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2020年07月10日

彼の足音


これはちょうど今ごろの話です。
K子さんは彼氏と遠恋している大学生でした。
遠恋といえど二人は地元は同じで、長期休みには地元でいっしょに過ごすことができました。
大学4年生の時の夏休み、彼女は7月の下旬から休みでしたが、彼は8月からでした。
先に地元に帰った彼女は、毎日のように電話をして、
『早く会いたいよー』
と甘え、彼氏も
『休みになったらすぐに帰るよ』
と答えていました。しかし、8月を目前にひかえたある日。突然彼が、
『ごめん、帰るのちょっと遅くなりそうだよ』
と言ったのです。当然彼女は不機嫌になり理由を問いただしましたが、
研究やバイトが忙しくて、ということでした。彼女もしぶしぶですが納得し、
毎日電話をする日々が続きました。そして8月8日の夜突然彼の両親から電話があり、
彼が7月の終わりに亡くなっていた事を知らされました。部屋で趣味のギターを抱えたまま。
死因は心臓発作でした。夏休みに入っていたので、学校の友達も気づかず死臭に気づいた
隣人が通報したそうです。
『彼は私と電話していた・・・』
彼女は心労と恐怖で体をこわし、病院に入院してしまいました。
 8月14日の夜、いつもと病室の雰囲気が違うことに彼女は気づいていました。
空気が生ぬるく、動かないのです。不審に思っていたその時、急に空気が振動しました。
コツン、コツン、コツン・・。彼女にはそれが彼の足音だとすぐにわかりました。
不思議と恐怖は無く、静かに彼があらわれるのを待ちました。そして、
『ただいま、待たしてごめんね』
彼が生前とはまったく変わらぬ姿であらわれました。
『会いに来てくれて嬉しいけど、あなたは死んでいるの!ここに来てはいけないの!』
彼女は精一杯彼にうったえました。
『馬鹿だなあ・・・・・・・、お盆以外のいつ帰って来いっていうんだ?』
恐怖に凍りついた彼女に
『来年も、再来年も・・・会いにくるよ。君から僕に会いに来れるようになるまで。』がんばって作ってみましたが、どうでしょう?
posted by 都市伝説のまとめ at 18:00 | 怖い
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