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2016年08月31日

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 伊藤祐靖

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いつものようにAmazonがオススメしてくれる「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で紹介されたのがこの本との出会いです。

強い力を持つタイトルに心を惹かれて購入してしまったのは、近頃、自分の中で表現することが難しい悩みや葛藤といった類の感情が強く表れるようになっていたことと無縁ではなかったと思います。

そしてこの本の内容は、筆者のメッセージは、そんな行き詰まった状態だった私を強烈に啓蒙するものでした。

「そういうことか!?」

閃きのような感覚を何度もこの本の中で感じました。
今年これまでに読んだたくさんの本の中で、最も強く揺さぶられた一冊、それがこの「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」です。

どんな本だった?


曲がりなりにもブログという形で文章を書いていると、書いたものを読み返した時に、「力のある生々しい文章」だと自分でも感じたり、逆に「妙に薄っぺらい響いてこない文章」だと感じたりする経験をします。

もちろん、「力のある生々しい文章」が書きたいといつも考えています。でもこれがなかなか書けないんです。
思い返せば「生々しい文章」を書けたと感じる時は、強く印象に残る体験や、考え尽くした思考の塊があった時でした。

この本は間違いなく「力のある生々しい文章」です。

自衛隊在職中の海上警備行動発令時のエピソードでは、まるでその場にいるかのような臨場感をもって書かれていて、極限の状態の中で隊員たちが任務に向き合う様子がありありと浮かび上がってきました。

フィリピンのミンダナオ島でのトレーニングパートナーとの会話では、筆者に替わって自分自身が気圧され、詰め寄られているようなプレッシャーを感じました。

それでいて、読者の立場からはしっかりと考えさせられる構成・内容になっています。
「国のために死ねるか」というタイトルにあるとおり、国とは何か、自分は何のために生きるのか、何を大切にするのかということを、著者自身の迷いを疑似体験することで「自分自身に当てはめると、どうだろう」ということをいつしか考えていました。

繰り返しになりますが、強く、読者を揺さぶる本だと思いました。

読むことで得られたもの


自衛隊の様子について、例えば「海軍と陸軍の違い、文化」のエピソードもなかなか面白いと思いました。
しかし、やはりここで触れておきたいのは、「今行おうとすることの目的は何か」「そのためには何を行うべきか」「無駄なものは何か」という徹底した目的意識を持つべきだという考え方。

そして、目の前の目的ばかりを考えるのではなく、国というものー自分の存在の根本となっている今の環境や歴史に思いを馳せ、その主体性とは何か、自分が生きている環境はどうやって過去の先人たちが築いてきたのかをしっかりと知り、理解しておく必然性があるのだという考え方。

これらの事をしっかりと考えておかなければならないのではないか?
そう考えさせられたことが、最も大きな「読むことで得られたもの」だと、今は感じます。

こんな時にまた読みたい


日常に忙殺される中で、自分自身がどこへ向かっているのか、何をやっているのか分からなくなった時。
国際的な話題や問題を考える時。
支えきれないような苛立ちを覚えた時。

そんな時に読み返して、生きていく姿勢を自分自身で問いかけてみたいと思います。

posted by 霧島もとみ at 2016年08月31日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:教養

2016年08月08日

歴史を知らなければ今を読み解くことはできないんですよ?と当たり前の事を強く実感させる本でした。「世界史の極意」佐藤 優

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またもや元外交官シリーズ、といいますか佐藤優さんの本です。
我ながら好きだな・・・と思ってしまいますが、面白いのでしょうがない。

佐藤さんの本はどこか読後に刺激物の残滓があるというか、ふらっと寄った書店で目に入った時に「また読みたい」という欲がふっと湧いてくるんですよね。
いやいや不思議。

どんな本だった?


「世界史をアナロジカルに読み解く」ということをテーマに、三章構成で書かれた本でした。
アナロジカルとは、”類比的な視点で捉える”という意味です。
アナロジー的(類比的)な思考を養うことで、世界の動きを捉える力を身に付けていくことが必要であると説き、そのための過去の事例として「帝国主義」「民族問題」「宗教紛争」についての解説をしていくという本になっています。

過去の歴史にこういう事があった。
今を分析すると、その時の状況に似ている。
だとすると、次はこういう様に動いていくと考えられる。


まあ、平たく言うとこんな感じでしょうか。
こういう風に見ていく目を養い、また、類比的思考の元になる基礎知識を増やしていきましょうという事です。

ただ、どちらかというと”類比的思考の元になる基礎知識”の方が分量的には多いですね。
宗教、民族に関する記述・分析はさすが佐藤さんと唸らせるもの。
佐藤氏の本を読むこと10冊くらいにはなったでしょうか、私のような歴史オンチにも出てくる単語の意味が少しずつ分かるようになってきて、面白く読めるようになってきました。

