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2021年02月11日

第二弾も警戒 食用油の値上げ 21年春

さらなる値上げを打ち出す可能性も示唆されています。

製油各社が油脂製品の値上げを打ち出している事はご存知でしょうか。


朝のニュース番組でも報道されたりしているので、「そうみたいね」程度には聞いているかもしれませんね。


昭和産業は3月1日納品分から、日清オイリオグループとJ―オイルミルズは4月1日納入分と出荷分から家庭用や業務用食用油の価格引き上げを発表しました。


大豆や菜種といった原料の相場が高騰しているため「自社でコストを吸収するのは困難」との判断。さらに、その後にも値上げを打ち出す可能性もあるようです。


昭和産業は家庭用汎用油を1キログラムあたり30円以上、業務用一斗缶製品(16.5キログラム)を1缶あたり500円以上、飲食店や工場などで使われるミニローリーと加工用バラを1キログラムあたり30円以上引き上げ。


日清オイリオグループは家庭用を1キログラム20円以上、業務用一斗缶製品を同300円以上、加工食品メーカー向けなどの加工用バルクを同20円以上引き上げる。J―オイルミルズは家庭用、業務用、加工用すべて1キログラムあたり30円以上値上げします。


値上げの背景には原料の高騰があります。


油脂製品は大豆や菜種が主原料で国際価格は2020年後半から急騰。大豆は米国の昨夏の天候不順、南米の乾燥で収穫減が見通されており、足元では1ブッシェル13.8ドル前後と6年8カ月ぶりの高値圏にあるのです。


菜種は13年ぶりの高値水準。主要生産国カナダでは昨夏の高温による生育不良で生産量が下方修正されたうえ、欧州連合(EU)の収穫も減っています。


パーム油もコロナ禍による労働者不足で生産が伸び悩む中、輸出が堅調に推移したことで在庫水準が低下し10年ぶりの高値圏で推移しています。


世界で新型コロナウイルス禍が続く中、中国では油脂や家畜の餌となるミールの需要が旺盛だ。数年前に流行したアフリカ豚熱(ASF)で減少した養豚数を回復させようと動いているのです。


米農務省によると、20〜21年度の中国の大豆輸入量は過去最高の1億トンの見通し。自分の認識では、ミールの需要が高まると、油の価格が下がる。油の需要が上がると、ミールの価格が下がる、、、そんなイメージだったんですけどね。


ミールとは、簡単にいえば「油の搾りかす」ですから、沢山油を作れば、ミールが沢山出来る。ミールを作ろうとすると油が沢山出来上がる。そんな関係性です。


製油各社は20年4月にも値上げを打ち出していましたが、コロナの影響で飲食店など油需要が減少し「交渉できる状況ではなかった」というのが実情。


農林水産省の油糧生産実績によると、20年通年の生産量は大豆油が前年比7.5%、菜種油が同3.9%それぞれ減少しています。


そうした中、国際相場は急騰。再び値上げ交渉が進まないのを回避しようと、春の値上げとしては早めの価格改定発表となったわけです。


僕らのような問屋など、需要家は緊急事態宣言によって客足が減った飲食店向けの価格を引き上げることについて例え、業務用一斗缶製品は通常50〜100円値上げするのもやっとの状態、一気に300〜500円というのは、取り扱いをやめてもらえますか?というに等しい厳しい交渉になるんです。
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