ちょっとだけMリーグ#209: 元メンバーの麻雀講座と独り言（Riichi Mahjong Course）

2023年09月02日

ちょっとだけMリーグ#209

今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。

今日の主役は堀　慎吾プロです。

まずは動画からご覧ください。

https://youtu.be/gAd712k222M?si=lZXetPxf5WH9m6y-

※最初に堀さんのインタビューがあるので、ネタバレが嫌な方は動画１：０５～ご覧ください。

２０２２年１０月７日　第２試合

南１局　１本場

東家　　多井　隆晴　　３０４００

南家　　　堀　慎吾　　３２０００

西家　　小林　剛　　　１５７００

北家　　東城　りお　　２１９００

（敬称略）

トップ目・堀さんと二着目・多井さんは微差でトップ争い中。

三着目・東城さんは満貫ツモなどでほぼ並びになり、ラス目・小林さんでも跳満ツモでかなり接近します。

最初に親・多井さんの手は

ドラ

多井手牌

第一ツモで４トイツ、チートイツ２シャンテン。

ソウズ

からイーぺーコーやソウズ８枚＋字牌２種あるのでソウズホンイツなどもあるかもしれません。

メンツ手かトイツ手か迷いそうな手ですが今後のツモに合わせて狙いを変えていきます。

ツモ

打

次に南家・堀さんの手は

ドラ

堀手牌

赤なしドラなしメンツ手３シャンテン。

ただし

と

２ターツで

受け入れがかぶっているのでホンイツや一気通貫などの理由が無い限りはどちらかのターツを切った方が良さそうです。

ここから

を切ればタンヤオになります。

ツモ

打

偶然にも多井さんと堀さんの第一ツモと打牌選択が一致しています。

続いて西家・小林さんの手は

ドラ

小林手牌

ドラ１のメンツ手４シャンテン。

メンゼンならピンフかタンヤオ、役牌

を重ねてポンもあります。

ツモ

打

最後に北家・東城さんの手は

ドラ

東城手牌

赤２のメンツ手２シャンテン。

リーチ・ツモ・赤２なら満貫あるので攻めを考えたい。

ほんの少しだけ３４５三色変化があるので（

どちらかか

を引けば）、変化によっては跳満～の可能性も含まれています。（リーチ・タンヤオ・三色同順・赤２など）

ツモ

打

次巡、多井さんは

ドラ

多井手牌

２巡目で早くもチートイツ

受け入れ１シャンテン。

同巡、堀さんは

ドラ

堀手牌

、

の５ブロックが揃っているので一番弱い

ターツ落としのようです。

また同巡、小林さんは

ドラ

小林手牌

１メンツ完成の３シャンテン。

次巡、多井さんは

ドラ

多井手牌

メンツ手を見切りチートイツに決める打

。

同巡、小林さんは

ドラ

小林手牌

マンズリャンカン形に変化。

また同巡、東城さんは

ドラ

東城手牌

ドラのペン

が埋まり

受け入れの１シャンテン。

もしテンパイすればピンフ・赤２・ドラの満貫～、リーチ・ツモで跳満～。

たった３巡で２人が１シャンテンの早い展開。

次巡、多井さんは切ったばかりの

を引きトイツかぶり。

同巡、堀さんは

ドラ

堀手牌

場にションパイ

切りでタンヤオか

の３シャンテン。

また同巡、小林さんは

ドラ

小林手牌

愚形２つ残りの２シャンテン。

次巡、多井さんは

ドラ

多井手牌

テンパイ即リーチ

タンキ待ち。

待ち

は場に１枚切れの山に１枚。

同巡、東城さんは

ドラ

東城手牌

現物

切りで

受け入れの１シャンテンに変化。

次巡、堀さんは

ドラ

堀手牌

ここから１枚切る場面。

もし

を切れば２シャンテンに取れますが、堀さんは自分から４枚見え（場に１枚＋手にアンコ）の打

。

同巡、現物

１枚の小林さんが

をツモ切り放銃。

ツモ

ツモ切りドラ

小林手牌

