高校生の頃
美術の短大に進学することで、
難波の研究所に通うことになった。
画家も習いに来るほどの
有名な研究所で、
私達、受験生は
テーブルを囲んでデッサンや
水彩画を勉強していた。
私達の席の背面には、
有名な芸術家の油絵が飾ってあり、
先生が
『軽薄なグリーン』
この軽薄なグリーンを
上品に使うのがこの画家の凄いところだ。
と語っていた。
100号からなる
その作品の油の方塊。
迫力と力強さに圧倒していた。
それから
私の中で、
『軽薄なグリーン』
は何となく
特別なものになった。
しかし私の中で
そこまで大きくは感じなかった当時。
今の私には
その軽薄なグリーンが
凄く重みのあるものとなった。
私の中の日本という和という文化に
軽薄なグリーンが非常に
違和感の中に重みがあるように
感じるのです。
学生の時に聞いた
『軽薄なグリーン』
あれから
30年ほど経ちましたが、
今でも
自分が受けた緊張感が忘れられません。
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