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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2009年02月16日
『卑劣なる罠! 闇に堕ちた無垢なる魂!!』 part2


「……うっ」
 全身にまとわりつく違和感、いや嫌悪感に少女の意識が浮上する。鉛のように重たいま
ぶたをゆっくりと開き、目がそれまでの暗闇から光を捉える。その明るさに次第に慣れた
彼女が周囲を見回すと、そこはまるで記憶に無い場所だった。
「ここは……?」
 彼女が見渡すいたるところに、様々な機械や器具が所狭しと設置されている。まるで病
院の手術室か、あるいは何かの研究室のような部屋。その白い色は清潔感溢れるはずのも
のなのだが、なぜか彼女には不吉さと不安を感じさせた。
「なんで私、こんな所に……。……っ!?」
 そう言って一歩、踏み出そうとした彼女は突然がくんと身体が何かに引き止められたこ
とに驚く。困惑したまま、改めて己の身体をよく確かめると、手足、そして胴体が床から
垂直に突き出た台にしっかりと拘束されている。さらに、今まで気が動転していたため気
がつかなかったが、自分は何一つ衣服を纏っておらず、生まれたままの姿をしているよう
であった。
 さらによく見ると、自分が固定されている台と同じものが彼女の両脇にも存在し、まる
で試験管かなにかのような円筒形のガラスの中に設置されている。だが、それらの内部に
は誰も入っておらず、今この部屋にいるのは彼女一人のようだった。
 混乱する思考を鎮め、とりあえず自分のことから記憶を思い返そうとする。
「私は白宮エリナ、退魔師……見習い。それから、えっと……」
どうしてこんな所にいるのか、それまで何をやっていたのか、だがその記憶を思い返そう
としても、まったく欠片も出てこない。記憶喪失……というよりも、明らかに人為的なも
のが感じられるこの状況から見ると、ここに連れて来られる以前の記憶を消された、とい
う方があっているのだろう。
「とりあえず、これを何とかしないと」
 そう考え、腕を引っ張ってみるが頑丈な拘束具はびくともしない。それならばと彼女は
霊術を発動させようと力を集中し始めた。
「……!? なんで、何で出来ないの!?」
 戸惑いの声が自分の口から漏れる。体力や霊力が失われているわけではない。だが、ど
んなに精神を集中しようとしても、術が発動する瞬簡に集めた力が霧散してしまう。
 焦りに汗を額に浮かばせながら、室内のある一点に目を留めた彼女は、その理由を悟っ
た。室内の壁と床、そこに描かれた複雑な模様が一種の結界のような力場を形成している
のだ。おそらく、エリナを捕らえた相手が、彼女が逃走しないように仕掛けていったもの
だろう。だが、ここまで強力な封印のフィールドを作り出すのは並の術者が一人二人いた
くらいでは不可能に思える。
「……でも、一体誰が。いえ、待って。そうね、こういうことをしそうな相手に心当たり
があるわ」
 彼女が呟くのとほぼ同時、部屋の壁がスライドし、一人の女性が姿を現す。彼女が現れ
た瞬間、部屋に充満した淫らな気配に、彼女はやはりこの事件の犯人はあいつらだったと
確信した。怒りがにじむ声で、その名を呼ぶ。
「ダーク、クロス……!」
 その声が聞こえたのか、部屋に侵入した女が口を開く。
「あら、もう起きちゃってたのね。折角気持ちよく起こしてあげようと思ったのだけれど、
残念ね」
 おかしそうに笑うどこか淫らなその声にはっとして彼女、エリナが顔を上げると、こち
らにゆっくりと歩いてくる女が目に映った。彼女自身も何度か映像や資料、そして戦場で
