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1998年、バイクで日本一周した時の日記を晒す@〜 旅立ち編 〜
◆5/14(木)
不安だった夜も明けて外が明るくなると爽やかな気分で目が覚める。これがキャンプで唯一良かったと思える瞬間である。管理人のおじさんはバイク好きらしく、しばらく話をし10時頃に佐伯港へ向け出発(なかなかよいキャンプ場だった)相変わらず雨が降ったり止んだりのはっきりしない天気だ。
気分もすっきりしないまま12時発の宿毛行のフェリーに乗った。宿毛に着いて、辞めた会社の社長から頼まれていた釣り具を指定された店で買って足摺岬方面へ向かう。時間にも余裕があったので竜串に寄る。ここは九州でいえば宮崎の洗濯岩みたいな海岸でなかなか見応えがあった。
今日のキャンプ場は昨日とは正反対の山奥でボロボロの場所だ。人なんか来そうにもなくラッキーだ。そしてまた不安な夜、遠くでローリング族の音がするが多分岬のスカイラインの方だろう。別に気にすることもなく眠った。
◆5/15(金)
今日はくもりだが雨が降る様子もない。6時に起きうっとうしい髭を剃る。8時に足摺岬へ向け出発し30分程で岬へ着く。駐車場に和歌山ナンバーのライダーがいたが話しかけることもなく遊歩道へ入る。なかなか見応えがあり1時間ほど見学。
その後は今晩泊まる予定のキャンプ場へ行くだけだが、時間もあるので桂浜へ寄ることにする。黒潮ラインを走ったがここは両側に海が見え眺めが良い。その後、以前泊まった高知のキャンプ場へ行こうと思ったがまだ時間もあるので香北町のキャンプ場を目指す。
17:30頃、キャンプ場を見つけ管理人室へ行くが「外出中です」と札が掛けてあり不在。とりあえずメシでも食おうかとウロウロしていると小料理屋を見つけ生中2杯、天ぷら、豚のしょうが焼き、茶漬けを食う。酒でも飲まないとやってられない気分だ!
再びキャンプ場に戻ったが管理人はいない。明日は朝から100%雨の予報だしテントを張るのも面倒なのでバンガローの屋根の下で寝ることにする。
旅に出て3日になる。今の心境を書こう。私と同じようにソロで旅をしている奴にまず聞いてみたいことがある。それは「本当に旅を楽しんでいるか?」「一人で旅をして楽しいか?」と。。。今の自分は旅を楽しんでいない、いや楽しめないのか?
以前のような、わくわくした気持ちや感動がまるでないのである。感動よりも不安の方が勝っているような心境である。ここなら迷惑な奴らも来ないだろうと思っていてこの日記を書いている間にも、どこからか車でやって来て大音量で音楽をガンガン鳴らし花火をしている迷惑野郎が騒いでいる。
一人旅には他人の雑音も気にせず動じない心が必要。まず私にはそれが欠けている。ある程度テント泊に慣れているせいか、ここは危険な場所ではないか?と気を揉んでしまい不安も大きいものになる。このままでは未知の地「北海道」に行ったとしても感動すら覚えないのではと思えてくる。
そして「こんな旅やめてしまおうか」とも思えてくる。はっきり言って俺は一人旅なんて好きじゃないのだ!人と同じように会社で毎日働き家に帰る、その繰り返しが一番安心する。正直言ってそうだ!しかしもう一人の自分が「こんな人と同じ生き方をしていてはつまらない。もっと自由になれ!」と働きかける。
そして日本一周という旅に出ようと決意したのである。そう、この旅は今までのつまらない自分を変えるための修行なのだ!その第一歩なのだ!最初で最後の日本一周バイク旅だろうから苦しくてもやらなくてはならない。
★当時を振り返る
鹿児島のアパートを出て四国に入ったわけだが、会社を辞めてまで旅に出た意味を馬鹿なりに考えていたようだ。会社員時代に安定した給料を貰いながらツーリングするのと全てを捨てて旅に出るのでは重みが違う。不安になるのは当たり前、この時引き返して旅を止めていればもっとマシな人生を歩んでいたかもしれんな。
タグ:バイクで日本一周