2017年03月09日
英国実態指標「鉱工業生産」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年3月10日18:30発表結果検証済)
2017年3月10日18:30に英国実態指標「鉱工業生産」が発表されます。今回発表は2017年1月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は24pipsとなっています。平均値である24pipsを超えたことが46%あり、この数字は大きいと言えます。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
同じ実態指標である小売売上高1月集計結果は、市場予想を大きく下回りました。また直近は、GBPにとって悪いニュースもありました(EU離脱後も英国に大きな分担金の可能性、スコットランド独立の騒ぎ再燃など)。
ところが、1月の製造業の実情を表すと考えられる製造業PMIの12月・1月集計結果は悪くなく、むしろ良い数字です(56付近)。悪化は2月分集計結果からです(と言っても54.6です)。PMIは、景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。
悪化に向かうという点までは理解できるものの、市場予想がこれほど悪化しているのは、直近の印象で予想が行われているような気がします。つまり、反応に直結しやすい前月比は、市場予想よりは上振れするのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いということになります。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線で一致しています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、事前に陽線か陰線かを示唆する傾向は見出せませんでした。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(清書中:巻頭文言を参照ください)
以下は2017年3月10日21:50頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については次のように捉えていました。
結果は、前月比が市場予想を僅かに上回りました。
反応については次のように捉えていました。
結果は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線です。なお、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
期待的中率通り、シナリオ勝率も推移しています。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 現在、市場では個別の指標発表結果がどうなるかよりも、来週のFOMC利上げに向けてどう動くかがテーマとなっています。よって、指標発表前にGBPUSDとUSDJPYのトレンドを確認しておき、その方向に反するならポジションを持つのを諦めるぐらいが良いのかも知れません。
なお、本指標による反応は前月比>前年比です。また通常の市場環境では、本指標が他の主要国製造関連指標よりも安定して反応が大きいこともご注意ください。
- 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
がしかし、サービス業関連指標は1月集計分から悪化に転じた気配があるものの、製造業関連指標の1月集計データは本指標の今回発表がそれほど大きく悪化している気配がありません(むしろ1月PMIは12月PMIよりも微減したものの55と非常に高い)。
つまり、反応に直結しやすい前月比の今回発表は、市場予想よりも上振れするのではないでしょうか。
- 直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いという結論です。
- 直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。
つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線という結論で一致しています。
- 直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、過去の傾向からは、事前に陽線か陰線かを示唆する結果は見出せませんでした。
がしかし、上記の通り今回は前月比が市場予想よりも上振れすると予想しています。ゆえに、陽線での反応を見込んでいます。
- 直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
英国実態指標「鉱工業生産」は、鉱工業と製造業の企業生産高を指数化した経済指標です。英国国家統計局が毎月中旬に前月比・前年比を発表し、反応は前月比>前年比となる傾向があります。他の先進国の鉱工業生産関連指標よりも反応が大きい、という特徴があります。
本指標の意義は、鉱工業生産がGDPの構成要素となっているため、その先行指標と言われています。がしかし、英国GDPに占める鉱工業部門の割合は20%程度しかありません。ですから、本指標がGDPの先行指標として役立つかは少し疑問があります。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は24pipsとなっています。平均値である24pipsを超えたことが46%あり、この数字は大きいと言えます。反応が大きいほとんどの指標は、たまに極めて大きく反応して平均値を引き上げていることが殆どです。そのため、本指標のように半数近くが平均値を超える指標は珍しいと言えます。
なお、調査期間において最も反応が大きかったときは50pipsでした。以上のことから、本指標は安定して大きく反応する、と言えるでしょう。
今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
同じ実態指標である小売売上高1月集計結果は、市場予想を大きく下回りました。また直近は、GBPにとって悪いニュースもありました(EU離脱後も英国に大きな分担金の可能性、スコットランド独立の騒ぎ再燃など)。
ところが、1月の製造業の実情を表すと考えられる製造業PMIの12月・1月集計結果は悪くなく、むしろ良い数字です(56付近)。悪化は2月分集計結果からです(と言っても54.6です)。PMIは、景況感と言いながらも、企業の購買担当役員から在庫・受注・納品等が前月より「良い」「同じ」「悪い」の回答形式で集めたデータに基づきます。
悪化に向かうという点までは理解できるものの、市場予想がこれほど悪化しているのは、直近の印象で予想が行われているような気がします。つまり、反応に直結しやすい前月比は、市場予想よりは上振れするのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いということになります。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線で一致しています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、事前に陽線か陰線かを示唆する傾向は見出せませんでした。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
(清書中:巻頭文言を参照ください)
2017年3月10日18:30発表
以下は2017年3月10日21:50頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
指標については次のように捉えていました。
- 現在、市場では個別の指標発表結果がどうなるかよりも、来週のFOMC利上げに向けてどう動くかがテーマとなっています。よって、指標発表前にGBPUSDとUSDJPYのトレンドを確認しておき、その方向に反するならポジションを持つのを諦めるぐらいが良いのかも知れません。
なお、本指標による反応は前月比>前年比です。また通常の市場環境では、本指標が他の主要国製造関連指標よりも安定して反応が大きいこともご注意ください。
- 今回の市場予想は、前月比・前年比ともに前回結果よりもかなり大きな低下となっています。
がしかし、サービス業関連指標は1月集計分から悪化に転じた気配があるものの、製造業関連指標の1月集計データは本指標の今回発表がそれほど大きく悪化している気配がありません(むしろ1月PMIは12月PMIよりも微減したものの55と非常に高い)。
つまり、反応に直結しやすい前月比の今回発表は、市場予想よりも上振れするのではないでしょうか。
結果は、前月比が市場予想を僅かに上回りました。
反応については次のように捉えていました。
- 直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各13pips・9pipsです。
そして、事前差異との方向一致率が26%(不一致率が74%)です。今回の事前差異は、前月比・前年比ともに市場予想が前回結果より悪化しており、マイナスです。
よって、陽線の可能性が高いという結論です。
- 直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各9pips・5pipsです。
直前1分足は直前10-1分足との方向一致率が25%(不一致率が75%)となっています。直前10-1分足自体の分析結果は陽線となる可能性が高く(直前1分足は陰線)、また、直前1分足自体の事前差異との方向一致率も74%となっています。
つまり、別々の過去分析が直前1分足が陰線という結論で一致しています。
- 直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各24pips・15pipsです。
直後1分足は、事後差異との方向一致率が71%となっています。よって、発表結果が良ければ陽線、悪ければ陰線と、素直に反応しがちです。但し、過去の傾向からは、事前に陽線か陰線かを示唆する結果は見出せませんでした。
がしかし、上記の通り今回は前月比が市場予想よりも上振れすると予想しています。ゆえに、陽線での反応を見込んでいます。
- 直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各33pips・22pipsです。
直後11分足は、直後1分足との方向一致率が71%、終値が直後1分足よりも直後11分足の方が伸びたことが71%となっています。これなら、指標発表後に反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。
結果は、直前10-1分足が陰線、直前1分足が陰線、直後1分足が陽線、直後11分足が陽線です。なお、直後11分足終値は直後1分足終値よりも伸びました。
【9. シナリオ検証】
期待的中率通り、シナリオ勝率も推移しています。
以上
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ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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