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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2009年02月16日
『卑劣なる罠! 闇に堕ちた無垢なる魂!!』 part5
紫はちらりとその横顔を盗み見ると、彼女の背後からそっと抱きつき、その耳元で囁く。
「そうよねえ、欲しいわよね? でも、あの子は、『エリナ』はあなたが「ちょうだい」
って言ったって、それをくれたりはしない。
……なら、方法は一つだけよね?」
 紫の言葉に、クローンは小さく、だが力強く頷く。
「……奪う。私の力で、私は『本当のエリナ』になる……!」
 エリナの姿をしたクローンの少女の心の中で、黒々とした炎は最早劫火のごとく荒れ狂
い、燃え上がっていた。
 その憎悪に反応し、これまでの陵辱の中で彼女の全身の細胞、その一つも残さず隅々
まで浸透していた魔因子がついに覚醒する。
 どくん、とまるで全身が心臓になったかのように大きく震え、少女は小柄な身体を抱き
しめる。
「な、なに……これ……!? あ、あああ……からだ、が……あつ、く……」
 困惑しながらも、身体の内側から燃えるような熱が広がっていくのに耐えかね、少女は
着ていたシャツを乱暴に脱ぎ捨てる。彼女の目にも、すでに一糸纏わぬ美しい姿になった
少女の下腹部からじわじわと肌の色が変わりだしているのがはっきりと見て取れた。
「あぁ、あ……う、わ、わたし……ど、どうなって……」
 恐怖に彩られたその顔も、既に浅黒い色へと染まっていた。変化はそれだけにとどまら
ず、髪の色が赤みを増し、白目が黒く、そして透き通るような碧眼は紫と同じ、妖しい輝
きを放つ金色へと変わっていく。
「……はぁ……やぁっ、……ぅ……ああん……」
 彼女の変化が進むたび、その口から漏れる声の中に甘い響きを持つものが混ざりだして
いく。今までの陵辱で受けたものとは根本的に違う、自らの存在が変化していくという快
感に、クローンの少女は目から涙を流した。
 快感に翻弄される少女に、紫は優しく声を掛ける。
「うふふ……怖がることは無いわ。あなたの身体の中にしみこんだダークサタン様のお力
が、あなたの強い意志に応えてくださっているのよ。
気持ちいいでしょう? さあ、もっと素直になって、その力に全てをゆだねなさい!」
「……は、はい、あぁぁっ、紫さまぁ!」
 紫の言葉に嬌声を上げながら、少女は頷く。身体の変化と共に無意識のうちにその思考
にダーククロスの一員としてのものも刻み込まれていく。
 手の爪が伸び、まるで刃物のような鋭さを得る。犬歯がぎりぎりと伸び、まるで吸血鬼
の如く口元からのぞいた。
「う……あ……ああ、あ……ああああああッ!!」
最後に大きく叫び、背を弓なりにそらすと、少女の身体からまるで悪魔のもつような黒い
皮膜の羽が飛び出した。新たに生まれた器官を確かめるかのように、彼女はその背から生
える羽をばさりとはためかせる。


「あはぁ……素敵。このみなぎる力、この美しい姿は私だけのものなのね……」
 変わり果てた自らの姿をうっとりと見つめ、少女は呟く。
その傍ら、イルと共に彼女が変身する様子の一部始終を満足そうに見守っていた紫は、妖
しい笑みを浮かべながら新たなダーククロスの一員に声を掛けた。
「うふふ……おめでとう、これであなたも晴れてダーククロスの一員となれたわね。
これからはその力、私たちダーククロス、そしてダークサタン様のために使いなさい。
それが何一つ持たざるあなたが、あなた自身でいるために必要なこと。
そうだ、お祝いに私があなたに名前をつけてあげましょうか?」
 紫は怪人となった少女をみやり、小さく頷く。
「……そうね、『ダークエリナ』というのはどうかしら?
もちろん、あなたがあの子を倒した後は、あなたが正真正銘の『エリナ』になるわけね」
 紫の言葉に、『ダークエリナ』の名を与えられた少女は憎悪と邪心に燃えた瞳を妖しく
輝かせる。


「はい、ありがとうございます、紫様……。
この力を与えて下さった偉大なるダークサタン様のためにも、ダーククロスに永遠の忠誠
を誓います……!
ダーククロスのしもべ、ダークエリナの名にかけて……!」
身を翻し、その身体に闇を塗りこめたような黒と燃える憎悪の炎を表すかのような赤の衣
を纏った少女は、紫の前で恭しくひざをつき、頭を垂れるのであった。

(うふふ……予想以上に上手くいったわ。単なる魔因子による怪人化よりも、全てを失っ
た絶望、そしてやはり憎悪こそが強大な力を呼び覚ます鍵だったわね……。
なかなか優秀そうな子が生まれてくれたわ。
さあ、ダークエリナ、『自分の存在』を手にするために戦いなさい。
ふふ……エリナはあの子の顔を見て、どんな表情を見せてくれるかしら)
頭を垂れるダークエリナを見下ろしながら、紫はこれからのことに興奮が高まり、ぞくぞ
くと感じてくるのを抑えきれないようにいやらしく笑みをこぼすのだった。


そしてまた、いつか自らの手でオリジナルを打ち倒し、絶望にゆがみ泣き叫ぶ彼女を闇へ
と堕とすことへの期待を浮かべ、『ダークエリナ』の名を手に入れた少女も歪んだ笑みを
その美しい顔に浮かべるのであった。

 悪魔により穢れを知らない無垢なる魂は邪悪に染められ、堕とされた。
その魂に安息の日が来ることは、最早無いのかもしれなかった。



おわり


この後にエリナの未来の画像を掲載しております。

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