近年 軽油などの燃料費の高騰で経費の負担が大きくなり運送業界の経営を
悩ませている状況が続いています
運送業では燃料費などの固定費は全経費の中で人件費の次に割合が高い経費ですが
価格上昇し続ける燃料費にたいして運賃は変わらずといった状態なので運送会社の
経営を圧迫しています (≧◇≦)
【運賃】
運賃とは交通機関との運送契約に基づき 旅客や貨物の対価として交通機関に支払う
金銭です
トラックの運賃は運送にかかる費用と運送業務以外にかかる費用を合わせた金額です
物価が上昇しても昔からの基本的な運送単価は今現在でもあまり変わっていません
なのでその結果 経営難に陥り 倒産に追い込まれる運送会社もあるわけです
運送業は利益率が低く収益性の高い仕事ではないので燃料費の高騰による経費の圧迫は
重要な問題です( 一一)
特に大型トラックで長距離輸送をしている運送会社では燃料費が経費に占める
割合が大きいので 少しでも燃料費を削減したいと考えていますが
これといった打開策もなく中々うまくいっていないのが現状といえます
とはいえこのまま何もしないというわけにはいかないですよね!
イーブックジャパン
そこで エコドライブを実践して燃料費を削減しようと考えている運送会社も
多いのではないでしょうか
しかし実際には エコドライブをすると燃料費の削減に繋がると分かっていても
取り組んでいる 結果を出しているという 会社は少ないように思えます
エコドライブの仕組みは理解出来ても今まで取り組んだ経緯がない事から
効果が出ない様に感じ実際には 運用できず 結果に繋がっていない
こともある様です (>_<)
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実際 筆者も始めたばかりの頃は本当に効果があるのか? という風に思っていたので
エコドライブをしたり しなかったりと あまり取り組みが出来ていなかったので 効果が
実感出来るようになるまで3ヶ月程掛かりました
それまでの運転の癖が中々抜けないのと半信半疑での取り組みだったからです
しかし エコドライブをする事で燃料費の削減に繋がる事が実感出来てからは
考え方が変わり真剣にエコドライブに取り組む様になりました
エコドライブする事で 見て取れるくらい明らに燃費が向上して
燃料費の削減につながったからです
そして現在は長距離大型トラックで様々な仕事をして運行をしていますが
一般的な長距離大型トラックの燃費と比べると大きく燃料費を削減出来ていると思っています
そんな筆者が実践している エコドライブの手順は簡単!!
特別な装置や技術 時間 労力は一切必要ありません
免許を持っていて普通にその車を運転する事が出来れば誰でもエコドライブをする事が出来ます
今回は筆者が20年以上にわたり続けているエコドライブについて紹介したいと思います (-ω-)/
イククルはコチラ!(18禁)
目次
エコドライブとは?
トラックの燃費はどのくらい
エコドライブをすると どのくらい燃料費を削減できるのか?
筆者が運転しているトラックの燃費
筆者が行っている エコドライブの方法
エコドライブをすると 安全運転に繋がる
燃料高騰による運送業への影響
最後に
エコドライブとは?
