2017年02月27日
米国実態指標「耐久財受注」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年2月27日発表結果検証済)
2017年2月27日22:30に米国実態指標「耐久財受注」が発表されます。今回発表は2017年1月分の集計結果です。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指標は、製造業の耐久財受注状況を表しています。指標名は「受注」となっているものの、発表内容は「出荷」「在庫」「新規受注」「受注残高」となっています。
ちなみに、耐久財とは3年以上の使用に耐える消費財を指し、代表例として自動車・航空機・家電・家具等があります。
この指標とは別に「製造業新規受注」が発表されており、それが翌々月月初発表に対し「耐久財受注」は毎月下旬に前月分速報値が発表されます。そのため、本指標は設備投資分野における先行指標として注目されています。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
下図に、過去の市場予想と発表結果の推移と、今回の市場予想を示します。
今回の市場予想は前月比よりも2.1ポイント増となっており、輸送用機器を除いた前月比は前月結果が前回同値となっています。
裏付けとしては、ISM製造業が昨年8月を底として先月1月まで5か月連続で改善されています。そして、耐久財受注が3か月連続で前月比マイナスだったことは、調査期間中にありません。今回の予想が前月比改善となっていることは妥当と思われます。
次に、市場予想が前回結果よりも改善としている程度が2.1ポイントとなっていること、について考えてみます。
この2.1ポイントは、前月比だと2%以下になってしまいます。ところが、調査期間中に前月比がプラスとなったことは11回(母数24回)あります。そして11回のうち2%を超えなかったことは3回しかありません。ブレが大きな本指標前月比が前月比2%以下に収まる可能性は低いのではないでしょうか。
そして、郵送用機器を除くと、2016年9月からプラスが続いています。前月12月は11月と横這い(プラス0.5%)だったので、もしISM製造業をアテにするなら、今回1月は横這いでなくそろそろ増えても良さそうです。
なお、輸送用機器を除いた耐久財受注は、少なくとも2013年以降1月が前月より増えなかったことがありません。
よって、今回は市場予想を上回ると予想します。
但し、先週末現在、米ダウは11日連続で終値を史上最高値更新を続けています。当日、ダウ先物が売られ始めてしまうと、本指標のように反応が小さな指標が良かろうが何だろうが、指標への反応は一瞬で終わってしまいます。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足で明らかに陰線が多いように見受けられます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去平均を見る限りでは、反応の大きさは普通かやや小さい指標と言って良いでしょう。但し、前回は直後に大きく反応してから反転したようです。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%となっています。そして、同じ方向で終値が伸びたことも67%となっています。いつもならば直後1分足で反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良い数字です。がしかし、今回は直後1分足が陰線なら追いかけるにせよ、陽線の場合にはポジション取得を止めようと考えています。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足が陰線率95%とかなり高くなっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後11分足の方向一致率が70%となっています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
いずれにせよ、今回の取引では、陰線側にポジションを取るなら実施、陽線側にポジションを取るなら傍観のつもりです。
以下は2017年2月27日23:30頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標結果は、前回結果・市場予想に対し、前月比が改善・前年比が悪化となりました。反応は、まず陰線側に振れてから、次に陽線側に振れ、そして上図4本足チャートを過ぎてからまた陰線側に振れました。
取引結果は次の通りでした。
シナリオ2の実行で指標発表直後に売ポジションを取りました。シナリオ3では直後1分足終値がつく頃に追いかけてポジションを持つ予定でしたが、その頃はシナリオ2で取得したポジションとほぼ同じレートでした。そのため、シナリオ3の実行は中止しました。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標については次のように捉えていました。すなわち、
まず、前月比は分析通りに前回結果・市場予想を上回りました。
そして、直後反応は陽線というのが素直な反応です。がしかし、実際には陰線で反応しました。「イベント終了後の材料出尽くし」というには、もともと反応が小さな指標です。この反応はわかりません。
