2017年03月27日
欧州景気指標「独Ifo景況指数」発表前後のEURJPY反応分析(2017年3月27日17:00発表結果検証済)
2017年3月27日17:00に欧州景気指標「独Ifo景況指数」が発表されます。今回発表は3月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
Ifo景況感指数は、約7000社の企業を対象に、独経済の現況と今後6カ月の先行きに対してアンケート調査を実施したものです。調査項目は「生産」「在庫」「受注」「価格」「雇用」に分かれており、特に鉱工業生産との関連性が高い内容と言われています。指数は、2000年を100として現況と先行きを加重平均した値になっています。
関連指標には毎月中旬に発表される「ZEW景況感指数」があります。がしかし、本指数の方がサンプル数7000社と多いことや、エコノミストではなく企業担当者が調査対象となっているため、独経済の実態を正確に把握できると言われています。
Ifo経済研究所(Information & Forschung)が当月下旬に発表しています。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は111で、前回発表同値と予想されています。
一方、関連指標を参照すると、ZEW景況感調査では期待指数が2月分10.4から3月分12.8に上昇しています。PMI速報値は、製造業・サービス業がそれぞれ2月分56.8・54.4から3月分58.3・55.6に上昇しています。
今回発表では、市場予想を上回る可能性があります。
ちなみに、本指標は2014年2月分が111.3で、今回市場予想を上回れば直近の最大値を更新する可能性があります。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
注目すべき点は、直前10-1分足・直前1分足がたまに大きく反応していることと、直前1分足にヒゲが少ないことです。
直前1分足にヒゲが少ないことは、発表後も同じ方向に反応が伸びているか、発表と同時に反転していることが考えられます。直前1分足と直後1分足を見比べると、反転していることの方が多そうですね。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が84%となっています。がしかし、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは48%です。追いかけてポジションを持つのは難しそうです。
但し、本日は本指標発表後に大きな指標発表が予定されていません。EURは一方向に動きやすいので、そのトレンドと同じ方向に反応したなら追撃です。発表前には、15:00頃からの動きを大きく掴んでおきましょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が82%です。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が88%・76%と非常に高くなっています。がしかし、先述の反応性分析の結果、直後11分足終値が直後1分足終値より伸びたことは48%と高くありません。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月27日20:10頃に追記しています。
2016年の独GDPは5年ぶり高成長となっています。独中銀も、経済指標が示唆するよりも成長トレンドは強い可能性があるとの認識を示しています。EUの将来や米独関係で懸念があるものの、製造業・サービス業ともに5年ぶりの急拡大中であり、失業率は過去最低水準となっています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
指標についての事前調査分析内容を、以下に検証します
事前には、次のように捉えていました。
結果は、市場予想を上回りました。
以下のシナリオで取引に臨みました。
結果は直前1分足が同値、直後1分足が陽線、直後11分足も陽線です。直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
反応の伸びについて、過去確率と逆の結果になったものの、シナリオには問題ありません。
次に取引について、シナリオ1が損切となりました。がしかし、直前1分足は同値終了のため問題ありません。
また、シナリオ2・3の取引では、確か発表後に一時的に陰線に転じた期間がありました。幸い、損切pips(今回は10pips)には達しなかったものの、再び陽線に転じてからの利確が早すぎたかもしれません。これは結果論で、むしろ反応が伸びる確率が高くない本指標で、5分以上もポジションを持ったことを反省すべきでした。
本ブログを始めてから本指標での取引成績を下表に示します。
負け越している指標は2・3しかないと思いますが、Ifoは最も負け越しが大きかったと記憶しています。まぁ、少しずつ挽回していきます。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 先にご注意です。
本指標は指標発表前の方が指標発表後よりも大きく反応することが、ちょくちょくあります。指標への反応はせいぜい10pips前後ですから、発表前であれ後であれ10pipsも含損を生じたら損切すべきです。
本指標発表時刻は、指標での取引への参加者だけでなく、この日の取引への参加者が取引を始めます(株かGBP絡みではないでしょうか)。指標発表前には、EURが前日よりも大きく値が跳んでいないかを確認しておきましょう。EUR絡みで前日の損切が行われ、値が意味不明にスーと動くことがあります。
指標を分析して取引するには適さない時刻です(夏時間17:00、冬時間18:00)。 - 指標については次のように捉えています。
今回の市場予想は111で、前回発表同値と予想されています。一方、関連指標を参照すると、ZEW景況感調査では期待指数が2月分10.4から3月分12.8に上昇しています。PMI速報値は、製造業・サービス業がそれぞれ2月分56.8・54.4から3月分58.3・55.6に上昇しています。
今回発表では、市場予想を上回る可能性があります。 - 以下、シナリオです。
反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が82%です。
上記の指標定性分析結論に基づき、直後1分足は陽線と見込みます。但し、指標発表直前にポジションを取るのは、15:00頃からのEURJPYトレンドが上昇のときだけです。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が84%となっています。がしかし、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは48%です。追いかけてポジションを持つのは難しそうです。但し、本日は本指標発表後に大きな指標発表が予定されていません。EURは一方向に動きやすいので、そのトレンドと同じ方向に反応したなら追撃です。発表前には、15:00頃からの動きを大きく掴んでおきましょう。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
