2017年03月01日
米国景気指標「ISM製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月2日発表結果検証済)
2017年3月2日00:00に米国景気指標「ISM製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月最も早く発表されること(第1営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回は発表結果が市場予想を上回り、その結果、直後1分足・直後11分足ともに素直に陽線で反応しています。
今回は市場予想が前回結果同値となっています。
セオリー通り、他の製造業の景気指標を見てみましょう。NY連銀製造業景況指数、Phil連銀製造業景況指数、リッチモンド連銀製造業指数、シカゴ購買部協会景気指数、の全てが2月は前月よりも大幅改善となっています。
今回は市場予想を大きく上回るのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が74%となっています。そして方向一致時に、後者終値が前者終値を超えて伸びたことが88%となっています。これなら、比較的安心して発表後に反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうですね。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後11分足の陽線率が72%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足と事後差異の方向一致率が78%となっています。そして、事後差異は直後1分足と方向一致率が70%となっています。つまり、直前10-1分足は指標結果を予測した動きとなっており、指標結果に対し直後1分足は素直に反応しがちです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月2日01:00頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
結果は上記の通りです。
次に、メインシナリオに関しては次のように捉えていました。
直後1分足と直後11分足は陽線側に反応したものの、直後11分足は直後1分足よりも値幅が小さくなりました。
そして、補足シナリオについては次の通りでした。
直前10-1分足は同値で終わったので、検証の対象外とします。
ポイントは前夜からの強力な上昇トレンドが、本指標(市場予想を上回ると予想されていた)発表後に一旦「材料出尽くし」となって戻りの動きとなるか否かでした。発表結果が分析通り大きく市場予想を上回ったにも関わらず、直前10-1分足や直後11分足の妙な動きは、それで説明できるでしょう。
本指標でのシナリオに従った過去取引結果を下表に集計します。シナリオ外の取引はここに含めず、週次集計表の方で反映しています。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 今回の市場予想は前回結果同値となっています。
セオリー通り、他の製造業の景気指標を見てみると、NY連銀製造業景況指数・Phil連銀製造業景況指数・リッチモンド連銀製造業指数・シカゴ購買部協会景気指数、の全てが2月は前月よりも大幅改善となっています。
今回は市場予想を大きく上回るのではないでしょうか。 - 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が74%となっています。そして方向一致時に、後者終値が前者終値を超えて伸びたことが88%となっています。これなら、比較的安心して発表後に反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうですね。
なお、反応一致分析では直後11分足の陽線率が72%となっています。 - 指標一致性分析の結果、直前10-1分足と事後差異の方向一致率が78%となっています。そして、事後差異は直後1分足と方向一致率が70%となっています。つまり、直前10-1分足は指標結果を予測した動きとなっており、指標結果に対し直後1分足は素直に反応しがちです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指数は、(1) 米国主要経済指標で毎月最も早く発表されること(第1営業日)、(2) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(3) 一般論として製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、から重要度・注目度が高いとされています。
がしかし、後述するように過去のデータを見る限り反応(値動き)はそれほど大きくありません。
本指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50%未満のときに利上げをしたことがないということ、です。
なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
前回は発表結果が市場予想を上回り、その結果、直後1分足・直後11分足ともに素直に陽線で反応しています。
今回は市場予想が前回結果同値となっています。
セオリー通り、他の製造業の景気指標を見てみましょう。NY連銀製造業景況指数、Phil連銀製造業景況指数、リッチモンド連銀製造業指数、シカゴ購買部協会景気指数、の全てが2月は前月よりも大幅改善となっています。
今回は市場予想を大きく上回るのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が74%となっています。そして方向一致時に、後者終値が前者終値を超えて伸びたことが88%となっています。これなら、比較的安心して発表後に反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうですね。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後11分足の陽線率が72%となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
直前10-1分足と事後差異の方向一致率が78%となっています。そして、事後差異は直後1分足と方向一致率が70%となっています。つまり、直前10-1分足は指標結果を予測した動きとなっており、指標結果に対し直後1分足は素直に反応しがちです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月2日00:00発表
以下は2017年3月2日01:00頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
- 今回の市場予想は前回結果同値となっています。
セオリー通り、他の製造業の景気指標を見てみると、NY連銀製造業景況指数・Phil連銀製造業景況指数・リッチモンド連銀製造業指数・シカゴ購買部協会景気指数、の全てが2月は前月よりも大幅改善となっています。
今回は市場予想を大きく上回るのではないでしょうか。
結果は上記の通りです。
次に、メインシナリオに関しては次のように捉えていました。
- 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が74%となっています。そして方向一致時に、後者終値が前者終値を超えて伸びたことが88%となっています。これなら、比較的安心して発表後に反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうですね。
なお、反応一致分析では直後11分足の陽線率が72%となっています。
直後1分足と直後11分足は陽線側に反応したものの、直後11分足は直後1分足よりも値幅が小さくなりました。
そして、補足シナリオについては次の通りでした。
- 指標一致性分析の結果、直前10-1分足と事後差異の方向一致率が78%となっています。そして、事後差異は直後1分足と方向一致率が70%となっています。つまり、直前10-1分足は指標結果を予測した動きとなっており、指標結果に対し直後1分足は素直に反応しがちです。
直前10-1分足は同値で終わったので、検証の対象外とします。
【9. シナリオ検証】
ポイントは前夜からの強力な上昇トレンドが、本指標(市場予想を上回ると予想されていた)発表後に一旦「材料出尽くし」となって戻りの動きとなるか否かでした。発表結果が分析通り大きく市場予想を上回ったにも関わらず、直前10-1分足や直後11分足の妙な動きは、それで説明できるでしょう。
本指標でのシナリオに従った過去取引結果を下表に集計します。シナリオ外の取引はここに含めず、週次集計表の方で反映しています。
以上
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