そろそろダウ連騰を警戒してというなら、発表後1分を過ぎてから3分が経過するまで、今度は陽線に伸びたことが説明できません。更に、発表から4分経過後には、再び陰線側に振れました。このことも、こじつければ説明できるにせよ、一般化できる説明がつきません。
メインシナリオに関しては次のように捉えていました。
結果は、直後1分足と直後11分足が逆方向に反応しました。分析は外れました。
次に、補足シナリオについては次の通りでした。
直前1分足は陰線で反応しました。
もともと、今回の指標では買ポジションを持つことを断念し、陰線側に伸びるときのみポジションを持つ予定でした。がしかし、そのことを抜きにしても、直後1分足は陰線のため、追いかけてポジションを取っても、損切となっていたでしょう。
次に、今回の指標結果と反応方向について考えてみましょう。ダウ連騰への警戒や翌日の米大統領の議会演説への不安は、この際無視することにします。
こじつけるなら、直後1分足の陰線側への反応は、前月比改善に反応したと言えるでしょう。そして、輸送用機器を除いた結果が悪化したことへの反応が遅れて、陽線側に反応したということになります。
そんなアホな。
やはり、現状の複雑な市場環境と交錯した指標結果によって、今回はばたばたしたという方がしっくりきますね。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 輸送用機器を除いた耐久財受注は、少なくとも2013年以降で1月分データが前月分データより増えなかったことがありません。よって、今回は市場予想を上回ると予想しています。
がしかし、先週末現在、米ダウは11日連続で終値が史上最高値更新を続けています。当日、ダウ先物が売られ始めたり、証券会社への予約売が多いという情報(真偽は関係なし)が出てくると、本指標のように反応が小さな指標が良かろうが何だろうが、指標への反応は一瞬で終わってしまいます。その点には十分気をつけておきましょう。 - 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%となっています。そして、同じ方向で終値が伸びたことも67%となっています。いつもならば直後1分足で反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良い数字です。
がしかし、今回は直後1分足が陰線なら追いかけるにせよ、陽線の場合にはポジション取得を止めようと考えています。 - 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が95%と、極めて高いようです。また、指標一致性分析の結果、事後差異と直後11分足の方向一致率が70%となっています。
いずれにせよ、今回の取引では、陰線側にポジションを取るなら実施、陽線側にポジションを取るなら傍観のつもりです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標は、製造業の耐久財受注状況を表しています。指標名は「受注」となっているものの、発表内容は「出荷」「在庫」「新規受注」「受注残高」となっています。
ちなみに、耐久財とは3年以上の使用に耐える消費財を指し、代表例として自動車・航空機・家電・家具等があります。
この指標とは別に「製造業新規受注」が発表されており、それが翌々月月初発表に対し「耐久財受注」は毎月下旬に前月分速報値が発表されます。そのため、本指標は設備投資分野における先行指標として注目されています。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの24回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に、過去の市場予想と発表結果の推移と、今回の市場予想を示します。
今回の市場予想は前月比よりも2.1ポイント増となっており、輸送用機器を除いた前月比は前月結果が前回同値となっています。
裏付けとしては、ISM製造業が昨年8月を底として先月1月まで5か月連続で改善されています。そして、耐久財受注が3か月連続で前月比マイナスだったことは、調査期間中にありません。今回の予想が前月比改善となっていることは妥当と思われます。
次に、市場予想が前回結果よりも改善としている程度が2.1ポイントとなっていること、について考えてみます。
この2.1ポイントは、前月比だと2%以下になってしまいます。ところが、調査期間中に前月比がプラスとなったことは11回(母数24回)あります。そして11回のうち2%を超えなかったことは3回しかありません。ブレが大きな本指標前月比が前月比2%以下に収まる可能性は低いのではないでしょうか。
そして、郵送用機器を除くと、2016年9月からプラスが続いています。前月12月は11月と横這い(プラス0.5%)だったので、もしISM製造業をアテにするなら、今回1月は横這いでなくそろそろ増えても良さそうです。
なお、輸送用機器を除いた耐久財受注は、少なくとも2013年以降1月が前月より増えなかったことがありません。
よって、今回は市場予想を上回ると予想します。
但し、先週末現在、米ダウは11日連続で終値を史上最高値更新を続けています。当日、ダウ先物が売られ始めてしまうと、本指標のように反応が小さな指標が良かろうが何だろうが、指標への反応は一瞬で終わってしまいます。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足で明らかに陰線が多いように見受けられます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
