2017年02月03日
2017年2月3日22:30発表ー米国雇用指標「非農業者部門雇用者数(NFP)・失業率」発表前後のUSDJPY反応分析(結果追記済)
2017年2月3日22:30に米国雇用統計「非農業者部門雇用者数(NFP)・失業率」の発表が行われます。今回は2017年1月分の発表となります。
過去発表時のポイントは次の通りです。
日欧を除くと、雇用統計は大きく反応する指標です。これは、雇用状況の変化が個人所得や個人消費等に波及し、また今後の景気動向にも大きな影響を与えるため、と説明されています。
雇用統計は、全米の企業や政府機関などに対するサンプル調査結果です。結果は「失業率」「非農業部門就業者数」「建設業就業者数」「製造業就業者数」「小売業就業者数」「金融機関就業者数」「週労働時間」「平均時給」等の10数項目が発表されます。
特に「非農業部門就業者数(NFP)」と「失業率」の2項目が注目されています。これは、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定に影響を与えるためです。
雇用統計の先行指標には「消費者信頼感指数」「ISM製造業景気指数」「ADP雇用統計」「前週分新規失業保険申請件数」が挙げられます。
これだけ参考にする指標が多いと自分で分析するのは大変です。当日の日欧英のプロフェッショナルが動き始める時間のトレンド方向を見た方が、予想としてはアテになるような気がします。相変わらず、自信がないのです。
米国雇用統計は労働省労働統計局(U.S. Department of Labor, Bureau of Labor Statistics)が毎月第1週金曜にNY時間08:30に発表しています。
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は53pipsとなっています。がしかし、53pipsを超えて反応したことは24回中9回(38%)しかありません。24回の半分の12回となるのは46pipsです。
本指標の過去の動きを下図に示します。
前回結果に対し、NFPは微増、失業率は横這いと予想されています。
直近のISM製造業景況指数とADP雇用統計は改善されています。特に、ADP雇用統計は大幅な上振れだったため、直後1分足・直後11分足ともに過去25回で最大の反応となっていました(各値幅は26pips・33pips、ADP雇用統計の前々回以前の24回平均の各値幅は11pips・13pips)。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前10-1分足の過去の跳幅平均は7pips、値幅平均は4pipsとなっています。
陽線・陰線への偏りはありません(陽線率50%)。
事前差異(市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと直前10-1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率58%)。
直前1分足の過去の跳幅平均は18pips、値幅平均は13pipsとなっています。
過去24回中20回(83%)が陰線となっています。
事前差異(市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと直前1分足が陽線・陰線であるかの関係に偏りは見出せません(方向一致率42%)。
直後1分足の過去の跳幅平均は53pips、値幅平均は40pipsとなっています。がしかし、跳幅が53pipsを超えたことは38%しかありません。2回に1回が超えるpipsは46pipsです。
事後差異(2✕発表結果ー市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が63%となっています。発表結果に対してよりも、その時々の市場環境で値幅方向が決まることも3回に1回以上あるようです。
直後11分足の過去の跳幅平均は67pips、値幅平均は47pipsとなっています。
次に、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことは88%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち62%です。
事後差異(2✕発表結果ー市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が75%となっています。
指標発表後に反応方向を見てからポジションを取っても良さそうです。
先にADP雇用統計の結果を示したので、ここでは別の話をします。
もともとUSDJPYは米国債金利の影響を強く受けます。がしかし、現在は米国側の政治的要因で金利の影響が弱まっている、との報道がありました。
仮に今回の雇用統計が良好で米金利が上昇しても、ドル高牽制発言が行われるとドル安に転じる可能性があるということです。
また、2月2日15:01のロイター報道でも「米雇用統計まで(USDJPYの)上値重い」との見方が紹介されていました。
前日のADP雇用統計やISM製造業指数が市場予想よりも上振れたにも関わらず、USDJPYは113.95で頭を抑えられています。これもまた、トランプ米大統領のドル安志向への警戒感が根強く、相当に上値が重くなっている、という見方です。
2/3 00:00時点で、日足には112円台中間付近と113.95の間にレジスタンスがありません。4時間足では転換線が113.00付近に位置しています。
解釈・コメントは「T. 調査」の該当箇所に記載済のため、分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)の参考にできます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
NFPと失業率は単位が異なるため、事前差異・事後差異への影響度合い決める係数(影響係数)が必要でした。ここでは、事前差異は(市場予想ー前回結果)で、事後差異は(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)です。それぞれの影響係数は、NFPの影響を1、失業率の影響を△10としています。
影響係数の符号が異なる理由は、数字が大きくなったとき、NFPは改善で失業率は悪化なので、方向が逆になるためです。両者の大きさが10倍差となっているのは、5倍を代入したときより10倍を代入したときの方が指標一致率が高くなったから、です(2015年1月分から2016年12月分の24回データを用いました)。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
