2018年03月05日

学校教育における生徒指導の意義について‐通信教育部(生活指導論Tリポート)




学校教育における生徒指導の意義について‐法政大学通信教育部(生活指導論Tリポート)

 生徒指導は学校という空間にいてあらゆる場所や場面において必要となることである。生徒指導は生徒を指導して良い方向に導くことであり、また、学校の存在理由で、教育をつかさどる教師の仕事の全てをさしていえるとも思える。教科指導にしても目的は生徒を良い方向に導く事にある。

 本来なら学校は勉強だけを教えても良いのだか、しかし、社会の変化によって、学校で子供のしつけや道徳的な価値観を教えなければならない状況になっている。特に戦後復興を果し、高度経済成長期に入ると、家庭では、父親は仕事にあけくれ、母親もパートなどにでかけるようになり、いわゆる鍵っ子が増えた時代でもある。また、核家族化の増加によって、家族の構成単位にも変化が出て、おじいちゃんやおばあちゃんがいない家庭が増えた。そうなると、本来道徳的な価値観を教えるべき中心となる家庭での教育、しつけが子供に行き届かなくなる。また、高度経済成長期に入ると、いわゆる転勤族の増加やアパート暮らしの増加により、1つの地域に定住しない家族が増えてきた。この現象は、核家族化とも重なり、地域社会との関係が弱くなるきっかけになった。そして、地域社会が子供の教育を担うシステムが崩壊することになる。例えば隣近所の子供であってもよその子だから叱れない社会ができてしまったのである。また、日本という国は、宗教の影響力も低い国である。一部の外国の国なら、子供の道徳的な価値観を教えるのは宗教の役目だが、しかし、日本では宗教が子供に道徳的な価値観を教えることは非常に少ない。まとめると、日本では子供に道徳的な価値観を教える場所が非常に少ないのである。

 子供の道徳的な価値観を教える場所は、学校が中心とならなければいけない時代になったと言えるだろう。必然的に子供のしつけは学校が担うことになる。また、学校でしつけや道徳的な価値観を教えていかないと、教科を教える時に授業すら成り立たたなくなってしまう。そして、日本国民も学校は勉強だけを教えるのではなく、子供のしつけも教える場所だと認識し、学校に期待を寄せるのである。

 道徳は非常に大事なものだと思う。人間も所詮は動物である。もし道徳的な価値観がなく本能のままに生きていたら、現代の社会は成り立たないであろう。道徳によって人間を縛る事、これが本当の意味で良い事なのか悪いことなのか私には分からないが、しかし、道徳教育が子供に必要だと信じてやるしかないと思う。

 道徳教育は道徳の時間だけでなく、学校のあらゆる場所や場面に隠れたカリキュラムとして存在している。例えば、学校では上級生と下級生の区別がある。本来なら学力別に年など関係なく授業を行えば良いと思うが、しかし、年上の者を敬うなどの概念を教えるには現在の学年の区別は良いと思われる。

 その他、女性と男性の区別も学校では行われる。トイレの違い、体育授業の違いやそれに伴う更衣室の違いなどである。これは、女性も男性もお互いの性別の個性を尊厳し合い気持ちを養う事にあるのではと思います。

教科指導と生活指導は密接に関連している。先生は生徒に教科を一方的に教えるだけでは駄目である。授業を円滑に行い、そして、生徒に理解してもらう努力をする必要がある。授業の円滑化と生徒理解の中に生活指導の要素が含まれている。例えば、授業の開始の合図であるチャイムを守る。もし、チャイムを守らなければ先生に叱られることになる。大抵の生徒はチャイムがなると教室に入って自分の席に着くのである。チャイムがなり、授業が始まれば、まず、規律、礼、着席の号令とあいさつを行う。あいさつが終わり授業が始まると先生の話を静かに聞く、クラスメートの発言も静かに聞く、授業中は緊急時以外


 席を立たない。私語はしないなどである。また、忘れ物をしないことも大事な事である。私などは小学生の時忘れ物をしてよく先生に叱られたものである。

 以上上げた事柄は、全て、授業を円滑にすすめるために先生が生徒に指導していく事柄である。授業を円滑に進めるために生徒を指導していくことは集団生活のルールを守る事にも繋がり生徒指導と密接な関係にあると言えるだろう。ほとんどの人間は1人で生きているわけではない。人間は集団生活の中で生きている。集団で生きるためには、その集団の中で、ルールが必要になってくる。生徒が将来社会に出た時、集団生活でのルールを守れる人間を育てるために生徒指導が必要となってくるのである。

 私が担当することになる社会科の教科指導はその内容から生徒指導に繋がるものである。社会科の目的として大事な事は、本来民主主義を教えることにある。学校という空間は暴力が支配しやすい環境にある。子供の世界ではけんかが強い事がその人を引きつける要素となる。社会科がもつ民主主義教育は、暴力でなく、話し合いで物事を解決する力をやしなうことに役に立つ。民主主義の力は、民主国家である日本で生きていくために大変重要な技能とも言える。

 生徒指導は学校教育の中であらゆるところに潜んでいる。それは、学校教育の心の目的が平和な気持ちを持った個性豊かな良い人間を育てることにあるからである。

(学校って何だろう 苅谷剛彦 講談社 参照)









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法政大学文学部史学科通信教育部を4年で卒業して、同時に教員免許も取得した。現在は高校教師教師として、働いています。
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