過去平均を見る限りでは、反応の大きさは普通かやや小さい指標と言って良いでしょう。但し、前回は直後に大きく反応してから反転したようです。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%となっています。そして、同じ方向で終値が伸びたことも67%となっています。いつもならば直後1分足で反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良い数字です。がしかし、今回は直後1分足が陰線なら追いかけるにせよ、陽線の場合にはポジション取得を止めようと考えています。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足が陰線率95%とかなり高くなっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後11分足の方向一致率が70%となっています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
いずれにせよ、今回の取引では、陰線側にポジションを取るなら実施、陽線側にポジションを取るなら傍観のつもりです。
2017.2/27.22:30発表
以下は2017年2月27日23:30頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標結果は、前回結果・市場予想に対し、前月比が改善・前年比が悪化となりました。反応は、まず陰線側に振れてから、次に陽線側に振れ、そして上図4本足チャートを過ぎてからまた陰線側に振れました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオ2の実行で指標発表直後に売ポジションを取りました。シナリオ3では直後1分足終値がつく頃に追いかけてポジションを持つ予定でしたが、その頃はシナリオ2で取得したポジションとほぼ同じレートでした。そのため、シナリオ3の実行は中止しました。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標については次のように捉えていました。すなわち、
- 輸送用機器を除いた耐久財受注は、少なくとも2013年以降で1月分データが前月分データより増えなかったことがありません。よって、今回は市場予想を上回ると予想しています。
がしかし、先週末現在、米ダウは11日連続で終値が史上最高値更新を続けています。当日、ダウ先物が売られ始めたり、証券会社への予約売が多いという情報(真偽は関係なし)が出てくると、本指標のように反応が小さな指標が良かろうが何だろうが、指標への反応は一瞬で終わってしまいます。その点には十分気をつけておきましょう。
まず、前月比は分析通りに前回結果・市場予想を上回りました。
そして、直後反応は陽線というのが素直な反応です。がしかし、実際には陰線で反応しました。「イベント終了後の材料出尽くし」というには、もともと反応が小さな指標です。この反応はわかりません。
そろそろダウ連騰を警戒してというなら、発表後1分を過ぎてから3分が経過するまで、今度は陽線に伸びたことが説明できません。更に、発表から4分経過後には、再び陰線側に振れました。このことも、こじつければ説明できるにせよ、一般化できる説明がつきません。
メインシナリオに関しては次のように捉えていました。
- 反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率は78%となっています。そして、同じ方向で終値が伸びたことも67%となっています。いつもならば直後1分足で反応方向を見極めてから追いかけてポジションを持っても良い数字です。
がしかし、今回は直後1分足が陰線なら追いかけるにせよ、陽線の場合にはポジション取得を止めようと考えています。
結果は、直後1分足と直後11分足が逆方向に反応しました。分析は外れました。
次に、補足シナリオについては次の通りでした。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が95%と、極めて高いようです。また、指標一致性分析の結果、事後差異と直後11分足の方向一致率が70%となっています。
いずれにせよ、今回の取引では、陰線側にポジションを取るなら実施、陽線側にポジションを取るなら傍観のつもりです。
直前1分足は陰線で反応しました。
【9. シナリオ検証】
もともと、今回の指標では買ポジションを持つことを断念し、陰線側に伸びるときのみポジションを持つ予定でした。がしかし、そのことを抜きにしても、直後1分足は陰線のため、追いかけてポジションを取っても、損切となっていたでしょう。
次に、今回の指標結果と反応方向について考えてみましょう。ダウ連騰への警戒や翌日の米大統領の議会演説への不安は、この際無視することにします。
こじつけるなら、直後1分足の陰線側への反応は、前月比改善に反応したと言えるでしょう。そして、輸送用機器を除いた結果が悪化したことへの反応が遅れて、陽線側に反応したということになります。
そんなアホな。
やはり、現状の複雑な市場環境と交錯した指標結果によって、今回はばたばたしたという方がしっくりきますね。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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