2017年04月19日
米国景気指標「Phil連銀景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年4月20日21:30発表結果検証済)
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
2017年4月20日21:30に米国景気指標「Phil連銀景況指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
同時に、米国雇用指標「週次新規失業保険申請件数」も発表されます。本分析には、その影響を踏まえていません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
過去の直後1分足跳幅は平均値が9pipsです。がしかし、反応分布を見てみると、9pipsを超えて反応したことは37%しかありません。3回に2回は数pipsしか反応しないということです。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
フィラデルフィア連銀管轄のペンシルバニア州・ニュージャージー州・デラウエア州の製造業の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。
製造業景気指数は、ニューヨーク連銀製造業景気指数→フィラデルフィア連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がフィラデルフィア連銀製造業景気指数で、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の先行指標がニューヨーク連銀製造業景気指数、という見方があります。
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの
回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は25.0で、前回結果32.8よりも7.8ポイント低下と予想されています。
関連指標を見てみましょう。
同じ4月分のNY連銀製造業景気指数は5.2と、前回(3月分)結果16.4・市場予想15.0を大きく下回りました。同指数は、2月分が18.7で、3月分は2.3ポイント低下しており、4月分は3月分から11.2ポイントの低下と、低下が加速しています。
Phil連銀景況指数は、2月分43.3・3月分32.8(△10.5ポイント)で、今回市場予想が△7.8ポイントというのは指数低下が減速していることになります。ここで本指数は、1か月前と比べて現在が「良い」「同じ」「悪い」からの選択を含んでいます。3月に2月と比べたときより、4月に3月を比べた方が、現地報道における税制改革遅延等の政策遂行力不信・株価不安・利上げと、景況感悪化が加速する方が自然です。NY連銀の結果は妥当だと思います。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想しています。NY連銀の結果が12月・1月の水準を下回ったことを踏まえると、市場予想の25.0に低下が留まらず、今回は20弱がつり合いの取れる水準です。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足は陽線が目立ちますが、後記する反応一致性分析の陽線率は69%です。惜しいことに、ポジション取得の基準70%には達していません。
直前1分足には陰線が目立ちますが、一方で上ヒゲも目立ちます。発表直前にばたばたしており、ポジションを取るなら注意が必要です。慌てないように、過去の跳幅平均値が4pipsあることを覚えておきましょう。
直後11分足はヒゲが目立ちます。平均的な直後11分足跳幅は17pipsで、同値幅は9pipsです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。但し、先のローソク足検証で直後11分足には、直後1分足終値よりも大きなヒゲが目立ちます。反応方向を確認してからポジションを取るなら、高値掴みをしないことと短期利確を強く意識した方が良いでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が78%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異は、指標発表前後との方向一致率が高くありません。つまり、過去の実績から言えば、本指標の市場予想が低くても(高くても)あまりアテにはなりません。
また、事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ78%・69%です。つまり、発表結果が市場予想を上回ったら/下回ったら、陽線/陰線で反応しています。比較的素直に反応する指標です。
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以下は2017年4月21日09:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は22.0(市場予想25.5:発表前に改訂されていますね)でした。33年ぶりの高水準を記録しta
2017年2月から、3月・4月と2か月続けて数値が低下しました。がしかし、今回発表値の22.0も悪い数字ではありません。
