とくとくまる

ベクターPCショップにて、専門的な知識不要、難しい操作不要の間取り作成ソフト「一軒楽着８ for Windows」が50％オフの1,990円で特価販売されています。いわゆる2D CADソフトの類いですが、CADらしい難しさは一切なく、日常生活に沿った地図や、自宅平面図、鉄道模型などを素早く簡単に作成可能です。対応OSはWindows XP 以降で、Mac版はありません。フリーソフトでも同様の機能を持つものや、JW_Cadに代表される高機能CADもありますが、初心者がいきなり利用できそうな図面作成までたどり着けるかというと難しいのが現状です。CADソフトは、PCの知識だけではなく、機械・建築・電気などの特定分野の知識がどれだけあるかによって使い勝手が変わってきますので、初心者の場合はこの部分をふんだんに補ってくれるソフトでなければまともな作業が出来ません。本ソフトは作図機能を簡略化して、誰でも配線図からフローチャートまで描けるようなコンセプトで作られています。価格相応の機能と言えばそれまでですが、プロとして活躍する人でも、導入部分はこの手のお手軽ソフトを使う人が多いです。
まず、本ソフトが得意としている「間取り作成」ですが、主として四角い部屋がメインの住宅・集合住宅用です。実際四角形の部屋が世の中大半で、現実的に最も使い易い形状ですので多くの方は問題ないはずですが、たとえば、洒落た丸い部屋のレイアウトやドーム状のデザイン住宅の設計・コンセプト提案には本ソフトは向きません。平面図作成は実際に四角形を作図して、「ドアツール」を使ってドアを描いていくというプロセスだけで、主要部分の作図は完成してしまいます。あとは「ライブラリ」から家具などのオブジェクトを配置すれば、ほぼ誰が見ても意味がわかる図面に仕上がります。間取り図をイメージしやすいよう、図面のオブジェクト（床や家具など）に画像ファイルを貼り付けられる「テクスチャー」機能も搭載しているので、部屋の模様替えや住宅を注文する際に、設計者にイメージを伝えやすい図面を作成できます。テクスチャーは、画像(bmp・jpeg)の回転に対応していて、斜めのオブジェクトにテクスチャーをかける際の角度コントロールが出来ますので、配置した家具は斜めなのにテクスチャーは画面に平行などという図面にならなくてすみます。また、通常のテキストやベクターテキストにもテクスチャーを適用可能ですので、簡易チラシや図面のタイトル入れでも活用できます。
鉄道ファン用に、鉄道レイアウト用の模型作成支援機能も搭載しているので、パーツをシールに印刷して模型の厚紙に貼るまでの作成プロセスを助けてくれます。簡易図作成もわかりやすい地図が簡単に作成でき、実用的です。
個人的にこの手の簡易CADが活躍する場面は、おおよその寸法とレイアウトがわかれば、あとはその場で対応できる部屋やオフィスレイアウトの模様替えの時です。何も考えずに模様替えなんぞ始めた暁には、やらなきゃ良かったというほど部屋が散らかりモノの収納に困ることがありますが、簡易図面１枚作成するだけでこのリスクをほぼゼロにすることに成功しています。日曜大工用の簡易な棚作りであっても同様で、あらかじめ図面を作成しておくだけで材料の買い間違いのみならず一番重要なサイズ選びミスを避けられています。あとは、PC系のネットワーク配線図なども本ソフトで可能です。欠点もないわけではなくて、図面そのものは簡単に作成できる一方、仕上がり具合はどことなく素人っぽいというか、町内会のチラシに使える程度ぐらいまでしか出来ません。値段を考えれば当然ですが、それ以上の仕上がりを望む場合は、イラストレーターやもう少し高級なCADで作成する必要があります。その際も、本ソフトはDXFの入出力に対応しているので、途中からイラストレーターや他のCADへデータを移すことが可能です。一方、出力ではPDFに対応し、PNG・WMF・TIFF形式の読み書きも出来ますので、プロが手始めにこのソフトでイメージを膨らませて、他のソフトで完成させるという使い方は現実的な手法だと思います。手書きの図面が苦手な方や、部屋のレイアウトミスや日曜大工でサイズ違いの家具を作ってしまった（買ってしまった）経験のある方にはオススメのソフトです。