2013年01月23日
物価をどうやって2%上げるんですか
日銀が2%の物価目標の導入を決めた。導入の狙いは何か。物価目標は暮らしをどう変えるのか。
Q 物価目標の狙いは
A 日本経済は消費者物価指数(生鮮食品を除く平均値)が1990年代後半以降、前年比でマイナスか0%台で推移しており、景気低迷の元凶とされている。この「デフレ」からの脱却を目指すのが物価目標の狙いだ。
はたしてうまくいくのか
Q どういう仕組みで物価が上がるのか
A 政府と日銀が物価上昇率の目標数値を打ち出し、金融緩和で世の中に出回るお金の量を増やせば、「将来、必ず物価が上がる」と考える人が増えるはず。消費者は少しでも安いうちにモノを買っておこうと考え、財布のひもを緩める。一方、企業は値上げすることで利益が増えて、賃金を上げやすくなる。
ここのアンサーが気になります
Q まず、どんな商品・サービスの価格が上昇するのか
A 為替相場で円安が進む効果が先に来る。市中に出回るお金の量が増えれば金利が低下し、世界の通貨と比べて「円」の価値も下がる。円安は原油や天然ガス、穀物など輸入品の価格上昇を招く。燃料や原料、素材、食糧が小売価格に転嫁され、ガソリンや灯油の価格が上昇し、電気料金などが上がる見通し。燃料価格の上昇は、公共交通機関の料金やレジャー関連の料金上昇にも跳ね返る。
困ったことになりそうです
Q デフレ脱却も近いわけだ
A そう簡単にはいかない。アジアからの安価な製品の流入や、グローバル競争が激しい薄型テレビなどの耐久消費財の価格下落がデフレの大きな原因とされている。これらの商品の値下がりを防ぐのは容易ではない。「筋書き通りに物価が上がるかは不透明」との声もある。
Q 目標を達成すれば、暮らしは良くなるのか
A 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストの試算によると、3年後に賃金上昇、5年後に2%の物価上昇が実現する。その際、年収600万円の世帯では年間7万4000円の支出増になるが、賃金上昇は10万5000円にのぼるといい、差し引き3万1000円が家計に対する恩恵だ。
そうなればの話です
Q 物価上昇でも家計に優しい
A 安心ばかりはできない。みずほ総合研究所の杉浦哲郎副理事長は「賃金が上がるのは専門性が高い一部の人だけ」と話す。国際競争に勝ち抜くため、設備投資や研究開発が優先され、人件費増額に振り向ける余裕がないためだ。杉浦副理事長は「新たな雇用創出策がなければ、多くの人が安定した収入を得られず、物価上昇で生活が苦しくなる」と警告している。
そうかもしれません
Q 外国でも物価目標はあるのか
A 海外では1988年にニュージーランドが採用したのをはじめ、カナダ、英国など20カ国以上が導入している。実体経済や資産価格などに配慮した柔軟性のある物価目標政策が主流で、採用していない国との違いは少ないとみられている。
なるほどですね!
Q 物価目標の狙いは
A 日本経済は消費者物価指数(生鮮食品を除く平均値)が1990年代後半以降、前年比でマイナスか0%台で推移しており、景気低迷の元凶とされている。この「デフレ」からの脱却を目指すのが物価目標の狙いだ。
はたしてうまくいくのか
Q どういう仕組みで物価が上がるのか
A 政府と日銀が物価上昇率の目標数値を打ち出し、金融緩和で世の中に出回るお金の量を増やせば、「将来、必ず物価が上がる」と考える人が増えるはず。消費者は少しでも安いうちにモノを買っておこうと考え、財布のひもを緩める。一方、企業は値上げすることで利益が増えて、賃金を上げやすくなる。
ここのアンサーが気になります
Q まず、どんな商品・サービスの価格が上昇するのか
A 為替相場で円安が進む効果が先に来る。市中に出回るお金の量が増えれば金利が低下し、世界の通貨と比べて「円」の価値も下がる。円安は原油や天然ガス、穀物など輸入品の価格上昇を招く。燃料や原料、素材、食糧が小売価格に転嫁され、ガソリンや灯油の価格が上昇し、電気料金などが上がる見通し。燃料価格の上昇は、公共交通機関の料金やレジャー関連の料金上昇にも跳ね返る。
困ったことになりそうです
Q デフレ脱却も近いわけだ
A そう簡単にはいかない。アジアからの安価な製品の流入や、グローバル競争が激しい薄型テレビなどの耐久消費財の価格下落がデフレの大きな原因とされている。これらの商品の値下がりを防ぐのは容易ではない。「筋書き通りに物価が上がるかは不透明」との声もある。
Q 目標を達成すれば、暮らしは良くなるのか
A 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストの試算によると、3年後に賃金上昇、5年後に2%の物価上昇が実現する。その際、年収600万円の世帯では年間7万4000円の支出増になるが、賃金上昇は10万5000円にのぼるといい、差し引き3万1000円が家計に対する恩恵だ。
そうなればの話です
Q 物価上昇でも家計に優しい
A 安心ばかりはできない。みずほ総合研究所の杉浦哲郎副理事長は「賃金が上がるのは専門性が高い一部の人だけ」と話す。国際競争に勝ち抜くため、設備投資や研究開発が優先され、人件費増額に振り向ける余裕がないためだ。杉浦副理事長は「新たな雇用創出策がなければ、多くの人が安定した収入を得られず、物価上昇で生活が苦しくなる」と警告している。
そうかもしれません
Q 外国でも物価目標はあるのか
A 海外では1988年にニュージーランドが採用したのをはじめ、カナダ、英国など20カ国以上が導入している。実体経済や資産価格などに配慮した柔軟性のある物価目標政策が主流で、採用していない国との違いは少ないとみられている。
なるほどですね!
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