アフィリエイト広告を利用しています

広告

posted by fanblog

2019年11月20日

因果


昔、久四郎、乙之助という兄弟がいた。

久四郎は漁師で、美しい妻がいたやがてこの久四郎には一人の娘が生まれたが、娘が小さいときに夫の久四郎がポックリ死んでしまった親類たちは協議の結果、久四郎の弟の乙之助が残された妻と娘を引き取ることを決定したやがてこの新夫婦に女の子が生まれたが、乙之助と妻はこの妹ばかりかわいがり、久四郎の娘は虐待するようになった。

村人は

「同じ腹から生まれた娘になんとむごいことを」

と噂し合ったしかし、そのうちこの妻は胸を患うようになった。

医者や薬の甲斐もなく、ただただ

「絞められる、絞められる、苦しや苦しや」

と七転八倒し、ついには死んでしまった悲しみに呉れた乙之助は、近所の川から黒い石を持ってきて、妻の戒名を彫って寺に葬ったしかし、妻が死んで翌年の盆に墓参りに行って、乙之助は仰天した兄の久四郎の墓から何本もの藤蔓が這い出し、妻の墓をギリギリと締め上げていたのである乙之助は兄の怨念に恐れおののき、とにもかくにもこの藤蔓を切ろうと、歯でこの蔓を噛み切ったその瞬間、この蔓から鮮血が噴き出し、ビチャ、と乙之助の顔にかかったのである乙之助は悲鳴を上げ、服の袖で顔の鮮血を拭うと、家に逃げ帰ったしかし、それでもまだ兄の怒りは治まらなかったらしく、その日から乙之助の顔の鮮血を浴びた部分が真っ赤に腫れ上がり、ギリギリと締め付けるような激痛を発し始めたこの腫れはやがてカサとなって肉を腐らせ、ついには妻と同じように胸まで締め付けられるようになった今までの行いを見ていた村人は誰も乙之助には同情してくれず、ついに乙之助は死んでしまった今でもこの寺には久四郎とその妻の墓が残っているが、いまだに妻の墓は藤蔓でぐるぐる巻きにされており、すっかりとくびれて今にも上が崩れ落ちそうになっている

posted by 都市伝説のまとめ at 18:00 | 怖い
検索
最新記事
カテゴリアーカイブ

×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。