2023年06月23日
ちょっとだけMリーグ#174
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は佐々木 寿人プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/bSyeiUT5_dA
2023年2月24日 第1試合
東1局
東家 佐々木 寿人 25000
南家 松ヶP 隆弥 25000
西家 瑞原 明奈 25000
北家 日向 藍子 25000
(敬称略)
全員、原点の東1局。
最初に親・寿人さんの手は
ドラ寿人手牌
赤もドラも無いメンツ手4シャンテン。
手役を見るなら456三色か567三色が少しあるくらいで、役牌を重ねてポンするならアガリはありそう。
ツモ打
次に南家・松ヶ瀬さんの手は
ドラ松ヶ瀬手牌
この手に19字牌がの8種9牌、国士無双なら4シャンテン。
自風トイツはあるもののこれをポンしても赤なしドラなしの1000点では微妙です。
それなら遠めのマンズホンイツや国士無双を見ながら進めて、トイツが増えればホンイツ・チートイツやホンロウ・チートイツ狙いします。
ツモ打
西家・瑞原さんの手は
ドラ瑞原手牌
雀頭の無いメンツ手3シャンテン。
を切ればタンヤオになりそう。
ツモ打
最後に北家・日向さんの手は
ドラ日向手牌
ドラトイツのメンツ手3シャンテン。
を切ればタンヤオ・ドラ2でマンズ部分が変化すればアガリが見えてきそうです。
ツモ打
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
ソウズ四連形ができ、引きならソウズ2メンツを作りやすい形になります。
同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
これで、、、、の5ブロックが揃い、ポンやカンチーで鳴けます。(タンヤオ・ドラ2)
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
リャンメン変化しますが4シャンテンのまま。
同巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
一応、ペンチャン残りの2シャンテン。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
雀頭のできた2シャンテン。
を切ればタンヤオ。
同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
タンヤオ・ドラ2の2シャンテン。
次巡、松ヶ瀬さんは
ドラ松ヶ瀬手牌
これで九種十牌、国士無双3シャンテン。
同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
受け入れの1シャンテン。
次巡、瑞原さんは
ドラ瑞原手牌
を引けば456三色に変化しリーチでも満貫になる1シャンテン。
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
メンツになる牌を1枚も引かず()、シャンテン数は変わらず足踏み。
同巡、松ヶ瀬さんは打、これを瑞原さんがポンしてテンパイ。
ポンドラ瑞原手牌
タンヤオ・赤・ドラ2、満貫待ち。
待ちは山に2枚、は1枚の計3枚。
次巡、松ヶ瀬さんは
ドラ松ヶ瀬手牌
が必要な国士無双2シャンテン。
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
役なし2シャンテン。
もしマンズ待ちになるとが出るかもしれません。
次巡、松ヶ瀬さんは
ドラ松ヶ瀬手牌
受け入れの国士無双1シャンテン。
次巡、瑞原さんは
ポンドラ瑞原手牌
ツモ打の456三色に変化。
次巡、寿人さんは
ドラ寿人手牌
ツモ打で引き気味。
同巡、松ヶ瀬さんは
ドラ松ヶ瀬手牌
国士無双テンパイ、待ち。
ヤオチュウ牌(19字牌)が余り、そろそろ危ないサインが出ています。
待ちは山に2枚。
同巡、瑞原さんはツモ切りでヒヤヒヤ。
また同巡、日向さんは
ドラ日向手牌
受け入れで目一杯の1シャンテン。
次巡、寿人さんは
ツモ打ドラ寿人手牌
の役満放銃回避。
寿人さんがツモって切る時間、約7秒。
前巡の切らずも最近の松ヶ瀬さん5巡中4回手出しでそろそろ危ないと感じ取っていたようです。
松ヶ瀬捨牌
捨牌二段目が手出し。
この5巡で4回手が進んだと見ることはできます。
同巡、松ヶ瀬さんはツモ切り、瑞原さんがロン。
ロンポンドラ瑞原手牌
タンヤオ・赤・ドラ2の満貫、8000点。
試合後のインタビューで寿人さんは
(東1局、松ヶ瀬さんは?)