読むことで得られたもの


民族とか、宗教とか、普段何気なく使っている言葉ですが、その成り立ちや言葉の背景にあるものの片鱗が少し理解できたように思いました。
佐藤氏は”宗教改革とウクライナ危機はつながっている”の箇所では、宗教改革から派生した地域内の宗教の違いが今に残り、そのことがウクライナ危機の一つの背景になっていると指摘していました。
事件の表面だけを見るのではなく、その背景にどのような問題があるのかを分析していくことで、事件が意味する本来の姿が見えてくるという事をありありと見せられた気がしました。

文系の世界も実は奥が深い、と今更ながら痛感させられます。
文系の学問というのは、実は、人間そのものの存在を追求していく学問なのかもしれないと感じました。

こんな時にまた読みたい


第三章の”宗教紛争を読み解く極意”は、イスラム教、キリスト教の歴史上のポイントを分かりやすくまとめていると感じました。
この本は手元に置いておき、何度か読み返して理解しておきたいと思います。

私のように「高校生以来歴史の勉強はしていない」というような人には、歴史の勉強の本来の意味を突きつけてくる、割と威力のある、そんな本でした。
タグ:佐藤優
posted by 霧島もとみ at 2016年08月08日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:教養

2016年08月06日

ハイブリッド外交官の仕事術 (PHP文庫) 文庫  宮家 邦彦

元外交官で立命館大学客員教授を務め、テレビでも外交関係のコメンテーターとしてよく見かける宮家邦彦さん
テレビでの落ち着いた話しぶりがとても印象的で、知的な人物という印象を受けていました。

”ハイブリッド外交官の仕事術”と題されたこの本を書店で見付けた時に「宮家さんが培ったノウハウをまとめている本だとしたら、これは面白そうだ」と思い、手にとってペラペラとめくり、そのままレジへ持って行きました。

どんな本だった?


確かに宮家さんの個人的ノウハウが書き込まれていた本でした。
しかしその内容は少し抽象的で、ノウハウというよりも体験談といったような内容だと感じました
もう少し細部にもフォーカスを当てた説明があればなお面白かったかな?と思います。

そういう意味では、本を読んだ私自身が今日から早速取り組めること・・・といったような内容は見付けられなかったと思います。
実務的な基本ノウハウを身に付けた人が読む本なのかもしれません。

「メモとペンを枕元に置く」ことは実践できることですが、まあ、これはいろんな本に既に書かれていることですので・・・。

読むことで得られたもの


宮家さんが外交官時代にどのような姿勢で業務携わっていたのか、文化が異なる外国でどのように人間関係を作っていったのか、このあたりのエピソードはとても面白かったです。

中東専門家の視点から見た「アラブの春」の分析はとても興味深いものでした。
外交官として現地で生活を送り、また国家間の知識を持った人が世界のことを見ると、こういう視点になるんだなあということは大変参考になりました。逆にいうと、マスコミの情報を鵜呑みにして世界を見ているのは、見ているようで何も見えていないということを指摘されたようで、少しぞっとしました。

また、情報収集については、

”今でも、私の戦略的分析に必要な情報の九割は公開情報で十分入手可能です”


と書いていました。これは元外交官の佐藤優さんも同様のことを書いていました。
だとすると、多くの情報は誰にでも入手が可能ということになりますから、
・公開されている情報の中から必要なものをどうやって取りに行くか。
・それをどうやって分析していくか。

が能力の違いになるということで、自分自身も注意して取り組んでいこうと思いました。

こんな時にまた読みたい


中東情勢や、イスラム国の問題は目を離せない大きな事柄です。イギリスのEU離脱のこともあり、何か世界で大きな動きが起こりそうな雰囲気を感じているなか、「世界はこれからどう動いていくのだろう」と思った時にもう一度読んでみたいと思います。

もし宮家さんの本を読んでみたいという人がいましたら、「世界史の大転換〜常識が通じない時代の読み方〜 佐藤 優、 宮家 邦彦」をまずはオススメします。
今回読んだ宮家さんの本よりもぐっと内容を深く切り込んでいて、歴史の動きの流れを体感できるとともに、著者のお二人の知識・知性の高さに圧倒されると思います。
posted by 霧島もとみ at 2016年08月06日 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本:教養
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他人との距離感をいつも遠く感じながら生きてきました。高校の体育祭のフィナーレでは、肩を抱き合って大はしゃぎする光景に「何でこんなに盛り上がれるんだろう・・・?」と全く共感できませんでした。共感できない自分が理解できず、いつも悩んでいます。そんな私でも面白いと思うことはこの世界に一杯あります。それが私の生きる糧でした。面白いことが増えていけば、よりたくさんの人が楽しく生きられるはず。そんな世界を夢見ています。
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