Ifo景況感指数は、約7000社の企業を対象に、独経済の現況と今後6カ月の先行きに対してアンケート調査を実施したものです。調査項目は「生産」「在庫」「受注」「価格」「雇用」に分かれており、特に鉱工業生産との関連性が高い内容と言われています。指数は、2000年を100として現況と先行きを加重平均した値になっています。
関連指標には毎月中旬に発表される「ZEW景況感指数」があります。がしかし、本指数の方がサンプル数7000社と多いことや、エコノミストではなく企業担当者が調査対象となっているため、独経済の実態を正確に把握できると言われています。
Ifo経済研究所(Information & Forschung)が当月下旬に発表しています。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの26回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
今回の市場予想は111で、前回発表同値と予想されています。
一方、関連指標を参照すると、ZEW景況感調査では期待指数が2月分10.4から3月分12.8に上昇しています。PMI速報値は、製造業・サービス業がそれぞれ2月分56.8・54.4から3月分58.3・55.6に上昇しています。
今回発表では、市場予想を上回る可能性があります。
ちなみに、本指標は2014年2月分が111.3で、今回市場予想を上回れば直近の最大値を更新する可能性があります。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
注目すべき点は、直前10-1分足・直前1分足がたまに大きく反応していることと、直前1分足にヒゲが少ないことです。
直前1分足にヒゲが少ないことは、発表後も同じ方向に反応が伸びているか、発表と同時に反転していることが考えられます。直前1分足と直後1分足を見比べると、反転していることの方が多そうですね。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が84%となっています。がしかし、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは48%です。追いかけてポジションを持つのは難しそうです。
但し、本日は本指標発表後に大きな指標発表が予定されていません。EURは一方向に動きやすいので、そのトレンドと同じ方向に反応したなら追撃です。発表前には、15:00頃からの動きを大きく掴んでおきましょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が82%です。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が88%・76%と非常に高くなっています。がしかし、先述の反応性分析の結果、直後11分足終値が直後1分足終値より伸びたことは48%と高くありません。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
2017年3月27日17:00発表
以下は2017年3月27日20:10頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
2016年の独GDPは5年ぶり高成長となっています。独中銀も、経済指標が示唆するよりも成長トレンドは強い可能性があるとの認識を示しています。EUの将来や米独関係で懸念があるものの、製造業・サービス業ともに5年ぶりの急拡大中であり、失業率は過去最低水準となっています。
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
指標についての事前調査分析内容を、以下に検証します
事前には、次のように捉えていました。
- 指標については次のように捉えています。
今回の市場予想は111で、前回発表同値と予想されています。一方、関連指標を参照すると、ZEW景況感調査では期待指数が2月分10.4から3月分12.8に上昇しています。PMI速報値は、製造業・サービス業がそれぞれ2月分56.8・54.4から3月分58.3・55.6に上昇しています。
今回発表では、市場予想を上回る可能性があります。
結果は、市場予想を上回りました。
【9. シナリオ検証】
以下のシナリオで取引に臨みました。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が82%です。
上記の指標定性分析結論に基づき、直後1分足は陽線と見込みます。但し、指標発表直前にポジションを取るのは、15:00頃からのEURJPYトレンドが上昇のときだけです。
反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が84%となっています。がしかし、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは48%です。追いかけてポジションを持つのは難しそうです。但し、本日は本指標発表後に大きな指標発表が予定されていません。EURは一方向に動きやすいので、そのトレンドと同じ方向に反応したなら追撃です。発表前には、15:00頃からの動きを大きく掴んでおきましょう。
結果は直前1分足が同値、直後1分足が陽線、直後11分足も陽線です。直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
反応の伸びについて、過去確率と逆の結果になったものの、シナリオには問題ありません。
次に取引について、シナリオ1が損切となりました。がしかし、直前1分足は同値終了のため問題ありません。
また、シナリオ2・3の取引では、確か発表後に一時的に陰線に転じた期間がありました。幸い、損切pips(今回は10pips)には達しなかったものの、再び陽線に転じてからの利確が早すぎたかもしれません。これは結果論で、むしろ反応が伸びる確率が高くない本指標で、5分以上もポジションを持ったことを反省すべきでした。
本ブログを始めてから本指標での取引成績を下表に示します。
負け越している指標は2・3しかないと思いますが、Ifoは最も負け越しが大きかったと記憶しています。まぁ、少しずつ挽回していきます。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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