「国士だと思ってましたよ。
瑞原さんが仕掛けたんですよね。
それに対して結構強い牌バンバン押してるからどこまで僕もいけるかなぁぐらいの探り合いの状態でしたね。
でも最後の方はとてもダメだなぁと思ってやめたんですけどテンパイ入ってたんですか?入ってたんだw(タンキ)
持ってきたんですねー相当怖かったです、迫力ありましたね、あの局ね。」
国士放銃回避は他のプロでも可能だと思いますが、その決断までのスピードが約7秒と他のプロの追随を許しません。
今回は「ビタ止め」について語ります。
ビタ止めビタ止めと動画や漫画などでも表現されますが、漫画のように一点でビタ止めするのはまずできないと思ってください。
その理由は1シャンテンからテンパイになる時、入り目(はいりめ:テンパイ時に入った部分)と待ちの二点が存在するからです。
まれに癖の強い捨牌ならわかる時がある程度。
オリた方が良いのは@放銃で二着順以上転落する時、A打点が高い手へ放銃がある時、B2シャンテンまでの遅い手の時、Cリーチが二人以上の時の4つです。
この4つの条件が2つ以上重複する時はかなりオリをおすすめします。
この伊達さんがツモり四暗刻テンパイからオリた動画にしても、シャンポン待ちの片方が薄くなってアガリ率が下がっているのも理由の一つとしてあるでしょう。(肝心のシーンは2:55頃)
https://youtu.be/HxzfzAzdeAQ
ここで寿人さんが国士の当たり牌をつかんだ場面に戻ってみましょう。
打ドラ寿人手牌
寿人さんは打したわけですが、
場を見ると
寿人捨牌
松ヶ瀬捨牌
瑞原捨牌
日向捨牌
松ヶ瀬さんは以外19字牌が切られないので国士無双や小四喜、字一色などがありそうですがは場に3枚切れ、1枚切れ、3枚切れ、2枚切れ、1枚切れで字牌アンコを使った役満はなさそうです。
となると松ヶ瀬さんは国士無双か混老頭・チートイツ、清老頭あたりのどれかだとなりますが、19牌も寿人さんからが2枚見え、が3枚見えで松ヶ瀬さんがトイツで使える牌も限られています。(19牌で松ヶ瀬さんがトイツ以上で使えるのはだけ)
となると松ヶ瀬さんは国士無双と見て良さそうです。
次に瑞原さんの手は19字牌からの切り出しでポンから食いタンのようです。
前巡、日向さんが、2巡前を通して待ち、待ちを否定しています。
瑞原さんはを切っていて、、、待ちを否定しています。
更に3枚切れでカン待ちはワンチャンス。
そして松ヶ瀬さんがを通して瑞原さんがを切っているので、、、待ちを否定しています。
つまり瑞原さんにピンズやソウズリャンメン待ちはほぼ否定されています。(ピンズとソウズが当たるのは愚形待ち)
これらの理由から瑞原さんはマンズ待ちの可能性が高そうです。
今回のまとめ
・捨牌で手役を絞る
松ヶ瀬捨牌
松ヶ瀬さんは捨牌から国士無双、字一色、小四喜、大四喜、大三元、清一色、混老頭などがありそうだが、場の切られた枚数から字牌暗刻と1・9暗刻を使った役満が否定される。
よって松ヶ瀬さんは国士無双がありそう。(国士無双を否定する時は4枚見えの19字牌を探す)
・他家が通した牌から安全牌を探す
松ヶ瀬さんが通した、日向さんが通したと瑞原さん現物からピンズとソウズリャンメン待ちがほぼ否定されるからか寿人さん打で国士放銃回避。
・オリた方がいい条件(簡易版)は4つ
オリた方が良いのは
@放銃で二着順以上転落する時(Mリーグルールでは二着順転落=−40000点)
A打点が高い手へ放銃がある時(高い手へ放銃も一着順差に近い)
B2シャンテンまでの遅い手の時(2シャンテンではリーチに押すのは2枚以上)
Cリーチが二人以上の時(先行リーチが2人では放銃確率が高い、勝率が低い)
の4つ。
@〜Cの内、2つ以上重複でかなりオリ。
・ビタ止めが偉いわけではない
何でもかんでもビタ止めしてオリるのが良いわけではない。
放銃してもいい場面はあるし、勝負する方がいい場面もある。
それに相手の手に入り目と待ちの2つがある以上、相手の待ちを一点読みするのはまず不可能なのもある。(クセ強捨牌で待ちがわかるのはレアケース)
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