2017年03月13日
9.x. テクニカル指標
指標は参考にすべきで、アテにすべきではありません。
でももし指標がアテにならないというのが真実なら、自動売買で勝つにはプログラム選択時に正しい相場観を持っている必要があります。ならば正しい相場観はどうやって身につけたら良いのでしょう。
結局、ひとつずつ身につけるべきことを身につけていくしかないのですね。
例えば、一昨日の終値が100、昨日の終値が110、そして今日の終値が120だったとしましょう。このとき、一昨日と昨日の2日間の平均値は105、昨日と今日の2日間の平均値が115です。この105と115を結んだ線が2日間の移動平均線で、SMA(2日)と略記されます。SMAはSinple Moving Averageのことです。
通常、移動平均線は5日・21日・75日といった期間が採用されます。5日は1週間・21日は1か月・75日は3か月を表しているのはわかりますね。
よく、90日・120日・200日といった期間も見かけます。よく見かける期間ですが、どんな意味があってこれらの期間で論じられるのかはわかりません。
複数の移動平均線の傾きとクロスを用いたテクニカル指標は、テクニカル指標の基本中の基本です。
例えば、
と解釈します。
がしかし、短い期間のSMAよりも早い動きには全く無力な指標となることは、すぐにわかりますね。つまり、この指標を参考にしても良いが、この指標を信じて取引しても良い成績はなかなか得られません。
例えば、3日間連続で陰線が続くと、その3日間の陽線率は0%です。そして、次の1日が陽線だったとしましょう。最新の3日間の陽線率は33%となります。このような考え方をもう少しだけ拡張すると、3日間の陽線の値幅を陽線と陰線の値幅の合計で割れば、その期間の値幅合計に占める陽線の値幅の比率が求まります。それがRSIです。
通常、RSIは14日が選ばれることが多いようです。14日間のRSIが30%以下なら売られすぎ、70%以上なら買われすぎを表す、と説明されます。なぜ14日間でなぜ30%や70%の値幅率が売られ過ぎや買われすぎを意味するのかは、どうやら経験則のようです。経験則に過ぎないものの、世界中の人が知っている経験則のようです。よって、この経験則は自己実現的に働きます。
経験則にはオカルトも付随します。例えば、ダイバージェンスというシグナルが有名です。
例えば、過去と現在と直近2回の上昇トレンドがあって、現在の方が高値に位置する場合を想像してみましょう。このとき、RSI同士も見比べて、過去の上昇トレンドのときのRSIの最大値よりも、現在の上昇トレンドの終盤のRSIの最大値が大きければ問題ありません。がしかし、現在の方が高値なのに、現在のRSIが過去よりも小さいと、大きなトレンド転換が起きる予兆だと言われています。このシグナルをダイバージェンスと言います。
ダイバージェンスの数式的な意味は、以前よりも陽線値幅率が小さいのに高値になっている、ということです。これがなぜトレンド転換シグナルになるのか、疑問があります。
ダイバージェンスが起きなくてもトレンド転換はいつか起きるし、ダイバージェンスが起きてもなかなかトレンド転換しない場合もあります。ダイバージェンスの解説は入門書にも多く見かけますが、成立条件と結果確度(確率)が明示された資料は見つかりません。
ローソク足の高値と安値の幅は値動きの大きさを表しています。この幅の移動平均を求めたものが、ATRという指標です。ボラティリティの移動平均がATRです。
通常、ATRは14日分の移動平均を求め、ATR(14日)のように表します。
RSIやATRでよく採用される14日というのは不思議な数です。
昔から休場日はあっただろうから、2週間分10日というなら意味がわかります。がしかし、テクニカル指標は経験則で成り立っており、多くの人が用いている指標こそ、多くの人が同時に見て売買の判断を下していることになります。その結果、よく当たる指標は自己実現的に当たるようになります。
よって、テクニカル的な疑問があっても、多くの書籍・記事で採用されているやり方が正しい、ということになる訳です。
FXは動いたpipsで損益が決まるので、ATRが小さすぎると稼げません。
2017年初日から3月15日までのATRは、USDJPYで最大値1.66(166pips)・最小値0.84です。主要通貨ペアでは次の通りです。
よく動く印象のあるオセアニア通貨は、14日間続けてよく動くことがあまりない、ということですね(注:日足チャートでの話です)。
でももし指標がアテにならないというのが真実なら、自動売買で勝つにはプログラム選択時に正しい相場観を持っている必要があります。ならば正しい相場観はどうやって身につけたら良いのでしょう。
