2011年02月19日
さんこうめぬけ・おおさが漁の思いで-冬旬魚-まぐろぐ
さんこうめぬけ・おおさが漁の思いで-冬旬魚-まぐろぐ
めぬけ漁-底延縄・底刺網・底引き-大漁ばなし
= さんこうめぬけ・おおさが漁の思いで =
●本稿では、
さんこうめぬけ(以下金さが)、おおさがの漁を、
思い出とともに紹介します。
●次いで「グルメるレシピ」を提案します。
== めぬけ漁-底延縄の今昔 ==
●金さが漁の思いで-古老の懐旧談
襟裳(岬)・南東海区の底延縄漁
・戦後食糧増産の時代-20トン未満-許可はいらなかった。
季節は旧の端午の節句の頃、
力のある船主が船を仕立てた-底延縄-疲弊した時代、
唯一の漁撈法だった。
・その意気や壮たるもので、
沖から山が見える海区-水深:400〜500m。
揚縄操業中と思召せ。
●「金さが登り」-釣り針一つに2匹の金さが
・揚縄開始後次第に金さがの食いが目立ち始め、
「こまどり-ラインホ―ラー前の魚を獲り込む」も、
忙しくなってきた。
「釣り続き」とはこのことか、
・そうして驚くべきことに、
''' 1つの釣り針に2匹の金さががかかり始まった ''' 。
連チャンではないが結構くる。
・こりゃあ大変だ!「日和にきをつけろ」。
昔からこんな漁のときは、
このように自戒をするべし。
・要するに、
「大群-大魚倉(おおなぐら)」が食いが立つと、
一斉に魚どもは「口を使う」。我先と食らいつく。
そしてあわてて食うもんだから、
最初の一匹の鰓蓋から釣り針が抜けて、
二匹目がさらに食らいつく。
当時のことだからかなりの大魚倉だったんでしょう。
・一般に魚はくろまぐろなどでも、
こういう具合になるのだそうです。
胃袋が一杯になり口からあふれ出てもまだ食らう。
腹を痛めることはないそうです。
・早速若い衆たちは、
表マストに登って鯉のぼりならぬ ''' 金さが登り ''' 。
これを揚げて節句の祝いをしたらしい。
往古の良き時代の一こまでした。
== 金さが-底引網の思いで ==
●時代はずうっと下がって、
近代漁業が確立され-優勝劣敗の厳しい高度成長期。
同襟裳南東海区での金さが底引漁。
・大大漁で箱づめが間に合わない、
ハッチにばら積み、
箱づめはきちじだけ。
各船一週間で超満船-124トンの底引船。
・市場で水揚げ-もっこ網でトラックに揚げて、
バックして急ブレーキ、
それを女のデメンさん-Day Men(デイメン・日雇い・手間取り)たちが、
男衆の箱づめ後、
「腰縄の付いた長い魚鉤」で引っぱって行く。
・よくぞ漁師に生まれける。
すごい景気のなりわいでした。
== おおさがの底刺網漁の思いで ==
おおさが=幸神めぬけとも称します。
●都知事が美濃部しのころで、「水銀騒ぎ」のあった頃。
所は三陸沖30マイル-海里・900m海区。
時節は六月、この季節ともなると、
20℃の水帯が早くも到来して青ざめが鰭を見せてくる。
・潮が激しく早いので慎重に「当てボンデン」を投入、
待つこと3時間・尺二寸のガラス玉の沈む箇数のあんばいで。
慎重に「潮ぼせ」して、
・800mから投網し980m〜1000mでぶっ止める。
980mの谷間にいたらしい。
●おおさがの底刺網が水面から見えて揚がる
・2〜3日して揚網を始める。
・「瀬縄-ボンデンからアンカーまでの立ち上がりの縄」を巻く。
ゆうに1時間半以上かかる。
・やがてロープの長さに余裕がなくなり、
アンカーに効いて-鋏ドラムの油圧がウィンウィンとなる。
このときに手をはさまないようテクニックよろしく
-長年の「杵柄・きねづか」で要領よく。
