2019年09月26日
生の鶏肉は調理する前に水で洗ってはいけない?
食べ物の洗浄に関する調査報告の中で、実験から得られたデータを基に
生の鶏肉は調理する前に水で洗ってはいけない警鐘を鳴らしています
生の鶏肉はカンピロバクター・サルモネラ・ウェルシュ菌といった、食中毒を引き起こす細菌に汚染されている危険があり、2018年に発生した食中毒事件1330件のうち
カンピロバクターによる食中毒は全体の24.0%
ウェルシュ菌によるものが2.4%
サルモネラによるものは1.4%
特にカンピロバクターの事件発生件数は、アニサキス、ノロウイルスに続いて第3位
試験用キッチンで調査
Aのグループには鶏肉を安全に調理する方法を知らせ
Bのグループには一切情報を与えなかった
過去に鶏肉を洗ったことがある理由として
鶏肉は調理前に洗うのが当たり前だから
鶏肉のぬめりを取るため
家族がそうしていたから
実験に使う鶏肉に無害で追跡可能な大腸菌を付着させ、その事実を隠したまま調理させました
事前に調理する前に鶏肉を洗ってはいけないという鶏肉の安全な調理方法を知らされていたAグループでは、メンバーの93%が指示通りに鶏肉を洗わず調理
情報を一切与えられなかったBグループでは、鶏肉を洗わずに調理したのはわずか39%
鶏肉を洗った後のシンク
特殊な光の下で撮影した画像を見ると、シンクの周りには、鶏肉を洗い流した水が飛散して大量の汚れが付着しているのが確認できた
できあがったサラダから大腸菌がどれだけ検出されるかを調査
水で洗わなかった鶏肉を使ったサラダのは、20%の割合でサラダから大腸菌が検出された
水で洗った鶏肉を使ったサラダは26%の割合でサラダから大腸菌が検出された
鶏肉を水で洗うことは衛生的に全く効果がないどころか、より悪影響を及ぼす可能性が実験からわかりました
鶏肉を調理前に洗わなくても20%のサラダから大腸菌が検出されたのは、手や調理器具を正しく洗浄していないことが原因と予想されます
衛生的な調理を行うためには
・果物や野菜などを取り扱ってから、最後に肉の調理を行う
・生肉専用のまな板を使う
・生肉は洗うべきではない
・生肉を触った後は、他の食べ物を触る前に少なくとも20秒間は石けんで手を洗う
・食品温度計を使って、食べる前に鶏肉が少なくとも73℃でしっかり加熱されていることを確認する
生の肉や鶏肉を水で洗ったりすすいだりすると、キッチンの周囲に雑菌が広がってしまうため、食中毒のリスクが高まる可能性があります
生の食品を素手で扱った直後に20秒間手を洗わないことも同じように食中毒のリスクを高める危険性があります
カンピロバクターの殺菌には中心部を75℃以上で1分間以上加熱
サルモネラの殺菌には75℃以上で1分間以上加熱が必要
ウェルシュ菌が増殖しないようにするためには10℃以下か55℃以上での保存が重要だが、増殖するための芽胞は100℃で1〜6時間の加熱にも耐えることがあるとのこと
加熱殺菌を過信しないよう注意が必要
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