解釈に迷う結果でした。
事前の市場予想では、前回結果に対しNFPは微増・失業率は横這いと予想されていました。結果は、NFPが予想を上回り、失業率と平均時給が予想を下回りました。平均時給の予想は前月比・前年比が+0.3%・+2.8%に対し、発表結果は+0.1%・+2.5%です。
発表後のNYダウ時間外取引は93ドル高(23:00)と、この結果を好感しています。NFPの改善と平均時給の伸び悩みは、FRBの利上げ遅延期待と賃金増抑制と捉えられたようです。
ダウの動きを正解と考えるべきでしょうから、事前分析における失業率の影響を少し軽く見ていたかもしれません。
反応は、NFPに反応したのか直後1分足が1-2秒だけ陽線側に振れた後、大きく陰線側へと落ち込みました。1-2秒の陽線への跳ねは30pips、その後の陰線側へのストンは55pipsです。過去平均は46pipspですから、やや平均よりも大きく反応したようです。
この反応は、市場でも迷いがあった、と見受けられます。
もともとUSDJPYは米国債金利の影響を強く受けます。がしかし、現在は米国側の政治的要因で金利の影響が弱まっている、との報道が前日にありました。仮に今回の雇用統計が良好で米金利が上昇しても、ドル高牽制発言が行われるとドル安に転じる可能性があるということです。
時間軸を少し長く取ると、結果は発表直後のストンから、戻り・落ちを繰り返して上値を少しずつ切り下げているように見受けられます。少なくとも23:40頃までの動きを見ると、上記分析の通りに動いているように見受けられます。
過去24回中20回(83%)が陰線となっていました。今回結果も陰線です。
また、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことが88%となっていました。そして、今回結果も方向は一致しました。がしかし、直後1分足終値よりも直後11分足終値は伸びませんでした。
問題ありません。
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残念ながら、最終的なご判断はご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を一切負いかねます。本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
過去発表時のポイントは次の通りです。
- 発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は53pipsとなっています。がしかし、53pipsを超えて反応したことは24回中9回(38%)しかありません。24回の半分の12回となるのは46pipsです。
- 前回結果に対し、NFPは微増、失業率は横這いと予想されています。
- もともとUSDJPYは米国債金利の影響を強く受けます。がしかし、現在は米国側の政治的要因で金利の影響が弱まっている、との報道が前日にありました。仮に今回の雇用統計が良好で米金利が上昇しても、ドル高牽制発言が行われるとドル安に転じる可能性があるということです。
- 過去24回中20回(83%)が陰線となっています。直前1分足の過去の跳幅平均は18pips、値幅平均は13pipsです。
- 直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことは88%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち62%です。
T.調査
【1. 指標概要】
日欧を除くと、雇用統計は大きく反応する指標です。これは、雇用状況の変化が個人所得や個人消費等に波及し、また今後の景気動向にも大きな影響を与えるため、と説明されています。
雇用統計は、全米の企業や政府機関などに対するサンプル調査結果です。結果は「失業率」「非農業部門就業者数」「建設業就業者数」「製造業就業者数」「小売業就業者数」「金融機関就業者数」「週労働時間」「平均時給」等の10数項目が発表されます。
特に「非農業部門就業者数(NFP)」と「失業率」の2項目が注目されています。これは、FOMC(連邦公開市場委員会)の金融政策の決定に影響を与えるためです。
雇用統計の先行指標には「消費者信頼感指数」「ISM製造業景気指数」「ADP雇用統計」「前週分新規失業保険申請件数」が挙げられます。
これだけ参考にする指標が多いと自分で分析するのは大変です。当日の日欧英のプロフェッショナルが動き始める時間のトレンド方向を見た方が、予想としてはアテになるような気がします。相変わらず、自信がないのです。
米国雇用統計は労働省労働統計局(U.S. Department of Labor, Bureau of Labor Statistics)が毎月第1週金曜にNY時間08:30に発表しています。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査は2015年1月以降先月発表結果までの24回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は53pipsとなっています。がしかし、53pipsを超えて反応したことは24回中9回(38%)しかありません。24回の半分の12回となるのは46pipsです。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
前回結果に対し、NFPは微増、失業率は横這いと予想されています。
直近のISM製造業景況指数とADP雇用統計は改善されています。特に、ADP雇用統計は大幅な上振れだったため、直後1分足・直後11分足ともに過去25回で最大の反応となっていました(各値幅は26pips・33pips、ADP雇用統計の前々回以前の24回平均の各値幅は11pips・13pips)。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前10-1分足の過去の跳幅平均は7pips、値幅平均は4pipsとなっています。
陽線・陰線への偏りはありません(陽線率50%)。
事前差異(市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと直前10-1分足が陽線・陰線であるかの関係は見出せません(方向一致率58%)。
