2014年12月30日
エアアジア機墜落は天災なのだろうか、それとも人災?
◆エアアジア機墜落は天災、人災?
28日午前6時17分(日本時間8時17分)に消息を絶ったインドネシア・スラバヤ発シンガポール行の、エアアジア8501便(乗客乗員162名)エアバスA320型機は、なぜ墜落したのか。航空機用救命無線機(ELT)の遭難信号も探知できていないため、断定はできないものの管制官との交信から乱気流に巻き込まれて操縦不能になったとみられている。
A320と言えば、日本でもジェットスターやピーチ、バニラエアなどの格安航空会社(LCC)が使用している世界のベストセラー機だ。
エアアジア機は、スラバヤを離陸して36分後の28日午前6時12分ジャカルタの管制塔に「天候が悪いので左向きに針路を変えたい」と要請した。
管制官が許可した後に、さらに「6000フィート(約1800メートル)高度を上昇して3万8000フィートにしたい」と再度要請。管制官は周辺の航空機の状況を確認後、6時14分に2000フィートの上昇を許可すると伝えたという。
しかしもう、このときにエアアジア機からの応答はなく、6時17分に管制塔のレーダーから機影が消えている。12分から14分の約2分間に何が起きたのだろうか。
インドネシア救難当局は、記録的な悪天候の中、エアアジア機は積乱雲を避けることが出来ずに突入し乱気流で操縦不能になり、救難信号を出すことも出来ず墜落したと見ている。機体は、水深1000メートル近くの海底に沈んでしまったらしい。
この付近は、年明けの2月頃まで多数の積乱雲が発達しやすく「パイロット泣かせの航路」だった。
思い出されるのは、2009年のエールフランス機墜落事故だ。同じように高度を上げたとき、外気がマイナス50度以下にもなり、その際に高度を正しく測定する計器のセンサーに着氷。計器は不正確な数字を示していたことが墜落後にわかっている。
悪天候になると、自動操縦は解除されているため、パイロットは計器で適正な速度にしなければならない。エールフランス機は、それに失敗し墜落している。
産経新聞の電子版によると、エアアジア機が墜落したとみられる場所について、付近をよく知る日本の航空会社の機長の談話として「計器をみながら、迫る雲のカーテンの間をすり抜けていく難所」だという。
年末から2月にかけたこの時期、大きいものは幅300キロにもなる積乱雲が何層も発達するという。
エアアジア機は進路変更を管制官に要請してから2、3分間でレーダーから消えて、遭難信号も出さなかったことを考えると、積乱雲内で、キリモミ状態になり、機体の姿勢を立て直そうとする余裕もなく、海に突っ込んだのではないか。
パイロットはF16を操縦していた空軍上がりのベテランだったと報じられているが、それでも対処できないほどの緊急事態が機体に起きていた、とみるのが、いまのところ一番有力な事故原因だと思う。
それにしても、アジアの空の混雑は想像以上に増しているらしい。経済活動が活発になり、LCCがタクシー並みの料金で運航を始めてから旅客が急増しているという。
空の管制業務は多忙で、緊張を強いられる。航空機を増やしいているので、パイロット不足もある。飛行時間が長いベテランパイロットでも、慣れない飛行経路を飛び、多忙な管制官の指示に従うということは、知らない間に人的な危険度が増している。
報道には、精度の高い気象予報がないことも指摘されていた。日本とアメリカ、ヨーロッパの気象観測当局は航空機向けて、詳しい天候予報を提供し、悪天候時には、とくに注意を促しているという。
ところが、東南アジア地域では、こうしたサービスはないため、「日本の気象衛星画像などを基に飛行計画を立てている」という内情をレポートした記事もあった。
ハイテク機でも安全に飛ばせなければ、事故につながる。
今回の事故原因の解明を注意深く見守りたい。
<<写真は新千歳空港。記事と関係はありません>>
28日午前6時17分(日本時間8時17分)に消息を絶ったインドネシア・スラバヤ発シンガポール行の、エアアジア8501便(乗客乗員162名)エアバスA320型機は、なぜ墜落したのか。航空機用救命無線機(ELT)の遭難信号も探知できていないため、断定はできないものの管制官との交信から乱気流に巻き込まれて操縦不能になったとみられている。
A320と言えば、日本でもジェットスターやピーチ、バニラエアなどの格安航空会社(LCC)が使用している世界のベストセラー機だ。
エアアジア機は、スラバヤを離陸して36分後の28日午前6時12分ジャカルタの管制塔に「天候が悪いので左向きに針路を変えたい」と要請した。
管制官が許可した後に、さらに「6000フィート(約1800メートル)高度を上昇して3万8000フィートにしたい」と再度要請。管制官は周辺の航空機の状況を確認後、6時14分に2000フィートの上昇を許可すると伝えたという。
しかしもう、このときにエアアジア機からの応答はなく、6時17分に管制塔のレーダーから機影が消えている。12分から14分の約2分間に何が起きたのだろうか。
インドネシア救難当局は、記録的な悪天候の中、エアアジア機は積乱雲を避けることが出来ずに突入し乱気流で操縦不能になり、救難信号を出すことも出来ず墜落したと見ている。機体は、水深1000メートル近くの海底に沈んでしまったらしい。
この付近は、年明けの2月頃まで多数の積乱雲が発達しやすく「パイロット泣かせの航路」だった。
思い出されるのは、2009年のエールフランス機墜落事故だ。同じように高度を上げたとき、外気がマイナス50度以下にもなり、その際に高度を正しく測定する計器のセンサーに着氷。計器は不正確な数字を示していたことが墜落後にわかっている。
悪天候になると、自動操縦は解除されているため、パイロットは計器で適正な速度にしなければならない。エールフランス機は、それに失敗し墜落している。
産経新聞の電子版によると、エアアジア機が墜落したとみられる場所について、付近をよく知る日本の航空会社の機長の談話として「計器をみながら、迫る雲のカーテンの間をすり抜けていく難所」だという。
年末から2月にかけたこの時期、大きいものは幅300キロにもなる積乱雲が何層も発達するという。
エアアジア機は進路変更を管制官に要請してから2、3分間でレーダーから消えて、遭難信号も出さなかったことを考えると、積乱雲内で、キリモミ状態になり、機体の姿勢を立て直そうとする余裕もなく、海に突っ込んだのではないか。
パイロットはF16を操縦していた空軍上がりのベテランだったと報じられているが、それでも対処できないほどの緊急事態が機体に起きていた、とみるのが、いまのところ一番有力な事故原因だと思う。
それにしても、アジアの空の混雑は想像以上に増しているらしい。経済活動が活発になり、LCCがタクシー並みの料金で運航を始めてから旅客が急増しているという。
空の管制業務は多忙で、緊張を強いられる。航空機を増やしいているので、パイロット不足もある。飛行時間が長いベテランパイロットでも、慣れない飛行経路を飛び、多忙な管制官の指示に従うということは、知らない間に人的な危険度が増している。
報道には、精度の高い気象予報がないことも指摘されていた。日本とアメリカ、ヨーロッパの気象観測当局は航空機向けて、詳しい天候予報を提供し、悪天候時には、とくに注意を促しているという。
ところが、東南アジア地域では、こうしたサービスはないため、「日本の気象衛星画像などを基に飛行計画を立てている」という内情をレポートした記事もあった。
ハイテク機でも安全に飛ばせなければ、事故につながる。
今回の事故原因の解明を注意深く見守りたい。
<<写真は新千歳空港。記事と関係はありません>>
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/3119613
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック