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サプライズ

アメリカで働いてたときの会社恒例クリスマスパーティーでの話。



突然だけど、僕はサプライズ嫌いである。

されるのが嫌いである。

まず本当にサプライズをしたことすら少ない。

ガンバの冒険のイカサマ(※1)並に堪のいい僕はだいたい事件が起こる前に気付く。

気付いた時のあの仲間外れ感がたまらなく嫌だ。

そしてこれからサプライズを演じなければならないと思うと憂鬱以外のなにものでもない。

リアルサプライズの場合も同様、心から嬉しいと思ったことはない。

サプライズ後のあの皆の期待の目。

どうだ、してやったの顔。

こんな私達が友達でよかったでしょの顔。

僕がディオ(※2)だったら、『無駄、無駄、無駄、無駄』とページいっぱいに言ってるはず。


ところで僕がアメリカで勤めていた会社ではクリスマスが近づくと恒例のパーティーがある。

お昼頃で仕事を切り上げ、毎回同じレストラン、同じメニューでお酒をのんで、

ワイワイするという日本でいう忘年会みたいなもの。


事件がおきたのはそんな日のこと。



パーティーが終盤に差し掛かった頃、僕は一日を振り返り、

毎回毎回同じだけど、仕事も早く終わったし、美味しいタダメシにありつけたし、

プレゼント交換で僕が用意したものも予想以上にウケタのでまあ仕事してるよりはましか。

なんて思っていた。


が突然、ボスのアナウンス。


そして僕を皆の前に呼ぶ。


嫌な予感。。。


ボス:『ユーにはもうひとつプレゼントがある。』


職場の皆:『サプラ-イズ! 』


俺『ガーン』

巨大テレビをプレゼントされる。

結婚祝いだそうだ。


でかい。いらない。辞めにくい。。。

欲しいものなんて他にいくらでもあるのに。。。

せめてひとこと聞いてくれれば。。。

日頃の『仕事がんばってる振りアピール』が裏目にでた。


皆は案の定、してやったの顔。

僕の感動の言葉を今か、今かと、まっている。


なんだこのホームドラマみたいな状況は。

アメリカ人ってやっぱこういうの好きなのか。

ドラマのあれは嘘じゃないんだなあ。


ボスがスプーンでグラスを鳴らす。

ボス:「エブリワン クワイエット!」

さあ、感動の一言を。。。

僕:「wow... thank you so much everyone... what can i say...」

そう、僕には何も本当に言うことがない。

が、まだみんな注目している。笑顔でみている。


どうする俺。。。


そうだ、日本人お得意の最高の愛想笑いだ。


そんなわけで最高の笑顔をみなにくれてやった。


おしまい。


忠告-僕にはサプライズをしないこと。僕もしないので。


(※1)イカサマ-ガンバの仲間。サイコロで物事を予想し、解決する。大体当たる。
(※2 )ジョジョの宿命のライバル。



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