指なんか二本三本あっというまにぶち切れる。
・そうこうして、アンカーが起きる。
こうなると、途端にテンションが抜けてたちまち軽くなる。
ラインホ―ラーがどんどん速くなるもんだから、
手を合わせられなくなり-釣り人ならばこの感覚
-腹が膨れて-気が付くと船から大分離れた前の方に、
網が下からでなく延びて行ってしまう。
・見てる間におおさがが鈴なりに浮かんできた。
参考写真・これ以上の無数の「幸神めぬけ」が
さあ大騒ぎ-アホウドリ・カモメ-寄ってくる。
網からはずれたおおさががあちこちと流れ出す。
デッキでは網から取り出すのに忙しいのに、
魚は拾いたし、鳥には食われたくない-てんやわんや。
・間に合わないので見える範囲の魚だけ拾って、
出来るだけ急いで網を取り込み、
結構流れたと思うけどしょうがない。
●上記の顛末が懐かしくも昨日のように、
まぶたに浮かびます。
これら二つの出来事が稀にみる漁業の姿、
紹介しまして、
北の漁師の縁-よすが-とする所以であります。
== ばらめぬけ・がまさが-刺身さが ==
●「がまさが」とも称す。
ばらめぬけはこの赤物類でも、
最も陸(浅所)に生息し底質が「蒲の穂・がまのほ」が、
密生する海区でして、陸上のそれとは似て非なる物にして、
隠れるのに非常に都合のよい海底生物。
水深250〜500m位までの天然礁の根際。
●刺身さが-レシピ
一般にさが類は脂分が大変強く、
和風料理よりも西洋料理に向いてます。
「皮霜造り」にしてまたアレンジして、
湯引きもいけるかと。
くどくなく丁度よい味わいですな。
そのたとして「吸い物」。
以上、思い出の筆をおきます。シリーズ続けます。
★私の母港
きんきのうんちく
私の定係港-2
めぬけ漁の今昔-底延縄・底引き-大漁ばなし
H23 2011-02-19T11:50
まぐろぐ
めぬけ漁-底延縄・底刺網・底引き-大漁ばなし
= さんこうめぬけ・おおさが漁の思いで =
●本稿では、
さんこうめぬけ(以下金さが)、おおさがの漁を、
思い出とともに紹介します。
●次いで「グルメるレシピ」を提案します。
== めぬけ漁-底延縄の今昔 ==
●金さが漁の思いで-古老の懐旧談
襟裳(岬)・南東海区の底延縄漁
・戦後食糧増産の時代-20トン未満-許可はいらなかった。
季節は旧の端午の節句の頃、
力のある船主が船を仕立てた-底延縄-疲弊した時代、
唯一の漁撈法だった。
・その意気や壮たるもので、
沖から山が見える海区-水深:400〜500m。
揚縄操業中と思召せ。
●「金さが登り」-釣り針一つに2匹の金さが
・揚縄開始後次第に金さがの食いが目立ち始め、
「こまどり-ラインホ―ラー前の魚を獲り込む」も、
忙しくなってきた。
「釣り続き」とはこのことか、
・そうして驚くべきことに、
''' 1つの釣り針に2匹の金さががかかり始まった ''' 。
連チャンではないが結構くる。
・こりゃあ大変だ!「日和にきをつけろ」。
昔からこんな漁のときは、
このように自戒をするべし。
・要するに、
「大群-大魚倉(おおなぐら)」が食いが立つと、
一斉に魚どもは「口を使う」。我先と食らいつく。
そしてあわてて食うもんだから、
最初の一匹の鰓蓋から釣り針が抜けて、
二匹目がさらに食らいつく。
当時のことだからかなりの大魚倉だったんでしょう。
・一般に魚はくろまぐろなどでも、
こういう具合になるのだそうです。
胃袋が一杯になり口からあふれ出てもまだ食らう。
腹を痛めることはないそうです。
・早速若い衆たちは、
