2009年02月01日
『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』 飛天龍華編 part4
「私もさっき…、使徒になった歩美さんにいきなり襲われて…、ううっ!!」
苦しげに喋る圭がいきなり胸を抑えて蹲ってしまった。相当の深手を負っているのだろう。
「あ〜あ、圭ちゃん生きてたんだ。てっきり止めさしたと思っていたのに…。しぶといね」
「歩美……」
残念そうに眉をひそめる歩美を見て、龍華の心に怒りの炎が燃え上がった。
「歩美、貴様!!圭はお前の同級生…しかも同じ翔儀天使だろうが!それを……殺そうとしたのか?!」
「当然ですよ先輩。圭ちゃんも先輩も私にとっては玉王様の邪魔をする敵ですもの。殺して当然だと思いませんか?」
龍華の怒りの声に、歩美はさも当然だといった顔で答えた。
「無駄です先輩……。今の歩美さんは身も心も玉王に支配されているんです…。その支配を解かない限り、歩美さんは元に戻りません…」
そう言いながら圭は、歩美の胸元を指差した。そこには『玉』を象った紋章が赤々と輝いている。
「あそこに翔儀天使の力をぶつけ、玉王の力を追い払うんです…。そうすれば歩美さんは、元の歩美さんに戻るはずです……」
「あそこか。わかった!後は任せろ圭!!」
(過去に自分をおぞましい目にあわせ、今また可愛い後輩二人を苦しめている玉王!最早絶対に許すまじ!)
玉王への激しい怒りに震える龍華の体が神々しい光に包まれる。羽織っている胴着が変化し、翔儀天使が身につけるコスチュームへと姿を変え、手に持つ竹刀が硬質な金属感を持った実剣へと変わっていった。
最後に背中に光で形作られた翼が姿を表し、龍華の翔儀天使としての姿を構成しきった。
「玉王!今度こそ貴様の存在をこの三千世界から永遠に消滅させてくれる!!」
剣を上段に構えた龍華は豪快に啖呵を切り、歩美へ向けて突進していった。
「うおおぉっ!!」
剣道で鍛えた踏み込みから振り下ろされる剣は唸りを上げて歩美に襲い掛かる。が、歩美も使徒になって強化された身体能力を活用してそう簡単には当たらせない。
「逃げるな歩美!大人しくこの剣を喰らって浄化されろ!!」
「無茶言わないでください先輩〜〜。そんなことしたら私も玉王様も死んじゃうじゃないですか!」
「お前は致命傷一歩手前で済む!心配するな!!」
「やっぱ無茶言ってますよ先輩〜〜!」
般若の形相で剣戟を繰り出す龍華に比べ、歩美のほうはまだどことなく余裕を持って相対している。だが、その額は冷や汗でべっとりと濡れており、じわじわと追い込まれていっているのがわかる。
(くそっ!この私がこうまでてこずるとは!!)
思ったよりも長引く戦いに龍華にも次第に焦りが見えてきた。あまり騒ぎを大きくすると、まだ校内にいる他の学生達が何事かと中に入ってきかねない。そうなると余計に厄介な状態になる。
「ほらほら先輩、こっちですよ〜〜〜」
(歩美の潜在能力の高さは知ってはいたが、敵に回すとこうも厄介だったとはな…!)
次第に龍華には歩美しか目に入らなくなっていった。というより他に気を回す余裕などなくなっていた。
その時、後ろで蹲っていた圭がのそのそと体を起こしてきた。
「わ、私も……手伝います わ……」
「バカ!ケガ人はジッとしていろ!!闘いの邪魔だ!!」
このギリギリの戦いに圭が加勢してくれたとしても、足を引っ張るだけでむしろ邪魔になる。そう確信し龍華は後ろを振り向きもせず圭に怒鳴り散らした。まあ元々後ろを見る余裕などありはしないのだが。
そして、これこそ待ち受けた状況だった。
苦しげに喋る圭がいきなり胸を抑えて蹲ってしまった。相当の深手を負っているのだろう。
「あ〜あ、圭ちゃん生きてたんだ。てっきり止めさしたと思っていたのに…。しぶといね」
「歩美……」
残念そうに眉をひそめる歩美を見て、龍華の心に怒りの炎が燃え上がった。
「歩美、貴様!!圭はお前の同級生…しかも同じ翔儀天使だろうが!それを……殺そうとしたのか?!」
「当然ですよ先輩。圭ちゃんも先輩も私にとっては玉王様の邪魔をする敵ですもの。殺して当然だと思いませんか?」
龍華の怒りの声に、歩美はさも当然だといった顔で答えた。
「無駄です先輩……。今の歩美さんは身も心も玉王に支配されているんです…。その支配を解かない限り、歩美さんは元に戻りません…」
そう言いながら圭は、歩美の胸元を指差した。そこには『玉』を象った紋章が赤々と輝いている。
「あそこに翔儀天使の力をぶつけ、玉王の力を追い払うんです…。そうすれば歩美さんは、元の歩美さんに戻るはずです……」
「あそこか。わかった!後は任せろ圭!!」
(過去に自分をおぞましい目にあわせ、今また可愛い後輩二人を苦しめている玉王!最早絶対に許すまじ!)
玉王への激しい怒りに震える龍華の体が神々しい光に包まれる。羽織っている胴着が変化し、翔儀天使が身につけるコスチュームへと姿を変え、手に持つ竹刀が硬質な金属感を持った実剣へと変わっていった。
最後に背中に光で形作られた翼が姿を表し、龍華の翔儀天使としての姿を構成しきった。
「玉王!今度こそ貴様の存在をこの三千世界から永遠に消滅させてくれる!!」
剣を上段に構えた龍華は豪快に啖呵を切り、歩美へ向けて突進していった。
「うおおぉっ!!」
剣道で鍛えた踏み込みから振り下ろされる剣は唸りを上げて歩美に襲い掛かる。が、歩美も使徒になって強化された身体能力を活用してそう簡単には当たらせない。
「逃げるな歩美!大人しくこの剣を喰らって浄化されろ!!」
「無茶言わないでください先輩〜〜。そんなことしたら私も玉王様も死んじゃうじゃないですか!」
「お前は致命傷一歩手前で済む!心配するな!!」
「やっぱ無茶言ってますよ先輩〜〜!」
般若の形相で剣戟を繰り出す龍華に比べ、歩美のほうはまだどことなく余裕を持って相対している。だが、その額は冷や汗でべっとりと濡れており、じわじわと追い込まれていっているのがわかる。
(くそっ!この私がこうまでてこずるとは!!)
思ったよりも長引く戦いに龍華にも次第に焦りが見えてきた。あまり騒ぎを大きくすると、まだ校内にいる他の学生達が何事かと中に入ってきかねない。そうなると余計に厄介な状態になる。
「ほらほら先輩、こっちですよ〜〜〜」
(歩美の潜在能力の高さは知ってはいたが、敵に回すとこうも厄介だったとはな…!)
次第に龍華には歩美しか目に入らなくなっていった。というより他に気を回す余裕などなくなっていた。
その時、後ろで蹲っていた圭がのそのそと体を起こしてきた。
「わ、私も……手伝います わ……」
「バカ!ケガ人はジッとしていろ!!闘いの邪魔だ!!」
このギリギリの戦いに圭が加勢してくれたとしても、足を引っ張るだけでむしろ邪魔になる。そう確信し龍華は後ろを振り向きもせず圭に怒鳴り散らした。まあ元々後ろを見る余裕などありはしないのだが。
そして、これこそ待ち受けた状況だった。
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