エコドライブとは低燃費で安全を考えた運転で
急発進や急加速をしないアイドリングストップの励行など環境に配慮した運転方法の事です
CO2(二酸化炭素)や排気ガスを抑制する環境改善効果がありまた燃料費の節約効果もあります
さらにエコドライブは緩やかな運転につながり事故防止の効果も期待出来ることから一石三鳥の
取り組みといえます
心にゆとりをもって走ること 時間にゆとりをもって走ること これもまた大切な
エコドライブの心がけです エコドライブは誰にでも今すぐに始めることができる運転です
エコドライブを習慣にすることで 運転がよくなって安全で安心して業務を行う事が出来ます
トラックの燃費はどのくらい
全日本トラック協会によると現在運行されている大型トラックの平均的な燃費は
リッターあたりおよそ3〜3.5kmということです
大型トラックの燃料タンクの容量がだいたい300リッターなので 一回の満タンで
およそ900km〜1050qは走るという計算になります
これは空荷状態での数値であるため荷物を満載したり重量物を積んだりするとこの
数値より燃費は悪化します
トラックの燃費は走行距離や積み荷の重量 休息時のアイドリング等によって同じ車種
年式でも変わってきます
トラックの種類 燃費の目安(km/L)
小型トラック 4.5〜6.5q/L
中型トラック 4〜5q/L
大型トラック 3〜3.5q/L
大型トラックの場合 地場・長距離もあわせた平均の数字になります
地場で使用する場合 2.0q/L 長距離だと 4.0q/L近くなる場合もあります
【地場】
主に一日で運行が完了出来る 近い距離での配送などの業務
地場で使用した場合 走行距離が短い為燃費は低めで 長距離だと走行距離が
長いので燃費は上りやすくなりますが 休息中などに長時間アイドリングをする為
燃費が低下することもあります
メーカーごとのカタログの平均燃費
【メーカー】 【シリーズ】 【平均燃費】
いすゞ自動車 ギガ 4.06km/L
三菱ふそう スーパーグレート 4.05km/L
UDトラック クオン 4.05km/L
日野自動車 プロティア 4.03km/L
カタログに記載されている燃費と実燃費の差
トラックのカタログ燃費と実燃費には違いがあります
(乗用車でも同じ事がいえます)
カタログ燃費とは各メーカーが発行しているカタログに記載されている平均燃費です
新車の発売前に走行テストを重ねて打ち出された数値ですが カタログ燃費に届かない
ことも多々あります
その理由としては渋滞時や道路の路面状況 積載物の荷重の取り扱いなどが燃費に影響
しますがこれらは カタログ値には考慮されていません
※アイドリングもふくまれていません
トラックの燃費は荷物の重量によってもかなり変わってきます
空車(荷物を乗せていない状態)の時と荷物を積んでいる時は燃費は違います
荷物が重いと速度も出ないし 坂道でもシフトダウンをして走るので たくさんの
燃料を使います
更にトラックは止まっていてもエンジンを掛けているだけで1時間あたり約1.5ℓの軽油
を消費します
(休息する時などはアイドリングをする事が多くあります)
10時間かけっぱなしだとそれだけで15リットルの燃料を使うわけですのでメーカーの
4q/Lという数字は一概に言いにくいです
平均燃費はカタログに記載されているデータであり実際に使用するとカタログに記載
されている燃費より悪いなんてことも珍しくはありません
トラックにかぎったことではなく乗用車でも同じ事が起こります
自家用車を購入する為ディラーに行って車を購入して実際に走行してみると
カタログには12q/Lと記載されていても8.0q/Lまたは7.0 q/Lなんてこともあります
エコドライブをすると どのくらい燃料費を削減できるのか?
エコドライブは1割から2割の燃費向上と事故発生率を51パーセント減少させる
効果が実証されています
その為エコドライブをして燃費を10%向上させると大きく経費を
削減し 会社の利益に貢献する事ができます
しかし何も考えずに乗っていれば徐々に燃費が悪くなり収益を減少させることになります
大型トラックの燃料費を燃費を3.0q/ℓ 年間走行距離を10万q 軽油の価格を120円/ℓ
としてエコドライブによる燃料改善率10%(3.3q/L)で試算すると
400万円(3.3q/ℓ)ー363万円(3.0q/ℓ)=37万円
年間で燃料費を約37万円ほど節約できます
車両台数が100台の運送会社では年間3700万円程度の経費削減になります
その利益を従業員に還元する事が出来れば従業員の会社に対する思い入れ
