2019年09月11日
提携先争奪戦の末に複雑化したマイレージサービス JALマイレージ王決定戦、業界でも初めて、全国のクイズ好きや、マイル好きの人々が7000人以上も参加した!
提携先争奪戦の末に複雑化したマイレージサービス
JALマイレージ王決定戦、業界でも初めて、全国のクイズ好きや、マイル好きの人々が7000人以上も参加した
JALマイル取得に関するルール
マイルの使い方
運用に関する問題から
仮想事例に基づいて航空機を利用したあとの残存マイル数を計算
など、社員でもなかなか正答できないものまで出題されました
最近の提携エアラインのマイルに関するルールは難しく、単なるワールドアライアンス(JALはワンワールド、ANAはスターアライアンス)を越えたマイル提携の枠組みが構築されている
航空会社によってマイレージの適用が異なるし、
ANA(全日空)、JALは
提携エアラインを相手側から引きはがして、自社側につけてきたという近年の争奪バトルがあるのです
ANAは、2016年に110億円以上を投じて当時JALと提携していたスカイチーム所属のベトナム航空に出資、マイル提携とコードシェアを自社に転換
JALは2018年から積極的なパートナー提携を開始し、ANAと提携していたハワイアン航空(アライアンス未加盟)との包括提携
ANAはフィリピン航空(アライアンス未加盟)との資本提携
JALはガルーダ・インドネシア航空(スカイチーム)との包括業務提携
ANA、JALが競合する国際路線において、日本人旅客に対し自社便以降の乗り継ぎ需要を確保し、相手国側からインバウンド(訪日)旅客を集めて、市場で競争優位に立つことを目的とした両社の戦略合戦!
利用者からすると、ANA、JALのコードシェア便に搭乗すればマイルの獲得や使用における混乱はない
コードシェアとならない以遠便(相手国からさらに別の国へ運航する便)や、相手エアラインの便(そのほうが運賃が安い場合が多い)の搭乗において、マイルの獲得、使用ルール、空港ラウンジの使用、手荷物許容量の緩和といったサービスレベルが異なったり、使えなかったりすることもあるため、エアラインごとに十分な事前確認が必要です
ANA、JALともマイレージ会員数は約3300万人と、多くの人がマイルを貯めています
なかには陸(おか)マイラーのように、ポイントサイトなどをフル活用して、飛行機に乗らずとも年に10万マイル以上を稼いで海外旅行をゲットするような人もいます
マイレージサービスは、単により多くの一般消費者を自社に引き寄せを目的としたものではなく、
パレートの法則(20%の高頻度・高価格旅客が80%の収益をもたらす)にもとづいて、1981(昭和56)年にアメリカン航空が始め、世界中に拡がり、日本でも、ANA、JALは上級クラスを使うビジネス族、高いサービスを自前で買える富裕層を自社に囲い込んで収益性を高めることを最大の目的として制度を整備しました
ダイヤモンド会員など最上級のステイタスの中身が群を抜いて質が高いのです
ここ10年間で日本における新規航空会社やLCCの登場とも関連しており、運賃の自由化が進むことで低運賃旅行の裾野が拡大、マイレージ会員数もここ15年間で3倍に増加するといった環境変化を踏まえ、ロングテール戦略を考えている(売れ筋でないものでも商品数を格段に増やすことで、“塵も積もれば”方式でトータルの売上が人気商品を凌駕するようになる一方、販売コストはネット販売インフラの拡大で急速に低下するため、営業的に不効率なニッチ商品を販売しても十分な利益を生むことが可能)
航空市場においても低運賃が浸透し、頻繁に飛行機に乗らない人も旅行の機会が増加、小頻度顧客が拡大し、マーケティングにおいて無視できない存在になってきています
航空ビジネスは販売できる座席数に限りがあるため、ロングテールを延々と伸ばすわけにはいかないが、
ネットビジネスモデル化を進めることで旅行代理店経由の航空券販売をやめ、手数料コストのかからない(少ない)ウェブ販売で、自社販売化に移行しています
一般ビジネスとのマイレージ提携の推進では顧客マーケティングに付随するビジネス提携業務を別会社(ANA X株式会社、株式会社JALマイレージバンク)に分離して、航空ビジネスの枠を超えて事業提携を拡大しています
柱は当然、FFPの原点である基幹優良旅客に対するロイヤルティマーケティング
と、マイル提携による実利と潜在顧客層の拡大が大きな事業戦略です
マイルを貯められる提携先が無数あり、
マイラーたちはANA、JALのサイトからネット販売サイトに入って商品を購入することで、エアラインのマイルと販売サイトのポイントを両方もらえるようにした
消費者がマイルを獲得したコストは、販売者がエアラインに支払うわけで、ポータルサイト(楽天市場やアマゾン)はサイト運営者がエアラインにコストを支払う(ANA、JALがマイレージ顧客を売り場に連れてきてくれ対価として販売側がエアラインに払うコストは、1マイルあたり3円から4円
標準的なマイル付与が、200円に対して1マイルだとすると、マイル購入のコストは商品価格の1.5%から2%
マイル販売コストは一律ではなく、いちばん売買価格が低いのがエアラインどうしのマイル交換で、1マイル1円を切る(相互付与分を相殺すれば片方の持ち出しが極端に大きくなることはなく、エアラインどうしで大きな金額のやり取りをする必要はない)
エアラインにとってのロングテールは、座席を購入する小頻度旅客ではなく、日常的にエアラインサイトから入ってネット販売サイトで買い物をする一般消費者です
提携相手・業態を広げれば広げるほど、マイルは消費者の日常における生活行動に入り込み、エアラインに新たな収益を生み出し、非航空ビジネスとなるのです
エアラインにとって付与されたマイルが最終的に消化、消費されることで、エアラインの費用増につながります
基本的にマイルの消化は自社便の空席利用となり、エアラインに特段の変動費が発生しないことからスタートしています
航空券以外の商品との交換にかかる仕入れ原価や提携会社サービス利用時のコストのみを各社の設定する比率で引き当てるのが通常の方法と見られていまが2021年4月には国際財務報告基準が定める収益認識基準が日本の全業界に対して強制適用されることになっていて、売上を商品売上と販売にかかる費用(マイルやポイントが将来もたらす売上減)に分離し、会計上純粋な商品売上しか計上できなくなります
10万円の航空券に、1万円相当のマイルを付与すれば、決算期内にマイルが消費されなければ9万円の売上しか計上できなくなる(利用者がマイルを使って無償航空券で搭乗した時点で、やっと残り1万円の売上が計上)
制度変更の端境期では財務指標の見方(比較分析)が複雑になり
売り上げた金額を全て収益計上するためには、マイルの消化を加速させることが必要になってくるのです
ANA全体でマイル特典による航空券の席が取りづらいなかで、ANAがとってきた減価償却の終わった航空機を余分に保有しておきオフピーク期に小型機を飛ばし、利用率を上げ、座席が取りにくい環境を保つことで運賃を高めに維持して収益性を高めるていた戦略の見直しが、余儀無くされることも?
利用者にとっては歓迎ですがね!
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