み、直前10-1分足が陰線の場合にはポジション取得を諦めます。
次に直後1分足は、前期比市場予想が速報値の上方改定となっていることから、直後1分足は陰線と見込みます。
【4. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照願います。
以上
2017年5月26日21:30発表
以下は2017年6月2日に追記しています。
U. 結果・検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
GDP改定値・PCE前期比は、前回結果・市場予想を上回りました。
耐久財受注は、前回結果を下回ったものの市場予想を上回りました。
デフレータ・コアPCE前期比は、前回結果と同値で市場予想を下回りました。
企業収益・コア耐久財受注は前回結果も市場予想も下回りました。
直後1分足は陽線で反応しており、GDP改定値とPCE前期比が寄与したものと考えられます。
一方、直後11分足は直後1分足の値幅を全て失っており、デフレータとコアPCE・企業収益の悪化が寄与したと考えられます。
(5-2. 取引結果)
出先で取引できませんでした。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前分析では、GDP改定値は速報値を下回ると予想していました。外しています。
(6-2. シナリオ検証)
取引はできなかったものの、事前準備していたシナリオを検証しておきます。
直前10-1分足は、反応一致性分析の結果、陽線率が77%となっていました。
結果は陰線でした。
直前1分足は、反応一致性分析と指標一致性分析の結果、直前10-1分足が陽線のとき陰線と見込んでポジションを取り、直前10-1分足が陰線の場合にはポジション取得を諦めるつもりでした。
結果は、直前10-1分足は陰線なので、取引ができていたら売ポジションを取る予定でした。直前1分足は同値終了なので、スプレッド分だけ損切となっていたことになります。
直後1分足は、指標一致性分析の結果、陰線と見込んでいました。
結果は陽線で、もし取引していたら10pips近い損切となるところでした。
どうやら取引できなかったことが幸いしたようです。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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