も強くなり 今まで以上にやる気を出して業務に取り組んだり 離職者による
戦力ダウンを 防ぐ事が出来るようになります
筆者が運転しているトラックの燃費
現在筆者の勤める運送会社の大型トラックの平均燃費は2.7q/L(2022年度)
燃費向上を目指して燃費を 3.0q/Lにする事を目標にしている
大型車両 約3000台所有していて長距離幹線輸送を主体とした業務を行っている会社です
筆者が乗務しているトラック
名称 日野 PROFIA
型式 2PG-FW1AHG
年式 初年度登録年月 平成31年4月
車両重量 11380s
最大積載量 13500s
車両総重量 24990s
総排気量または定格出力 8.86L KW
前任者から車両を引き継ぎ 平成32年7月から乗務している
前任者の退職にともない現在のトラックに乗り換えした
筆者が現在運行業務で使用している大型長距離トラックの平均燃費は3.8q/L
(実燃費 走行距離と給油量で算出) 4.1q/L(車載燃費計)
筆者が乗務するトラックの前任者の約1年間の平均燃費3.4q/L(車載燃費計を参照)
筆者がエコドライブをする事でどのくらい燃費が向上し経費を削減出来たのか
前任者の燃費と比較してみます
トラックに装備されている燃費計を参考に前任者との燃料費を試算
(実燃費のデータは会社が管理していて分からないので車載燃費計を使用します)
年間走行距離
11,000q(1ヶ月)×12ヶ月=132,000q
1年間の走行距離でそれぞれの燃費での使用する軽油量を計算すると
132,000÷4.1=32,195ℓ
132,000÷3.4=38,823ℓ
なんとその差は 6,628リットル
6,628×120円(軽油単価)=795,360円
エコドライブをすると1年間で¥795,360円の燃料費の削減になります
会社にメーカー・型式・運行内容・走行距離が同じようなトラックが他に何台か
あるので調べてみると調査した車両の燃費は 平均3.4q/L(車載燃費計)でした
なのでエコドライブをした結果 燃費が向上して経費削減につながっていると言えます
筆者が行っている エコドライブの方法
■自分の燃費を把握する
自分の車の燃費を把握しましょう
車の燃費を把握すると自分のエコドライブの効果が実感できます
燃費を算出する方法は走行距離を燃料の給油量で割るだけで簡単に計算出来ます
給油する毎か 月末などにまとめて計算してもいいでしょう
・燃費の計算方法
【走行距離÷給油量=燃費 】
また車に装備されている燃費計・エコドライブナビゲーションなどのエコドライブ
支援機能を使うと日々の把握 がしやすくなります
■ふんわりアクセルで発進&加速
発進する時や加速する時はは緩やかにアクセルを踏みましょう
発進して5秒で時速20キロメートルに達するぐらいを目安にするだけで燃費
が10%ほど改善します
車は発進や加速する時に多く燃料を消費するので出来るだけアクセルを緩やかに
踏む事が燃費向上のコツです
ある程度のスピードが出れば 後はアクセルを緩やかに踏むだけでも十分に加速して走行
する事が出来ます
タコメーターが付いている車ならグリーンゾーン内の回転数で運転するようにしましょう
緩やかな発進を心掛けるだけで周りの状況をしっかりと確認する余裕が生まれ
安全運転にも繋がります
■高段速ギアを使用して走行する
早めにギアをシフトアップしてエンジン回転数を低く抑えて走行する様にしましょう
グリーンゾーン内での走行を心掛け高段速ギアを使いエンジン回転数を下げて走行する
事で燃料の消費を抑えます
走行時に使用するギアを一つ変えるだけでも燃費は変わってきます
■車間距離にゆとりをもって 加速・減速の少ない運転
走行中は出来るだけ車間距離を取って 一定の速度で走行することを心がけましょう
車間距離が短くなるとムダな加速・減速を繰り返す事で燃費が悪くなり
市街地では2%程度、郊外では6%程度も燃費が悪化します
特に高速道路を走行する時は十分に車間距離を取りましょう
燃料費 削減だけでなく追突などの事故防止にも繋がります
■減速時は早めにアクセルを離してエンジンブレーキを活用
信号が変わるなど停止することがわかったら早めにアクセルから足を離しましょう
そうするとエンジンブレーキが作動し2%程度燃費が改善します
また減速するときや坂道を下るときにもエンジンブレーキを活用しましょう
トラックなどのディーゼルエンジン車はエンジンブレーキを使用している時は
燃料を一切噴射していないので この特性を生かす運転をしましょう
・エンジンブレーキ
エンジンブレーキとはエンジンの回転を利用した減速方法の事です