直前1分足の過去の跳幅平均は18pips、値幅平均は13pipsとなっています。
過去24回中20回(83%)が陰線となっています。
事前差異(市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと直前1分足が陽線・陰線であるかの関係に偏りは見出せません(方向一致率42%)。
直後1分足の過去の跳幅平均は53pips、値幅平均は40pipsとなっています。がしかし、跳幅が53pipsを超えたことは38%しかありません。2回に1回が超えるpipsは46pipsです。
事後差異(2✕発表結果ー市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が63%となっています。発表結果に対してよりも、その時々の市場環境で値幅方向が決まることも3回に1回以上あるようです。
直後11分足の過去の跳幅平均は67pips、値幅平均は47pipsとなっています。
次に、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことは88%となっています。そして、直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びたことは、そのうち62%です。
事後差異(2✕発表結果ー市場予想―前回結果)のプラス・マイナスと、直後1分足が陽線・陰線であるかの関係は、方向一致率が75%となっています。
指標発表後に反応方向を見てからポジションを取っても良さそうです。
(2-3. 関連指標)
先にADP雇用統計の結果を示したので、ここでは別の話をします。
もともとUSDJPYは米国債金利の影響を強く受けます。がしかし、現在は米国側の政治的要因で金利の影響が弱まっている、との報道がありました。
仮に今回の雇用統計が良好で米金利が上昇しても、ドル高牽制発言が行われるとドル安に転じる可能性があるということです。
また、2月2日15:01のロイター報道でも「米雇用統計まで(USDJPYの)上値重い」との見方が紹介されていました。
前日のADP雇用統計やISM製造業指数が市場予想よりも上振れたにも関わらず、USDJPYは113.95で頭を抑えられています。これもまた、トランプ米大統領のドル安志向への警戒感が根強く、相当に上値が重くなっている、という見方です。
2/3 00:00時点で、日足には112円台中間付近と113.95の間にレジスタンスがありません。4時間足では転換線が113.00付近に位置しています。
U. 分析
解釈・コメントは「T. 調査」の該当箇所に記載済のため、分析結果のみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)の参考にできます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
NFPと失業率は単位が異なるため、事前差異・事後差異への影響度合い決める係数(影響係数)が必要でした。ここでは、事前差異は(市場予想ー前回結果)で、事後差異は(2✕発表結果ー市場予想ー前回結果)です。それぞれの影響係数は、NFPの影響を1、失業率の影響を△10としています。
影響係数の符号が異なる理由は、数字が大きくなったとき、NFPは改善で失業率は悪化なので、方向が逆になるためです。両者の大きさが10倍差となっているのは、5倍を代入したときより10倍を代入したときの方が指標一致率が高くなったから、です(2015年1月分から2016年12月分の24回データを用いました)。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
V. 結果
2017.2/3.22:30発表
2017年2月3日23:40追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
W. 検証
【8. 調査分析検証】
解釈に迷う結果でした。
事前の市場予想では、前回結果に対しNFPは微増・失業率は横這いと予想されていました。結果は、NFPが予想を上回り、失業率と平均時給が予想を下回りました。平均時給の予想は前月比・前年比が+0.3%・+2.8%に対し、発表結果は+0.1%・+2.5%です。
発表後のNYダウ時間外取引は93ドル高(23:00)と、この結果を好感しています。NFPの改善と平均時給の伸び悩みは、FRBの利上げ遅延期待と賃金増抑制と捉えられたようです。
ダウの動きを正解と考えるべきでしょうから、事前分析における失業率の影響を少し軽く見ていたかもしれません。
反応は、NFPに反応したのか直後1分足が1-2秒だけ陽線側に振れた後、大きく陰線側へと落ち込みました。1-2秒の陽線への跳ねは30pips、その後の陰線側へのストンは55pipsです。過去平均は46pipspですから、やや平均よりも大きく反応したようです。
この反応は、市場でも迷いがあった、と見受けられます。
もともとUSDJPYは米国債金利の影響を強く受けます。がしかし、現在は米国側の政治的要因で金利の影響が弱まっている、との報道が前日にありました。仮に今回の雇用統計が良好で米金利が上昇しても、ドル高牽制発言が行われるとドル安に転じる可能性があるということです。
時間軸を少し長く取ると、結果は発表直後のストンから、戻り・落ちを繰り返して上値を少しずつ切り下げているように見受けられます。少なくとも23:40頃までの動きを見ると、上記分析の通りに動いているように見受けられます。
過去24回中20回(83%)が陰線となっていました。今回結果も陰線です。
また、直後1分足と直後11分足の値幅方向が一致したことが88%となっていました。そして、今回結果も方向は一致しました。がしかし、直後1分足終値よりも直後11分足終値は伸びませんでした。
【9. シナリオ検証】
問題ありません。
以上
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楽天はポイントを貰える機会が多いと思います。特に書籍はポイントで一部を支払えば、実質的に割引と同じで重宝しています。
ーーー注記ーーー
残念ながら、最終的なご判断はご自身の責任となり、本ブログ情報に基づいた取引で生じたいかなる損害についても、当会は責任を一切負いかねます。本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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