内訳は、従業員数指数19.9(前月17.5)、支払価格指数33.7(前月40.7)、業況6か月予測45.4(前月59.5)、新規受注指数27.4(前月38.6)、設備投資6か月予測36.5(前月34.5)でした。新規受注が減って6か月予測が悪化しています。これらの数字も、前月より低下が多いものの、悪い数字ではありません。
同時発表された週次新規失業保険申請件数は24万4千件(市場予想24万2千件)を上回りました。
反応は直後1分足・直後11分足ともに陽線で、Phil連銀指数・失業保険申請件数ともに市場予想より悪化したにも関わらず少しおかしな動き方でした。詳細は後述します。
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は、陰線にも関わらず、利確のタイミングを逃して損切となりました。まだまだですね。
直後1分足は、スリップでポジション取得に3度失敗したため、後に確認してみると指標発表の2秒後にポジション取得となっていました。但し、発表後5-10秒程度はほとんどチャートが動いておらず、やや陽線側に振れていたと記憶しています。いずれにせよ、反応が生じるまでやや時間があったので、その間に指標結果が市場予想を下回ったことが確認できました。にも関わらず、しばらく待ったものの反応が陽線側に伸びるのを確認して損切しました。結果的には、指標発表後2-3分後に一旦陰線側に振れますが、すぐにまた陽線側へと転じました。シナリオ趣旨に反しないように損切は仕方ありません。
直後11分足は、指標発表後2-3分後に陰線側に一旦転じたものの、その後は陽線側へと反応を伸ばしていきました。追撃ポジションを取得したものの、あまり反応は伸びず、結果的には指標発表後25分後ぐらいから急激に陽線側に伸びていきました。
確か、株価先物が指標発表前から少しずつ前日終値よりも値を伸ばしていたように記憶しています。リスク回避へのそろそろ感もあり、週末の仏大統領選関連で懸念されている極右政党候補が世論調査での支持率が2位に落ちたという報道もあったらしく、その影響かも知れません。
ともあれ、指標が悪化したのに陽線での反応でした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
全体的なポイント掌握状況は悪くありません。シナリオ外の追撃ポジション追加は、この認識があってこそです。
また、何点か外してしまっている点(素直な反応)は、確率的な問題でもあるので仕方ないでしょう。
事前準備していたシナリオは次の通りです。
結果的に損切となった直前1分足も含め、大きな問題はありません。
直後1分足が陰線での反応と読んでいた点は完全に外しましたが、先に記した市場環境ですから仕方ありません。シナリオ構築自体のロジックを改める必要はないと考えています。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
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本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
2017年4月20日21:30に米国景気指標「Phil連銀景況指数」が発表されます。今回発表は2017年4月分の集計結果です。
同時に、米国雇用指標「週次新規失業保険申請件数」も発表されます。本分析には、その影響を踏まえていません。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
過去の直後1分足跳幅は平均値が9pipsです。がしかし、反応分布を見てみると、9pipsを超えて反応したことは37%しかありません。3回に2回は数pipsしか反応しないということです。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 直近の欧米時間の値動きは、リスクが意識される一方でそろそろ感も強い様子が伺えます。残念ながら、過去の実績に基づく分析があまりアテにならなくなっています。また、本指標発表と同時に、週次新規失業保険申請件数が発表され、以下の分析にその点は踏まえられていません。
(2) 過去の傾向から言えば、発表後は素直に反応しがちな指標です(事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ78%・69%です)。
(3) 上表の通り、初期の反応(直後1分足跳幅)が小さいことが多い指標です。そして、直後11分足跳幅の平均値はその倍ぐらいあるものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも同じ方向に伸びたことが2回に1回しかありません。つまり、直後11分足と直後1分足の方向一致率が高い(78%)ので、反応方向を確認してから追撃ポジションを取っても良いが、さっさと利確した方が良い指標だと言えます。 - 指標については、市場予想を下回ると予想しています。
論拠は、先日発表されたNY連銀と同程度低下すると、今回の発表結果が20弱でつり合いが取れるから、です(今回の市場予想は25.0)。 - シナリオは次の通りです。
上記の通り、本分析は同時発表される週次新規失業保険申請件数の影響を踏まえていません。がしかし、上記指標定性分析の通り、今回の本指標発表では市場予想を大きく下回る可能性に着目しています。よって、今回は本指標分析結果を重視し、以下のシナリオでポジションを取得してみます。