リーチロン

ドラ

裏ドラ

多井手牌

裏ドラは無く親のリーチ・チートイツ４８００の一本場５１００点。

このアガリで

多井　　３５５００

　堀　　３２０００

小林　　１０６００

東城　　２１９００

多井さんはトップ目に、小林さんは三着目と１１３００点差の断ラス目に落ちてしまいました。

試合後のインタビューで堀さんは

（多井選手のリーチに対して字牌の

を切らずに暗刻の

に手をかけた所があったじゃないですか

私

切っちゃいそうだなって思いながら見ていたんですけど

なぜ

に手がかかったんでしょうか？）

「いやなんかあの唯一好形ターツだった

がもう４枚見えであの仮に一手進んだとしても

まあ勿論ポンとかしないですしどうせオリになるかなと思って

まあ一応全然七対子（チートイツ）とか否定されてなかったので（

切りは）やめとこうと、はい。」

（なるほど自身がもう攻める手ではないから一番安全な牌を）

「そうですね、はい。」

（なるほど多井選手の手が七対子と読んでいた訳では）

「読んでいた訳では、あれで七対子だと決めつける事はできないんですけど七対子も何も否定できてないですし、

ってオリるつもりでした。」

（なるほどあのなぜ手がかからないのかっていうのがこう皆さんすごく疑問だったんですけどそういう事だったんですねありがとうございます）

肝心のシーンは多井さんリーチが入った次巡、堀さんの手番。

多井捨牌

堀捨牌

小林捨牌

東城捨牌

ドラ

堀手牌

堀さんは

切りなら２シャンテンに取れますが、仮に堀さんがテンパイした時

待ちが残りそうです。

その肝心の

は場に４枚切れで見た目あと４枚。（実際は山に

１枚、

２枚の計３枚）

親リーチが入る＋自分の待ちが４枚以下＋２シャンテンと自分にとって不利な条件が３つ同時に並んでいます。

ここで堀さんが１２０００放銃してしまうと二着順ダウンしてしまう罪は重い。（１２０００放銃は堀２００００の三着目）

今局は少なくとも親への放銃だけしてはいけません。

もうここは１００％押す場面ではない訳です。

もう一つ、多井さんの捨牌は

多井捨牌

３巡目

手出し、４巡目

ツモ切り、５巡目

手出しリーチです。

もし３巡目と４巡目

がトイツ落としならチートイツを否定しやすい（チートイツなら自らシャンテン数を２落としているから）ですが、先に

手出しで後から

手出しなのは不自然で、メンツ手で孤立牌なら真ん中５に近い方を残すのが自然です。（

の順）

よりも

を残すのはスジひっかけ

タンキ待ちまで考えていたから？

それならチートイツもありそう。

今回のまとめ

・放銃してはいけない相手を把握

南１局　１本場

東家　　多井　隆晴　　３０４００

南家　　　堀　慎吾　　３２０００

西家　　小林　剛　　　１５７００

北家　　東城　りお　　２１９００

もし堀さんが親に１２０００放銃すると東城さんより下、２００００の三着目、二着順ダウンは罪。

その場合トップ目は二着目と２０８００点差で多井さんのトップ率を高めてしまうのも良くない。

・自分の待ちがたくさん切られると不利

多井捨牌

堀捨牌

小林捨牌

東城捨牌

ドラ堀手牌

堀さんは切りなら２シャンテンに取れるが、仮に堀さんがテンパイした時待ちが残りそう。

その肝心のは場に４枚切れで見た目あと４枚。（実際は山に１枚、２枚の計３枚）

親リーチが入る＋自分の待ちが４枚以下＋２シャンテンと自分にとって不利な条件が３つ同時に並んでいる。

２シャンテンなら堀さんはリーチに２枚以上無スジを切ることになる。（２枚切ってテンパイしなければ３枚、４枚・・・と増えていく）

もう既にここは押す場面ではない。

堀さんは４枚見えの打オリ。

自分の待ちがリャンメン待ちで３枚切られると黄信号（注意）、４枚以上切られると赤信号（危険）。

↓押してもらえると一人のおっさんが救われます