トランプ大統領就任時から話題となり購入した「米中もし戦わば(原題:Crouching Tiger)」は、かなりの間積ん読状態で自宅の棚に眠ってました。買っておきながら、「どうせアメリカのタカ派が書いた偏った本で、かつ結構専門的な軍事シナリオを検証した難解な内容なんだろう」と勝手に決めつけていました。
たまたま最近、ふと気になって最初の数ページ読んでみると、とたんに引き込まれて最後まで読んでしまいました。
中国政府から見てどうかはわかりませんが、少なくとも日本人の目から見て中国に対しても予想外にフェアで、かつ冷静、簡潔にいろんな角度から事象を検証しているのです。近代以降の歴史、政治、経済、軍事と多面的で、かつアメリカの立場だったり、中国の立場だったり、日本をはじめとする他のアジア諸国の立場に立った利害関係やシナリオを展開する、非常に面白い(と言っては若干不謹慎ですが)本で、各章が短くてかつ選択式のクイズから始まるのもわかりやすいポイントです。途中でつまらなくなるかと思いきや、最後まで興味深い内容のままです。洋書にありがちな冗長性も低く無駄のない本です。日本人全員が読むべき課題図書だと思いました。
米中もし戦わば 戦争の地政学 (文春文庫) [ ピーター・ナヴァロ ] 価格:1,047円 |
次に、日本の元韓国大使が書いた「韓国人に生まれなくてよかった」も読みました。
前半は、文大統領と彼を支持する団体がいかに偏っているかを、事実に基づいた冷静な論理展開で綴っています。後半は韓国社会の過酷さが印象に残ります。元駐韓大使だけあって、嫌韓的なスタンスではなく、「今の状況は韓国人にとっても不幸なのではないか」というメッセージが主体です。
日本人から見て全く理解できない韓国政府や韓国国民の主張や行動の裏側が少し紐解けた一冊です。
価格:1,350円 |
更に、まだ読み終わっていないのですが、現在「日米同盟のコスト 自主防衛と自律の追求」も読んでいます。
日本は、当面アメリカに安全保障を頼らざるを得ないのが現実ですが、いざという時アメリカが本当に自国への攻撃リスクを厭わずに日本を守る行動を果たしてとるのかわからない中、もっと費用負担しろとか、足元を見て一方的に日本が受益者であるというスタンスで交渉してくるのもおかしいなと感じていました。
そんな中手に取った本です。論文的な内容で特に後半はすらすらと読む感じではなくややスピードダウンしていますが、非常に興味深いです。
価格:2,700円 |
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