山の音楽家

晴れて歯科技工士を仕事として人生を歩み始めました。


最初の仕事は歯型の模型作りと、外交。


給料は、一般のサラリーマンより、はるかに良かったです。


会社自体は、私を含めて4人しかいない有限会社でしたので、

超零細でしたが相当に稼いでいたと思います。


入社したてでしたので、

ほぼ、時間内に帰宅することが出来ました。


歯科技工士の仕事はキツイと聞いていましたが、

「こんな程度なら大したことはない」と思いました。


ただ、メインで働いていた先輩たちは、

いつも夜遅くまで働いていて、忙しい時には、

土日も出社していたようです。


私は初心者でしたので、土日もしっかり休めたし、

音楽をやる時間もありました。


Bandの練習は毎週できましたし、

トランペットの練習する時間も十分にありました。


この頃に彼女も出来ましたし・・・

人生としては最高の時期だったかもしれません。


そんなある日の事、ある人から電話がかかってきました。


大学の時に憧れていた、早稲田大学のBig Band出身で、

社会人Big BandでAlt Saxを吹いているという人からの電話です。


私にその Big Bandに参加して欲しいとのお誘いの電話。


名門、早稲田大学ハイソサエティ・オーケストラ出身の

人からのお誘いということで、すぐに入団することにしました。

良い事というのは続くものです。


しかし、人生というのは長い。


将来的には、人生、「奈落の底に落ちる」という事など、

この時期には夢にも思いませんでした。


ずっと、ずっと、後の事になりますが・・・




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