遠目に見たことのあるのあるその姿、そしてただそこに立っているだけで女の身体からに
じみ出る異様なオーラに、無意識に声が震える。
「……い、淫魔姫、ゆかり……」
 エリナの声に、紫は瞳を細め、愉快そうに唇の端を曲げる。
「うふふ、私の名前を知ってくれていたとは、光栄の至りですわ。
ようこそエリナさん、私たちダーククロスの城へ。歓迎いたしますわ」
 芝居がかったしぐさでお辞儀をし、紫はエリナを見つめる。だが、拘束されたままの少
女は憎憎しげに目の前の女をにらみつけた。
「ふん、あなたたちは客を歓迎するのに、無理やりさらった上こうやって縛り付けるのね。
歓迎の仕方、一から学びなおした方がいいんじゃないかしら」
 挑発的なエリナの言葉に、しかし紫は全く動じた様子も無い。
「そうね。あなたが私たちに快く協力してくれる、というのならすぐにでも自由にして、
魂まで蕩けるような快楽を味わわせてあげるのだけど」
「冗談じゃないわ、そんなのは願い下げよ!」
「でしょうね。まあ、みんな最初はそういうのよ。でもすぐに気が変わるわ。
ふふ、気の強いあなたが涙や涎や愛液やらを流しながら、どうか仲間にして、気持ちよく
してと懇願するのを見るの、楽しみになってきたわ」
「くっ……この、変態女!!」
 拘束されたままでは文字通り手も足も出ず、せめてもの抵抗としてエリナは淫怪人に罵
詈雑言を浴びせる。紫はそんな囚われの少女ににやりと歪に微笑んだ。
「うふふふ……すぐにあなたもその変態淫怪人の仲間になるのよ」
 そのまま拘束された彼女に近づくと、紫はエリナの首筋にそっと顔をうずめる。
「……いたっ!」
 直後、もがくエリナに小さな痛みが走った。
 紫が身体を離すと、その口の端からつ……と一筋、赤い線が流れる。
「うふふ、ご馳走様。それじゃあ、はじめましょうか」
そして、エリナが拘束されていた台の横に取り付けられていたリモコンを手に持ち、何の
ためらいも無くスイッチを押す。
 入力に反応して彼女の台をガラスの筒が覆い、天井と床の一部が開く。ぎょっとしたエ
リナが見つめる前で、その穴からにゅるりと粘液にまみれた触手が数本、姿を現した。天
井からは先端にまるでヒトデのような形をした物体がついた触手が二本、彼女の目の前に
垂れ下がってくる。
「……ひっ、やだ、やめて!」
 その光景に、自らの身にこれから何が起こるのか悟った少女の口から短い悲鳴が漏れる。
だが無情にも触手たちはうねうねと不気味に蠢きながら、どんどん彼女の身体に迫ってい
った。
 そして、床から生え出た触手たちが、べちゃりと嫌な音を立ててエリナの太ももの素肌
に触れる。
「―――――――……っ!!」
その生暖かい、湿った感触に少女の口から言葉にならない叫びが漏れた。触手たちはそん
な彼女の様子に構わず、するすると足に巻きつくと下半身を登っていく。
「いや、いやぁ! やだ、触らないで!!」
 既に先ほどの勝気な様子の欠片も無く、涙を浮かべながら下半身をよじるエリナ。
「あらあら、さっきまでの勢いはどうしたのかしら? そんなことじゃあ、正義の味方の
名前が泣いちゃうわよ?」
 その様子を紫は面白そうにじっと見つめる。そうしているうちにも触手は情け容赦も無
く彼女の下半身にびっしりと巻きついていた。さらに、天井から垂れ下がる吸盤つき触手
がエリナの胸のふくらみにぴったりと吸い付く。
「やっ、あ、ぁぁん! やだ、いやあ、気持ち悪い!!」
 まるでブラのパッドのようにすっぽりと胸のふくらみを覆った触手は、彼女の胸を揉み
解すように蠢く。その裏にびっしりと生えた小さな吸盤が彼女の肌にちゅうちゅうと吸い
付き、言いようの無い刺激を与えてくる。






