2007年12月28日
翻訳屋らしく盆暮れ正月時差縦横左右関係なし - 前の仕事のときのセミナーのお話
要するに「テクニカルライター」、つまりある大手音響メーカーの下請けの、説明書の制作会社に勤務していたときのことです。
当然のことながら、説明書を書くにあたっては、製品ごとにその詳細をメーカーの技術屋さんから説明を受けたり、半製品を借りておかなければなりませんが、それとは別途、それまでになかった商品が出たときには展示会に招かれたり、メーカーの参事クラスのひとが講師になって、いわば「音響学」の初歩的なセミナーに同業の各下請け会社の社員とともに参加したことがあります。
・・・で、そのセミナーの話
人間の耳で聞き取れる周波数・・・つまり音の高低のことですが、その説明の際、講師のひとが発信器を使って、
「じゃ、まず低い周波数から・・・この音は聴こえないでしょ・・・じゃ、(周波数を) 上げていきますからね・・・」
きぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・
「・・・というわけでナンチャラカンチャラ・・・」
と、説明をまた再開したのですが、我々各下請け社員一同の耳にはまだ
きぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・
という音が響いていました。要はその発信器のスイッチを講師のひとは切り忘れていたのです。こちらとしては、その
きぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・
が耳障りで説明を聞いているどころではありませんでしたが、そこで図らずも、「人間は齢を取ると可聴周波数が狭くなってくるんだな」ということがわたしも含めて空気でわかってしまいました。
ただ、ということは、「スイッチ切り忘れてますよ」と言うのは、「齢ですねぇ」と言うのと同じことで、お客さんである大会社の参事クラスのひとに、それを言い出す勇気のある下請け会社の社員は誰もいません。
その拷問約5分。小学生がいたずらでよくやる「黒板引っかき」ならば、やる方もやせ我慢して嫌がらせしているわけですから一瞬で済みますし、しつこければ体育館の裏でボコる (←ヲイ) こともできますが・・・
しかし、何かの拍子に発信器の方を振り返った参事講師様、やっと気がついてくれました。
「ああ、スイッチ切り忘れてましたねぇ。齢を取ると・・・」
はい、百万の言葉を費やしていただくよりも、年齢と可聴周波数の関係はよくわかりました・・・ってばさっ★
・・・
そのことを誰も言い出せなかったのは、各社みんな見ず知らずだったということもありますが、休み時間を何回かはさむうち、同業者同士、なごやかに (さしさわりのない程度に) 情報交換などでなごんできました。
セミナーの最後は当時の最新機種だったハンディビデオを持たされて、「各自ストーリー性のあるミニ映像を外に行って撮ってきてください」ということで、各自撮影してきた映像を見て参会。ある意味、「大人の社会科学習」みたいな感じでなかなか面白いセミナーでした。
・・・
ところで、それに多少関係あると思うのですが、「大人の社会科見学」なるものものほか講演会やビジネスセミナーを行っている「清和会」という会員制組織があります。
最新の経済・経営・政治など、各種情報を昭和13年より約70年にわたり、ビジネスリーダーに提供していますが、遠隔地でそれらの集会に参加できないひとたちのためにウェブでも講演会を原則として月に2回ほど放映しています。
前述の「大人の社会科見学」は始まって間もないようですが、講演会やビジネスセミナーのほかにも情報誌などもあります。
もしご興味があるようでしたらサイトをご覧になってはいかがでしょうか。