但し、直近の欧米時間はリスクを意識しつつ、そろそろ感が強い様子も窺えます。よって、当日の欧米時間からのトレンドが強いようなら、指標の影響なんかほとんどないでしょうから、その場合の取引は中止します。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、市場予想を下回ると予想しています。陰線です。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。但し、先のローソク足検証で直後11分足には、直後1分足終値よりも大きなヒゲが目立ちます。反応方向を確認してからポジションを取るなら、高値掴みをしないことと短期利確を強く意識した方が良いでしょう。
T.調査
公開情報や既出情報に基づく調査を行っています。
【1. 指標概要】
フィラデルフィア連銀管轄のペンシルバニア州・ニュージャージー州・デラウエア州の製造業の景況感と現状を指数化した指標です。
具体的内容は、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの11項目を、1ヶ月前と比較した現状と6ヶ月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」から選択して指数化したものです。
数値は0を分岐点に景気改善(+)・悪化(−)と読みます。
製造業景気指数は、ニューヨーク連銀製造業景気指数→フィラデルフィア連銀製造業景気指数→リッチモンド連銀製造業景気指数→シカゴ購買部協会景気指数→ISM製造業景気指数があります。ISM製造業景気指数の先行指標がフィラデルフィア連銀製造業景気指数で、フィラデルフィア連銀製造業景気指数の先行指標がニューヨーク連銀製造業景気指数、という見方があります。
【2. 既出情報】
以下の調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの
回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は25.0で、前回結果32.8よりも7.8ポイント低下と予想されています。
関連指標を見てみましょう。
同じ4月分のNY連銀製造業景気指数は5.2と、前回(3月分)結果16.4・市場予想15.0を大きく下回りました。同指数は、2月分が18.7で、3月分は2.3ポイント低下しており、4月分は3月分から11.2ポイントの低下と、低下が加速しています。
Phil連銀景況指数は、2月分43.3・3月分32.8(△10.5ポイント)で、今回市場予想が△7.8ポイントというのは指数低下が減速していることになります。ここで本指数は、1か月前と比べて現在が「良い」「同じ」「悪い」からの選択を含んでいます。3月に2月と比べたときより、4月に3月を比べた方が、現地報道における税制改革遅延等の政策遂行力不信・株価不安・利上げと、景況感悪化が加速する方が自然です。NY連銀の結果は妥当だと思います。
よって、今回は市場予想を下回る、と予想しています。NY連銀の結果が12月・1月の水準を下回ったことを踏まえると、市場予想の25.0に低下が留まらず、今回は20弱がつり合いの取れる水準です。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10分足は陽線が目立ちますが、後記する反応一致性分析の陽線率は69%です。惜しいことに、ポジション取得の基準70%には達していません。
直前1分足には陰線が目立ちますが、一方で上ヒゲも目立ちます。発表直前にばたばたしており、ポジションを取るなら注意が必要です。慌てないように、過去の跳幅平均値が4pipsあることを覚えておきましょう。
直後11分足はヒゲが目立ちます。平均的な直後11分足跳幅は17pipsで、同値幅は9pipsです。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。但し、先のローソク足検証で直後11分足には、直後1分足終値よりも大きなヒゲが目立ちます。反応方向を確認してからポジションを取るなら、高値掴みをしないことと短期利確を強く意識した方が良いでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足は陰線率が78%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事前差異は、指標発表前後との方向一致率が高くありません。つまり、過去の実績から言えば、本指標の市場予想が低くても(高くても)あまりアテにはなりません。
また、事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ78%・69%です。つまり、発表結果が市場予想を上回ったら/下回ったら、陽線/陰線で反応しています。比較的素直に反応する指標です。
【6. シナリオ作成】
巻頭箇条書きのシナリオの項をご参照ください。
以上
2017年4月20日21:30発表
以下は2017年4月21日09:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表結果は22.0(市場予想25.5:発表前に改訂されていますね)でした。33年ぶりの高水準を記録しta
2017年2月から、3月・4月と2か月続けて数値が低下しました。がしかし、今回発表値の22.0も悪い数字ではありません。
