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2015年03月11日

西郷星

西南戦争の混乱の中、「火星の赤い光の中に西郷隆盛の姿が見えた」という噂が流れた。
明治10年 (1877年)頃、西南戦争による世の混乱の中、西郷隆盛の死を悼む人々の間で流布した噂である。

◆概要

この頃、火星の大接近があり、最接近時の9月3日には距離5630万km、光度-2.5等あまりにまで輝いていた。当時の庶民はこれが火星である事は知らず、「急に現われた異様に明るい星の赤い光の中に、陸軍大将の正装をした西郷隆盛の姿が見えた」という噂が流れ、西郷星と呼ばれて大騒ぎになった。

やがてこれに便乗し、西郷星を描いた錦絵が何種類も売り出されて人気を博したと、エドワード・モースの当時の日記にも記されている。

また、この時に火星の近くに位置していた土星も、桐野利秋に因んで桐野星(きりのぼし)と呼ばれた。

なお、「火星の運河」と呼ばれて多くの人々の興味を引いた線状の模様(後に、錯覚であり実在しないと判明)と、フォボスとダイモスの2衛星は、いずれも1877年の大接近の際に発見されたものである。
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