山の音楽家

長年会っていない

次男の兄貴から急に電話がありました。

電話に出て、しばし声が出せませんでした。

何と「息子が崖から転落して死んでしまった」

との電話。



その息子（甥）と、最後に会ったのは

15年ほど前・・・

やはり音楽が好きな彼でしたので、

使わなくなったキーボードをあげるため、

自宅に持って行きました。

彼は当時、趣味で作曲などもやっていて、

私が持っていったMIDI入力の出来る

キーボードと音源をとても喜んでくれました。

ただ、彼自身、

音楽の教育は全く受けていなかったので、

見せてもらった自作曲の楽譜は

何だかよく分からないものでした。

そしてそれから15年・・・

あまりにも急な死・・・

昨日はお葬式でしたので、

彼の住んでいた静岡県清水区に行ってきました。

もちろん両親である兄貴夫婦には、

何と言って声をかけてよいのか・・・・

1人息子で、しかもまだ37歳です・・・

あまりにも短い人生です・・・

彼は、数年前から先生について

ピアノを習い始めていたそうです。

おそらく、

音楽を本格的に勉強したかったのだと思います。

もちろん、彼は全くのピアノ初心者です。

それでも、彼の好きだった

Beethovenのピアノソナタ「悲愴」の第二楽章を

発表会の時には弾ききったそうです。

葬儀の時には、その曲が生演奏されました。

生前に彼が好きだった

ジプリの曲も何曲か演奏されました。

すべてが、悲しい曲に聴こえました。

葬儀が終り、斎場に行き、

1時間ほどで彼は小さな壷の中に

入ってしまいました。

本当にあっという間の出来事です。

人間の命なんて儚いですね・・・

とても悲しいです。

偶然にも、

今年のオケの定演ではBeethovenの

交響曲第五番を演奏します。

彼のもとに、

そのサウンドが届けばな・・・と思います。

彼のためにも一生懸命練習します。