手首。
あのこ・・・
本当に死ぬところは切らないのよね。
無数のためらい傷が
痛々しいよりも
少し自慢げに見えるのは、
私だけだろうか・・・
いつにでも
死んでしまいそうな
色が青白くて・・・
新しい傷が
まだ痛々しかった。
堂々としているような
ためらい傷。
私にとって憎たらしく思える
そんな気持ちの奴がいるから・・・
本気で死にたいんだったら
死んでみたら?
横で呟く。
彼女は、全く私の言葉に動じず
まっすぐ前を見ていた。
私は
この子はきっと生き続けて
自慢げに
ためらい傷を見せつけていくんだろう
私は弱い女
そういうレッテルを
威圧的に見せつける。
私みたいな女が
似合うはずもない。
そう。
女はどこまでも
ずるくあざとい。
女が生きていくには、
女が一人で生きていくには・・・
あの人にはなれないわ。
どこまでも強いもんね。
そういわれながらも
弱さの似合わない女は
ずっと永遠に心休まる場所もなく
ただ
戦い抜くのだ。
もう結婚はあきらめたんじゃないの?
ためらい傷・・
あれじゃ無理よ
女に生まれてきた
私たちは
似合うものと
似合わないものに大きく別れる
弱い女の底意地の強さ。
強い女の意地悪さ。
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