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2015年03月12日

幸せのにんじん

「幸せのにんじんの手足や頭が取れていると当たった人もそうなる」、「噛まずに飲み込まないと死ぬ」、「丑の刻参りの藁人形に模して作られたもので当たると死ぬ」など。植物の根に特別な魔力があると信じられていることからか。

マンドレイク(Mandrake)、別名マンドラゴラ(Mandragora)は、ナス科マンドラゴラ属の植物。

古くから薬草として用いられたが、魔術や錬金術の原料として登場する。根茎が幾枝にも分かれ、個体によっては人型に似る。幻覚、幻聴を伴い時には死に至る神経毒が根に含まれる。

人のように動き引き抜くと悲鳴を上げて、まともに聞いた人間は発狂して死んでしまうという伝説がある。根茎の奇怪な形状と劇的な効能から、中世ヨーロッパを中心に、上記の伝説がつけ加えられ、魔法や錬金術を元にした作品中に、悲鳴を上げる植物としてしばしば登場する。それほど珍しい植物ではないが、値段を吊り上げるために、死んだ犬と共に取引されることもあった。

◆薬効植物としてのマンドレイク

マンドレイクは地中海地域から中国西部にかけてに自生する。コイナス属又はナス科マンドラゴラ属に属し、薬用としてはMandragora officinarum L.、M. autumnalis Spreng.、M. caulescens Clarkeの3種が知られている。ともに根に数種のアルカロイドを含む。麻薬効果を持ち、古くは鎮痛薬、鎮静剤、瀉下薬(下剤・便秘薬)として使用されたが、毒性が強く、幻覚、幻聴、嘔吐、瞳孔拡大を伴い、場合によっては死に至るため現在薬用にされることはほとんどない。伝説のマンドラゴラの叫びはこの幻聴を指すと思われる。

春咲き(M. officinarum)と秋咲き(M. autumnalis)があり、伝説では春咲きが雄、秋咲きが雌とみなされたらしい。恋なすびとも呼ばれる。

仏法典に出てくる「曼荼羅華」やチョウセンアサガオの別名「マンダラゲ」とは全く関係がない。また、アメリカやカナダでMandrakeといえばMay Appleことポドヒルムのことであり、これもまた全く別属別種の薬用植物である。
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