車はアクセルペダルを踏む事で加速しますがペダルから足を離すとエンジン
の回転が落ち制動力によって徐々に減速していきます
この減速力がエンジンブレーキです
エンジンブレーキを利用する時は 無理なシフトチェンジによるエンジンブレーキをしない
無理にギアを下げると多少のショックと共にギイ〜と大きなエンジン音が鳴ります
この状態はエンジンに大きな負担が掛かっている状態なんで絶対に
行わないようにしましょう
■エアコンの使用は適切に
車のエアコン(A/C)は車内を冷却・除湿する機能です
暖房のみ必要なときはエアコンスイッチをOFF にしましょう
たとえば車内の温度設定が外気と同じ25℃であってもエアコンスイッチを
ON にしたままだと12%程度燃費が悪化します
また冷房が必要なときでも車内を冷やしすぎないようにしましょう
車外との温度差が激しいと腰痛の原因にもなります
■不要なアイドリングはしない
アイドリングは必要に応じてするようにしましょう
荷物の積み下ろしなどによる駐停車の際はアイドリングを控えます
待機中や休憩中に暑さや寒さ対策として行う場合もありますが 食事や入浴などで車外に
出る時はエンジンを停止させたり 過ごしやすい季節にはエアコンの使用を控えましょう
大型トラックが8時間車中泊でエアコンを使用しアイドリングを続けた場合は20ℓ程の
燃料を使用します
1ヶ月(25日間で計算)では合計500時間のアイドリングをする事になり軽油単価
が120円だとすると ¥60,000円分の燃料が失われる計算になります
■渋滞を避け余裕をもって出発しよう
出かける前に渋滞・交通規制などの道路交通情報や地図・カーナビなどを活用して
行き先やルートをあらかじめ確認しましょう
渋滞をする時間帯や渋滞をしている道路を走行しないようにする事で燃費を向上させる事ができます
渋滞に巻き込まれる事で燃費が悪くなるだけでなく 運転手の体力と労働時間が削られるので
出来るだけ渋滞は避けるようにしましょう
また交通量の少ない道路を選択する事でも燃費は改善されます
エコドライブをすると 安全運転に繋がる
エコドライブは緩やかな運転につながる事から 追突などの事故防止効果も期待できます
燃費の良い運転は急発進 急加速をせず スピードを抑える為安全運転に繋がるからです
事故を未然に防ぐ事ができれば事故そのものだけでなく処理にかかる損失や
費用の削減にもつながります
以前 筆者が勤めていた運送会社では4トントラックを100台ほど保有していて
小売店や量販店へ商品を配送する業務を行っていました
1日に20件〜30件ほど決まった場所へ配送を行うわけですが 当時は車両事故が多く
事故の処理に 時間や費用も多く掛かっている状況でした
そこで会社はエコドライブが安全運転につながるという事から
燃費向上を目標に かかげエコドライブを実施した所 年間15〜17件ほど起こって
いた車両事故が取り組み後数年ほどで2〜4件に減少しました
エコドライブだけでなく同時に安全教育にも力を入れていたのでその相乗効果
のお陰で事故が減少したと思われます
エコドライブは燃費向上だけでなく 緩やかな運転につながることから事故防止効果も期待出来る
といえます
燃料高騰による運送業への影響
燃料費が高騰する事は運送事業者の経費増大へ直結します
つまりは売上利益の減少 経営状況の悪化につながります
しかし燃料価格が高騰し続けているのに対し多くの運送業者が燃料価格上昇分を運賃に上乗
出来ていないのが現状です
燃料価格を運賃に上乗せ出来ない理由としてこれらが考えられます
・競合他社に仕事をとられる
・荷主側も価格高騰により経営が圧迫されている
・そもそも荷主との直接交渉がきびしい
・なかでもやはり競合他社に仕事を取られるという理由が大きいようで荷主に運賃交渉をなかなか
きりだせず疲弊している運送業者が数多くいます
自社の企業努力だけでは今後の経営がどうなるか分からないと 頭を抱えている企業経営者は多い
のではないでしょうか
最後に
近年の燃料費高騰による経費の増加で筆者の勤めている運送会社でも
会社の方針としてエコドライブに取り組もうとする動きがあります
今まで経験のなかった事なので上手く取り組んで行けるか分かりませんが
継続して取り組み 結果を出して経費削減に繋がればと思います
20年以上エコドライブを続けている筆者も これからも継続して活動し 少しでも
経費削減出来るように努めたいと思います
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