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2017年04月04日

アルフレッド・マーシャル『産業と商業』(1919)

マーシャルと言えば、経済の一部門において需要曲線と供給曲線が交差する点で価格と量が定まる「部分均衡分析」が有名だ。(高校の教科書に出てくるやつ)

 収穫逓増と企業の共存に関して有名な「マーシャルのジレンマ」は、企業が収益逓増の状態にあるとき、生産量を増やすほど費用が下がるから競争力が増し、他の企業を淘汰して独占に至るため、競争が維持されなくなってしまうという問題だ。
マーシャルは企業制度に関心を寄せていて、株式会社が普及すると所有と経営が分離し、株主が短期的な利益の追求に走ることで競争の場が破壊されてしまうと考えていた。彼はあくまで中小企業に期待をかけ、大企業には短期的な利益に走らない「経済騎士道」を求めた。結局はマーシャルの意に反した方向に歴史が進んでいくのだが。


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