「ぁっふ、や、ふぁ……あっ、あぁん!!」













 上半身と下半身それぞれの愛撫に、次第にエリナの声に甘いものが混ざり始める。
いつの間にかその肌は色づき、じっとりと汗が浮かび上がっている。口から漏れる吐息も
荒くなり、目の光も霞みだしていた。
「ふふ、もうすっかり出来上がっちゃったのかしら? 物欲しそうな顔して、とんだ淫乱
戦士もいたことですわね」
 あざ笑う紫に、エリナにわずかに残された理性は怒りを燃やし、快楽に必死で抗おうと
する。だが、触手から刺激が与えられるたびに、理性の光はぼやけ、押し流されてしまい
そうになっていた。
「……ぅ、あ……ああん、やぁ……わた、し、は……あん! まけ……ああ!」
 こらえきれぬ嬌声が口から漏れるなか、エリナは必死で人間としての心を保とうとする。
だが、ついに濡れそぼる秘所に触手の一本が侵入すると、彼女の思考は真っ白に塗りつぶ
された。
「んっ、あ、あぁ、やぁ、あああああああああああ!!」
 彼女の事など欠片も考えない強引な挿入に、エリナは涙をこぼしながら痛みに耐える。
だが、触手がまとう粘液には媚薬のような催淫効果があるのか、すぐにその苦痛は快楽へ
と塗り替えられていった。
「ふぁ……はぁ、あっ、あっ、やっ、ああ……!」
「気持ちいいでしょう? 素晴らしいでしょう? ほらほら、もっともっと、その子を可
愛がってあげなさい」
 先ほどからずっと淫らな笑みを貼り付け愉快そうに見つめる紫の前で、触手は前後に
激しく動き、彼女を責め立てる。挿入されたもの以外の触手、胸や下半身に巻きつくもの
もそれぞれ彼女を撫で、舐め、締め付け、快感を与えていった。
加速し続ける動きに、責められる彼女の声も高くなっていく。口の端からはつ……と一筋
のよだれがたれ、しっかりと閉じられた目からは快感か、それとも悔しさのためか大粒の
涙がこぼれた。
 やがて彼女の内部にもぐりこんだ触手がその先端から、熱いものを迸らせる。
「やあ、あっ、ああ、あ……ああああああーっ!」
体内にその感触を感じたエリナは背を仰け反らせ、一際大きな叫び声をあげた。ぐったり
と身体から力が抜けた彼女の中で、いまだに触手はどくどくと液体を吐き出している。
「いかがかしら? ダークサタン様の細胞を使って培養した触手とのセックスは?
ふふ、聞かなくてもわかるわ。その淫らな表情。すごくよかったのね」
「…………ぅ」
 くすくすと笑いを漏らす紫に、エリナは力なく光の消えかけた瞳を向ける。
「けれど、これで終わりと思ってもらっては困るわ。あなたが自分からダーククロスの一
員に、自ら淫らな怪人に変えて欲しいと懇願するまで、毎日ずっと遊んであげるわね」
「……!!」
 紫の言葉をいまだ快感の残滓に震える思考が捕らえ、理解した瞬間。まるで冷水を全身
に掛けられたようにエリナの頭は冷静さを取り戻した。さっき一回やられただけであれな
のだ。これがずっと続くとしたら……自分が壊れずにいられるか、彼女には自身がなかっ
た。
 だが、かといって自ら怪人になりたいと言い出すなどということが、今の冷静さをとり
もどした彼女に考えられるはずも無い。
 言葉を失い目を見開くエリナに、紫はくすりと笑いかける。
「そうね、壊れちゃってもそれはそれで面白いかもね。まあ、折角の素材なんだから、な
るだけ楽しませて頂戴ね?」
 最後にそういうと、いまだ拘束されたままの少女を残し、淫魔の姫は部屋を後にした。


「言ったとおり、上手くやってくれた?」
 部屋を出た直後、紫は部屋の外で待機していた淫怪人の娘に問いかける。
「はい。仰せの通り、あの娘には魔因子抑制剤を投与しておきましたが……。
あの、紫様。なぜ彼女をすぐに淫怪人に改造してしまわないのですか?」
そう答えを返しながらも、エリナが目覚める前にその身体を拘束台にセットしていた怪人
の一人が不思議そうに問いかける。まるで淫魔のような姿をしたその少女の問に、紫は笑
みを深めながら言う。
「そうね、すぐに淫怪人にしてしまうのも悪くは無いんだけど。折角の素材なんだし、
ちょっと面白いことを考えているの。だから、あなたたちも指示した通りにやって頂戴」
「了解しました」
 最後にダーククロス式の敬礼をし歩み去る怪人の背を見送ると、紫はこれからのことに
思いをはせ、熱のこもった吐息を漏らした。
「うふふ……さて、どうなるかしら? 楽しみね……」

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