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2020年04月24日

通常授業とオンライン授業 学校休校による教育改革

こんばんは。今日は学校休校に伴うオンライン授業のメリット・デメリットについてです。




現在、私も生徒向けにオンライン授業を実施しており、実際に2ヶ月近く取り組んでみた感想をまとめました。



  • アプリとネット環境さえあればいつでもどこでも授業に参加できる
  • 教員側は授業中に生徒の顔が見えない不安さがある
  • どのような環境でも学びを止めることなく少しずつでも継続した学びが可能になる
  • 社会性を育むことは難しいかも
  • いつもとは違う授業スタイルが展開できる
  • 授業中のコミュニケーションを取るためには教員側の工夫が必要




大体このような感じですね。では具体的にひとつずつの項目について簡単に説明していきます。


アプリとネット環境さえあればいつでもどこでも授業に参加できる



これがオンライン授業の最大のメリットでしょう。

私はZOOMというビデオ通話が出来るアプリ、ロイロノートという授業の資料の共有や提出物の管理が出来るアプリ、MetaMoji Noteというノートアプリを使用しています(他にも学校の黒板やホワイトボードも使用します)。




基本的にはZOOMで授業をします。黒板などを使い、通常授業のように授業をする場合もありますし、ZOOMでは自分の画面を共有して相手に見せることも出来るのでノートアプリで問題の解説などをして、それを投影し授業をすることもあります。

その辺は対象生徒の学力やモチベーションなどで何が1番効果的かを考えて実施します。



ちなみに、事前に授業動画を撮影し、その動画と授業で使うプリントなどを配信して予習をさせてから実際の授業を行う「反転学習」も取り組んでいます。


とりあえず授業をやることに関しては、最悪ZOOMさえ使用できる環境であればいつも通り「トーク&チョーク」の授業ができます。



問題点としては、生徒の自宅にWi-fi環境が整っていないといけないという点とアプリを使用するためのスマホやタブレットが必要なところです。幸い、私の勤務する学校は生徒全員がiPadを持っているのでオンライン授業はやりやすいです。



教員側は授業中に生徒の顔が見えない不安さがある



いつもの授業であれば顔を見て授業をするため、「わかっているな」「集中しているな」「ちょっと疲れているな」など細かな変化に気付きやすいですが、生徒がZOOMで顔を映してくれない場合は一方的な授業になるため、最初はかなり不安になります。


先生方で特に心配なのが「しっかり理解できているか」、という点ですよね。


私は基本的に授業中は生徒側の音声は切らせており(ミュート状態)、向こうからの声は聞こえないようにしています。
質問がある場合のみ音声をオン(ミュート解除)にして発言させたり、チャット機能があるのでチャットで質問を送るように伝えています。


これからオンライン授業を行おうと考えている先生方で注意が必要なのは、強制的に顔を映させることはやめたほうが良いということです。

もちろん顔を出しても良い生徒は出してくれますよ。でも自分の家を友達に見られたくなかったり、顔を出すのが恥ずかしい生徒を無理矢理、画面に映させてしまうと、授業に集中出来なくなったり授業に参加したくなくなってしまいます。
多岐に渡る子供たちの家庭環境を考えるとそこは強制せず、気軽に授業に参加できる環境づくりが大切です。



なお、理解度のチェックということに関しては、1週間おきにアンケートを取っています
「授業は理解できているか」、「進む早さは大丈夫か」、「授業中に困ることはないか」、など生徒の本音を聞きます。
もちろん生徒がどのようなことを書いてきても怒ることも腹立つこともないです。
このような状況になってしまってお互い不慣れな中で授業をしているので、少しでも歩み寄ってより良い授業を作ることが最優先事項だからです。

あとは1週間に1回小テストを実施して理解度チェックを行っています。





どのような環境でも学びを止めることなく少しずつでも継続した学びが可能になる



勉学は学び続けることが大切です。やはりこの休校期間の取り組みの差は大きなものになると思います。

先ほども書いたように、突然のオンライン授業なので不慣れで上手くいかないこともあります
黒板の端がカメラに映ってなかったり、生徒が上手くログインできなかったり色んなことが起こるんです。

オンライン授業をスタートした当初は、通常授業の半分くらいの成果しか挙げられませんでした

でも普段の50%の成果でも「学んだ」か「学んでない」かは大きな差なんですよね。



しかも私のように試行錯誤して2ヶ月くらいオンライン授業を行っていくと、通常授業と同等それ以上の教育成果を挙げられている感じがします。生徒は、他の生徒の目を気にすることなくチャットで気軽に質問してくれますし、生徒に質問を投げかけたときに音声での返答を求めると、普段の授業より色んな子が返答してくれます。

生徒曰く、一人の空間で集中して取り組んでいるので、感覚的には個別指導でマンツーマンしてもらっているような感じらしいです。


ちなみに、私は慣れてきたら独り言のような雑談も入れるんですが、後日聞くと意外と面白く聞いててくれてるんですよね。

その辺も慣れてくるうちに出来るようになってきましたね。



社会性を育むことは難しいかも


ここで学校の役割を考えると、学校は学力を伸ばすだけの場ではありません

様々な人と集団での生活をしていく中で、社会性や協調性を身に付けることも学校に意義です。




しかし、人と顔を合わせなくなる、授業中もチャットで他者を気にせず質問ができる、我慢する必要性が減るなどの点から人間性を成長を促していくのはとても難しくなります。

もちろん、ビデオ通話で顔を合わせてコミュニケーションを取ることもできますが、目の前に実際の人がいるのといないのとでは、緊張感も変わりますし、視野も狭くなっていきます。


これはこの時勢なので仕方のない部分もありますが、教員としては卒業後や社会が通常通りになったときに「人として」気配りや目配りが出来るかが心配です。



いつもとは違う授業スタイルが展開できる



いつもならチョークと黒板で自分が話すだけの授業をする先生も家に黒板やホワイトボードがなければ同じことはできません。そこで新しい発想が必要になります。

日本人は失敗しないようにする人が多いため、オンライン授業も後ろ向きの先生が多いです。
しかし、「初めてのことなので失敗して当たり前」、という気持ちでどんどんチャレンジしてください。そして、子供たちにより良い教育の提供が出来るよう、皆さんで協力して様々な方法を模索していきましょう。


私も、今回のようなことになり、様々なアプリを導入しました。すべてが成功ではなく1度きりで使用を終えたアプリもあります。けどその積み重ねが良い授業だと考えていますし、今の時代に必要なことはそこです。


先生方、いくらでもやれることはありますよ!!是非、オリジナリティ溢れる授業を展開してください。




授業中のコミュニケーションを取るためには教員側の工夫が必要



慣れない環境での授業は生徒も同じです。上手くできないことや失敗してしまうこともあるでしょう。
でも、そこを責めてしまえば子供たちのやる気は減退する一方です。
一番大変で不安なのは子供たちです。子供たちが顔も見えない状況でも心を開いてくれるように、気長に指導していくしかないんですよね。




以上がオンライン授業のまとめです。


ちなみに私は、クラスの生徒と1対1の面談をしていますが、ほぼ全員1対1だと顔を出して本音で話してくれます
進路の話などもなぜか学校で面談するより本音が出てきます。
家だとリラックスできるからでしょうか。おそらく家の人と話をする時間もしっかり取れているのだと思います。

ピンチはチャンス。この期間を逃すと先生方も生徒の皆さんももったいないです。


時間を大切にし、有意義な在宅生活を送りましょう。


それでは今日はこれにて終わりです。


ではでは〜








posted by 先生!? at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育
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