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2022年05月19日

実は実現していた夢の対決?光の巨人vs怪獣王

今回はウルトラマン第10話「謎の恐竜基地」に登場したジラースについてです。
別名襟巻怪獣、身長45m、体重2t、出身地はネス湖で中村博士に成りすました二階堂教授によって日本の北山湖に秘密裏に運び込まれ飼育されていました。いつもは餌を与えられる夜のみ湖から出て来るが大量の魚を捕ろうと釣り人が撒いたカーバイトに刺激されて出現しました。
能力は15年間北山湖で飼育されている間に怪獣化したことで使えるようになった熱線(放射熱線、白熱光など媒体によって記述が違う)が武器。出現後は正体を現した中村博士を踏み潰してウルトラマンと交戦するが、接近戦の際に襟巻きをもぎ取られ、それを闘牛士のようにひらつかせるウルトラマンへ突進しては回避され、翻弄される。最後はすれ違いざまのウルトラ霞斬りで急所を突かれて吐血しながら絶命し、かろうじて生きていた中村博士もジラースの亡骸にすがりながら絶命する。
この回のジラースの着ぐるみは頭部が『怪獣大戦争』胴体が『モスラ対ゴジラ』のスーツを改造したゴメスのスーツを経てまたゴジラの意匠に戻したのがジラースのスーツのようです。
元になったスーツが同じはずなのにゴメスは一目ではなかなかゴジラの改造と判りませんが、ジラースは襟巻と腹部、頭部、背びれを黄色く塗ってあること以外は、ゴジラと変わりありません。これはデザインを担当した成田亨氏も「ゴジラに襟巻をつけた」と称しています。
戦闘中に襟巻を剝ぎ取られた演出については監督の満田かずほ氏は「ゴジラの状態で東宝に返却する条件だったため、劇中で意図的に元へ戻した」と語っていて意図的な演出で見方によってはウルトラマン対ゴジラが実現したとも言えるかもしれません。
その後スーツは頭部は再び『怪獣大戦争』の胴体へ戻され、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のゴジラとして使用されたようです。
因みに名前は沖縄方言で「次郎叔父さん」を意味する「ジラースー(次郎主)」からとったそうで、命名は脚本家の金城哲夫氏です。
ゴジラの様にスーツを改造して新しい怪獣のスーツになるのはウルトラシリーズではよくある事で他にはバラゴンがいますが今回は割愛させていただきます。
この様にウルトラシリーズは毎週公開なので円谷プロダクション内のスーツだけでなく東宝のスーツを改造して使ったりしていました。これが出来たのは円谷プロダクションの創始者である円谷英二氏が独立するまでは東宝で特技監督をしていた事と、様々な組織の人々との交流を大切にするのをモットーにしていた事が大きいようです。
今回のお話しは如何だったでしょうか?怪獣のスーツも色々な工夫がされている様です。それではまたいつか。

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