内訳は、従業員数指数19.9(前月17.5)、支払価格指数33.7(前月40.7)、業況6か月予測45.4(前月59.5)、新規受注指数27.4(前月38.6)、設備投資6か月予測36.5(前月34.5)でした。新規受注が減って6か月予測が悪化しています。これらの数字も、前月より低下が多いものの、悪い数字ではありません。
同時発表された週次新規失業保険申請件数は24万4千件(市場予想24万2千件)を上回りました。
反応は直後1分足・直後11分足ともに陽線で、Phil連銀指数・失業保険申請件数ともに市場予想より悪化したにも関わらず少しおかしな動き方でした。詳細は後述します。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
直前1分足は、陰線にも関わらず、利確のタイミングを逃して損切となりました。まだまだですね。
直後1分足は、スリップでポジション取得に3度失敗したため、後に確認してみると指標発表の2秒後にポジション取得となっていました。但し、発表後5-10秒程度はほとんどチャートが動いておらず、やや陽線側に振れていたと記憶しています。いずれにせよ、反応が生じるまでやや時間があったので、その間に指標結果が市場予想を下回ったことが確認できました。にも関わらず、しばらく待ったものの反応が陽線側に伸びるのを確認して損切しました。結果的には、指標発表後2-3分後に一旦陰線側に振れますが、すぐにまた陽線側へと転じました。シナリオ趣旨に反しないように損切は仕方ありません。
直後11分足は、指標発表後2-3分後に陰線側に一旦転じたものの、その後は陽線側へと反応を伸ばしていきました。追撃ポジションを取得したものの、あまり反応は伸びず、結果的には指標発表後25分後ぐらいから急激に陽線側に伸びていきました。
確か、株価先物が指標発表前から少しずつ前日終値よりも値を伸ばしていたように記憶しています。リスク回避へのそろそろ感もあり、週末の仏大統領選関連で懸念されている極右政党候補が世論調査での支持率が2位に落ちたという報道もあったらしく、その影響かも知れません。
ともあれ、指標が悪化したのに陽線での反応でした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
- まず、本指標で取引する上での注意点です。
(1) 直近の欧米時間の値動きは、リスクが意識される一方でそろそろ感も強い様子が伺えます。残念ながら、過去の実績に基づく分析があまりアテにならなくなっています。また、本指標発表と同時に、週次新規失業保険申請件数が発表され、以下の分析にその点は踏まえられていません。
(2) 過去の傾向から言えば、発表後は素直に反応しがちな指標です(事後差異は直後1分足・直後11分足との方向一致率がそれぞれ78%・69%です)。
(3) 上表の通り、初期の反応(直後1分足跳幅)が小さいことが多い指標です。そして、直後11分足跳幅の平均値はその倍ぐらいあるものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも同じ方向に伸びたことが2回に1回しかありません。つまり、直後11分足と直後1分足の方向一致率が高い(78%)ので、反応方向を確認してから追撃ポジションを取っても良いが、さっさと利確した方が良い指標だと言えます。 - 指標については、市場予想を下回ると予想しています。
論拠は、先日発表されたNY連銀と同程度低下すると、今回の発表結果が20弱でつり合いが取れるから、です(今回の市場予想は25.0)。
全体的なポイント掌握状況は悪くありません。シナリオ外の追撃ポジション追加は、この認識があってこそです。
また、何点か外してしまっている点(素直な反応)は、確率的な問題でもあるので仕方ないでしょう。
【9. シナリオ検証】
事前準備していたシナリオは次の通りです。
- シナリオは次の通りです。
上記の通り、本分析は同時発表される週次新規失業保険申請件数の影響を踏まえていません。がしかし、上記指標定性分析の通り、今回の本指標発表では市場予想を大きく下回る可能性に着目しています。よって、今回は本指標分析結果を重視し、以下のシナリオでポジションを取得してみます。
但し、直近の欧米時間はリスクを意識しつつ、そろそろ感が強い様子も窺えます。よって、当日の欧米時間からのトレンドが強いようなら、指標の影響なんかほとんどないでしょうから、その場合の取引は中止します。
(1) 直前1分足は、反応一致性分析の結果、陰線率が78%です。
(2) 直後1分足は、上記指標定性分析結論に依り、市場予想を下回ると予想しています。陰線です。
(3) 直後11分足は、反応性分析の結果、直後1分足との方向一致率が78%で、方向一致時に終値が直後1分足終値を超えて伸びていたことが50%です。但し、先のローソク足検証で直後11分足には、直後1分足終値よりも大きなヒゲが目立ちます。反応方向を確認してからポジションを取るなら、高値掴みをしないことと短期利確を強く意識した方が良いでしょう。
結果的に損切となった直前1分足も含め、大きな問題はありません。
直後1分足が陰線での反応と読んでいた点は完全に外しましたが、先に記した市場環境ですから仕方ありません。シナリオ構築自体のロジックを改める必要はないと考えています。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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