2017年03月03日
4-5. 豪州指標DB
2017年3月3日更新
【4-5-1. 豪州指標全体の過去傾向と取引方針】
AUDUSDは、昨年12月から上昇トレンド中でした。USDJPYの上昇が続いていたことと相まって、2月20日‐2月25日週にはAUDJPYが2015年12月以来の高値をつけました。その背景としては、資源価格回復・輸出拡大・RBAが積極的な通貨安政策を行いにくい(米豪関係から)、という市場環境が挙げられます。
そして、直近に加わった・加わる要素は次の通りでしょう。
3月7日にRBA政策金利発表があるものの、RBAが金利改定には動きにくい時期です。FRBによる3月利上げを既定と見なせば、当面の米豪間での材料出尽くし感からAUD買になる可能性があります。また、中国で全人代が3月5日から開催されており、3月6日週は中国側からの悪材料が出にくい週だと言えます。
全般的には、AUD買を示唆する内容が多いように見受けられます。
3月6日週の主要指標発表予定は次の通りです。
3月6日の小売売上高の市場予想は大幅改善、3月7日のRBA政策金利の市場予想は現状維持、3月8日の中国貿易収支の市場予想は黒字縮小、3月9日の中国CPIの市場予想は大幅悪化(全人代の最中にそんな発表がされるか否かはさておき)、となっています。
発表予定の指標は、AUD売よりも買の可能性が高いように見受けられます。
次はチャートテクニカルです。
2月27日‐3月4日週は、チャート上の方向感に欠ける動きでした。上昇トレンドが崩れた訳ではないものの、RSIが2016年12月頃から逆行し始めています。下落が始まると、90日移動平均線は85円付近と現在値に近いため簡単に突破され、週足チャートでの基準線81円付近まで一気に下がりそうな気配があります。ちょうど、AUDUSDもレンジ相場の上端から下げに転じたところです。
市場環境の変化に対し、現在のAUDJPYはチャート上の位置がよくありません。方向を見極めてから追いかけるべき姿ではないでしょうか。
そして、ファンダメンタルの短期影響は週初めの動きを見ないとわからない、が結論です。
2月27日‐3月4日週の豪州株価はAUDJPYの動きと相似形となっていました。幸い、次週もオセアニア市場は日本市場より先に始まるため、3月6日朝はオセアニアの株価の動きを見てAUDJPYを動きを予想しやすくなっています。
一方、豪州10年債金利は、先週までじりじりと上昇していました。FRBの3月利上げ説が払拭されない限り、3月FOMCまで豪債金利は下がり始めると見込みます。豪債金利が下がればAUDは売ですが、直近の経済指標が良いため、大きく金利を下げるほど豪債が売られるとも思えません。同じオセアニアでもこの点がNZと異なります。
3月7日に発表されるRBA政策金利では、金利そのものより(おそらく「現状維持」)声明文でよく言及されるインフレ・貿易・住宅・雇用の説明が前月からどう変化するか、注目が集まるでしょう。前回踏襲よりは前向きのコメントが増えるのではないでしょうか(AUD為替水準を除く)。
IMMの投機筋ポジションは着実にAUDの買い持ちが増えていましたが、3月6日‐3月11日週とその翌週は買い持ちが一旦減ってしまうかも知れません。先週は米債や米株に乗り換えた方が良かった週だったでしょうから。ゆえに投機筋ポジションは、直近の数週間の分析に寄与しないと捉えています。
【4-5-2. 主要指標】
以下、豪州経済指標について以下に一覧します。指標名をクリックすると、その指標の頁へと跳びます。
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
(1) RBA政策金利(2017年3月7日発表結果検証済)
(2) RBA金融政策理事会議事録(2017年2月21日09:30発表結果検証済)
A4. 物価指標
(1) 四半期消費者物価指数
(2) 四半期生産者物価指数
A5. 雇用指標
(1) 雇用統計
【B. 経済情勢指標】
B1. 経済成長
豪州経済自体は堅実に成長が続くと見込んでいます。がしかし、AUDJPYの反応はまだ暫く中国経済の見通しに影響を受けると思われます。
(1) 四半期GDP(2017年3月1日発表結果検証済)
B3. 実態指標
豪州は先進国で最も今後の人口増が期待される国です。人口増は消費指標や小売指標に対し長期的改善をもたらします。
B31. 消費
(1) 小売売上高(2017年3月6日発表結果検証済)
以上
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