結局、ひとつずつ身につけるべきことを身につけていくしかないのですね。
【1. トレンド系指標】
例えば、一昨日の終値が100、昨日の終値が110、そして今日の終値が120だったとしましょう。このとき、一昨日と昨日の2日間の平均値は105、昨日と今日の2日間の平均値が115です。この105と115を結んだ線が2日間の移動平均線で、SMA(2日)と略記されます。SMAはSinple Moving Averageのことです。
通常、移動平均線は5日・21日・75日といった期間が採用されます。5日は1週間・21日は1か月・75日は3か月を表しているのはわかりますね。
よく、90日・120日・200日といった期間も見かけます。よく見かける期間ですが、どんな意味があってこれらの期間で論じられるのかはわかりません。
複数の移動平均線の傾きとクロスを用いたテクニカル指標は、テクニカル指標の基本中の基本です。
例えば、
- SMA(5日)>SMA(21日)は上昇トレンド
- SMA(5日)<SMA(21日)は下降トレンド
- SMA同士のクロスはトレンド転換
と解釈します。
がしかし、短い期間のSMAよりも早い動きには全く無力な指標となることは、すぐにわかりますね。つまり、この指標を参考にしても良いが、この指標を信じて取引しても良い成績はなかなか得られません。
【2. オシレータ系指標】
例えば、3日間連続で陰線が続くと、その3日間の陽線率は0%です。そして、次の1日が陽線だったとしましょう。最新の3日間の陽線率は33%となります。このような考え方をもう少しだけ拡張すると、3日間の陽線の値幅を陽線と陰線の値幅の合計で割れば、その期間の値幅合計に占める陽線の値幅の比率が求まります。それがRSIです。
通常、RSIは14日が選ばれることが多いようです。14日間のRSIが30%以下なら売られすぎ、70%以上なら買われすぎを表す、と説明されます。なぜ14日間でなぜ30%や70%の値幅率が売られ過ぎや買われすぎを意味するのかは、どうやら経験則のようです。経験則に過ぎないものの、世界中の人が知っている経験則のようです。よって、この経験則は自己実現的に働きます。
経験則にはオカルトも付随します。例えば、ダイバージェンスというシグナルが有名です。
例えば、過去と現在と直近2回の上昇トレンドがあって、現在の方が高値に位置する場合を想像してみましょう。このとき、RSI同士も見比べて、過去の上昇トレンドのときのRSIの最大値よりも、現在の上昇トレンドの終盤のRSIの最大値が大きければ問題ありません。がしかし、現在の方が高値なのに、現在のRSIが過去よりも小さいと、大きなトレンド転換が起きる予兆だと言われています。このシグナルをダイバージェンスと言います。
ダイバージェンスの数式的な意味は、以前よりも陽線値幅率が小さいのに高値になっている、ということです。これがなぜトレンド転換シグナルになるのか、疑問があります。
ダイバージェンスが起きなくてもトレンド転換はいつか起きるし、ダイバージェンスが起きてもなかなかトレンド転換しない場合もあります。ダイバージェンスの解説は入門書にも多く見かけますが、成立条件と結果確度(確率)が明示された資料は見つかりません。
【3. ボラティリティ系指標】
ローソク足の高値と安値の幅は値動きの大きさを表しています。この幅の移動平均を求めたものが、ATRという指標です。ボラティリティの移動平均がATRです。
通常、ATRは14日分の移動平均を求め、ATR(14日)のように表します。
RSIやATRでよく採用される14日というのは不思議な数です。
昔から休場日はあっただろうから、2週間分10日というなら意味がわかります。がしかし、テクニカル指標は経験則で成り立っており、多くの人が用いている指標こそ、多くの人が同時に見て売買の判断を下していることになります。その結果、よく当たる指標は自己実現的に当たるようになります。
よって、テクニカル的な疑問があっても、多くの書籍・記事で採用されているやり方が正しい、ということになる訳です。
FXは動いたpipsで損益が決まるので、ATRが小さすぎると稼げません。
2017年初日から3月15日までのATRは、USDJPYで最大値1.66(166pips)・最小値0.84です。主要通貨ペアでは次の通りです。
- EURJPY 最大値1.10、最小値0.94
- GBPJPY 最大値1.99、最小値1.11
- AUDJPY 最大値0.95、最小値0.67
- NZDJPY 最大値0.81、最小値0.60
よく動く印象のあるオセアニア通貨は、14日間続けてよく動くことがあまりない、ということですね(注:日足チャートでの話です)。
以上
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