表マストに登って鯉のぼりならぬ ''' 金さが登り ''' 。
これを揚げて節句の祝いをしたらしい。
往古の良き時代の一こまでした。
== 金さが-底引網の思いで ==
●時代はずうっと下がって、
近代漁業が確立され-優勝劣敗の厳しい高度成長期。
同襟裳南東海区での金さが底引漁。
・大大漁で箱づめが間に合わない、
ハッチにばら積み、
箱づめはきちじだけ。
各船一週間で超満船-124トンの底引船。
・市場で水揚げ-もっこ網でトラックに揚げて、
バックして急ブレーキ、
それを女のデメンさん-Day Men(デイメン・日雇い・手間取り)たちが、
男衆の箱づめ後、
「腰縄の付いた長い魚鉤」で引っぱって行く。
・よくぞ漁師に生まれける。
すごい景気のなりわいでした。
== おおさがの底刺網漁の思いで ==
おおさが=幸神めぬけとも称します。
●都知事が美濃部しのころで、「水銀騒ぎ」のあった頃。
所は三陸沖30マイル-海里・900m海区。
時節は六月、この季節ともなると、
20℃の水帯が早くも到来して青ざめが鰭を見せてくる。
・潮が激しく早いので慎重に「当てボンデン」を投入、
待つこと3時間・尺二寸のガラス玉の沈む箇数のあんばいで。
慎重に「潮ぼせ」して、
・800mから投網し980m〜1000mでぶっ止める。
980mの谷間にいたらしい。
●おおさがの底刺網が水面から見えて揚がる
・2〜3日して揚網を始める。
・「瀬縄-ボンデンからアンカーまでの立ち上がりの縄」を巻く。
ゆうに1時間半以上かかる。
・やがてロープの長さに余裕がなくなり、
アンカーに効いて-鋏ドラムの油圧がウィンウィンとなる。
このときに手をはさまないようテクニックよろしく
-長年の「杵柄・きねづか」で要領よく。
指なんか二本三本あっというまにぶち切れる。
・そうこうして、アンカーが起きる。
こうなると、途端にテンションが抜けてたちまち軽くなる。
ラインホ―ラーがどんどん速くなるもんだから、
手を合わせられなくなり-釣り人ならばこの感覚
-腹が膨れて-気が付くと船から大分離れた前の方に、
網が下からでなく延びて行ってしまう。
・見てる間におおさがが鈴なりに浮かんできた。
参考写真・これ以上の無数の「幸神めぬけ」が
さあ大騒ぎ-アホウドリ・カモメ-寄ってくる。
網からはずれたおおさががあちこちと流れ出す。
デッキでは網から取り出すのに忙しいのに、
魚は拾いたし、鳥には食われたくない-てんやわんや。
・間に合わないので見える範囲の魚だけ拾って、
出来るだけ急いで網を取り込み、
結構流れたと思うけどしょうがない。
●上記の顛末が懐かしくも昨日のように、
まぶたに浮かびます。
これら二つの出来事が稀にみる漁業の姿、
紹介しまして、
北の漁師の縁-よすが-とする所以であります。
== ばらめぬけ・がまさが-刺身さが ==
●「がまさが」とも称す。
ばらめぬけはこの赤物類でも、
最も陸(浅所)に生息し底質が「蒲の穂・がまのほ」が、
密生する海区でして、陸上のそれとは似て非なる物にして、
隠れるのに非常に都合のよい海底生物。
水深250〜500m位までの天然礁の根際。
●刺身さが-レシピ
一般にさが類は脂分が大変強く、
和風料理よりも西洋料理に向いてます。
「皮霜造り」にしてまたアレンジして、
湯引きもいけるかと。
くどくなく丁度よい味わいですな。
そのたとして「吸い物」。
以上、思い出の筆をおきます。シリーズ続けます。
★私の母港
きんきのうんちく
私の定係港-2
めぬけ漁の今昔-底延縄・底引き-大漁ばなし
H23 2011-02-19T11:50
まぐろぐ