2022年07月02日
まこっさん
先日、KADOKAWAサクラナイツ所属・沢崎誠選手の契約満了が発表されました。
https://twitter.com/kadokawa_sk/status/1542357265914929152?s=20&t=STCc6UFBF-yE1q-zbf1EQQ
沢崎選手は2019−2020シーズンからMリーグに参加、1年目は234.3ポイント、2年目は最終戦まで瑞原選手とMVP争い(前回記事参照)して399.7ポイントで2位の成績を収めながらも「原発性骨髄線維症」を患い、療養に専念されています。
これを受けて過去のまこっさんこと沢崎さんの好プレイの対局を取り上げます。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/e0D6X50KjwU
2019年11月25日第1試合
南4局1本場(供託リーチ棒2)を迎え、点棒状況は
東家 丸山 奏子 19900
南家 勝又 健志 16300
西家 白鳥 翔 34000
北家 沢崎 誠 27800
(敬称略)
二着目の沢崎さんはトップには3900ロン以上か1000−2000ツモ以上が必要です。
親は4000オールツモ以上でトップ、勝又さんはリーチ棒が出て跳満ツモ以上が必要です。
親の丸山さんの手は
ドラ丸山手牌
この手は19字牌を切ればタンヤオ、横に伸びれば平和も見られる手でドラ受け入れもありタンヤオ・赤・ドラ7700〜は見られそうです。
タンヤオなら鳴きも考えますが、4000オールツモで逆転もあり、どちらかと言えばメンゼン寄りの手かもしれません。
ツモ打
次に南家・勝又さんは
ドラ勝又手牌
まだ手役が決めづらいですが、タンヤオや平和、役牌が重なればポンもありますが点棒状況から1600以上ロンで三着、満貫以上ツモで二着の為役牌を2つ以上ポンした混一色、対々和などを見たい手です。
またドラを使ったタンピンになれば満貫になるのでこのルートも一応、押さえておきます。
ツモ打
続いて西家・白鳥さんの手は
ドラ白鳥手牌
第一ツモでピンズを引きピンズ10枚+字牌1枚でこれはピンズ混一色か清一色を一番意識する手に見えます。
ここにどちらかを引けばブロック数は足りるのでポンから鳴いていく事も可能です。
手にはがあり、ここで考えるのは対子系の手になるかどうかです。
たとえば混一色・七対子や清一色・対々和になるかもしれません。
対子手になる=場も対子場になるかもしれないので他家からリーチが入ると七対子や対々和の可能性を考えます。
ツモ打
最後に北家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
ドラが1枚ありメンツ手を見るわけですが雀頭ができれば678三色や789三色同順を考えます。
仮に三色にならなくとも平和なら見られそうです。
点棒状況的に沢崎さんは3900以上ロンか1000−2000ツモ以上を見るのでリーチ・平和・ドラやリーチ・ツモ・ドラなら条件を満たします。
ツモ打
次巡、沢崎さんはツモ打で
ドラ沢崎手牌
メンツ手2シャンテンで789、678三色のどちらかもありそうです。
次巡、ツモ打で
ドラ沢崎手牌
このを白鳥さんがポンして打
ポンドラ白鳥手牌
更に次巡、沢崎さんツモ打で
ドラ沢崎手牌
とネックのペン、カンの2つもネックが埋まり、789三色か678三色が一気に近づいた1シャンテンに。
雀頭がまだ固定できない状態ですがそれも今後のツモに合わせていきます。
次巡、親の丸山さんは
ドラ丸山手牌
やっと1メンツ完成したばかりの2シャンテン。
ペンチャン受け入れとカンチャン受け入れが残り、テンパイにはまだまだ時間がかかりそうです。
同巡、勝又さんに至っては
ドラ勝又手牌
こんな1メンツも無い4シャンテン。
続いて沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
次巡、沢崎さんはツモ打で
ドラ沢崎手牌
こうなると789三色→678三色へ意識が向かっている模様。
次巡、白鳥さんはツモ打で
ポンドラ白鳥手牌
次巡、勝又さんはツモ打
ドラ勝又手牌
ここでやっとメンツ手2シャンテン。
同巡、白鳥さんはツモ打で
ポンドラ白鳥手牌
ポンとチーができる清一色・ドラ2、対々和がつけば倍満になります。
次巡、勝又さんはツモ打
ドラ勝又手牌
同巡、白鳥さんはツモ打
ポンドラ白鳥手牌
ドラを先切りでチーにも備えています。
そのまた同巡、沢崎さんはツモ打で
ドラ沢崎手牌
まだ雀頭が決まっていない沢崎さんは2枚見えのよりもソーズ重なりも見ながら、3枚見えで待ちならアガれる公算が高いと見たのでしょう。(ただしはともに2枚切れで残り1枚ずつ)
沢崎さんは3巡目に切りでフリテンになっています。
次巡、親の丸山さんが打、勝又さんが打と場の煮つまりを感じます。
同巡、沢崎さんはテンパイ。
ドラ沢崎手牌
一見、この手に引きなら789三色同順にもなりますが、ここはの薄さ(それぞれ2枚切れ)と引き一手替わり678三色を見てここから打。
ここで解説の土田プロも仰っていますが「ここでツモればトップ」と指摘されている通りダマ1000−2000ツモでもトップになれます。
もうこの辺りでリーチする方もいらっしゃるかもしれません。(リーチ・ツモ・ドラでトップ)
勝又さんもこんな1シャンテンのまま粘っています。
ドラ勝又手牌
浮いているは下家の白鳥さんが喉から手が出る程欲しい、テンパイできる牌。
2巡後、引きで広い1シャンテンになった勝又さんは打。
ドラ勝又手牌
引きテンパイの1シャンテン。
勝又さんの切ったを白鳥さんがチーしてテンパイ。
チーポンドラ白鳥手牌
この直後、沢崎さんは念願のを引き、
ドラ沢崎手牌
ここから1枚切ればテンパイですが選択肢はのどちらかになるでしょう。
どちらを切っても678三色同順・ドラ、ダマテン5200の逆転手です。
ピンズ2副露(フーロ:鳴き)している白鳥さんにピンズ待ちはド本命でピンズ待ちなら白鳥さんに持たれている可能性大。
実際、白鳥さんは
チーポンドラ白鳥手牌
それにが白鳥さんポンと沢崎さんの手に1枚にもかかわらずは沢崎さんの持っている1枚しかなく、場にはションパイ。
白鳥さんがとシャンポン待ちにしていてもおかしくない牌です。
もし沢崎さんが待ちにしていたら、5枚持たれ(+沢崎さん2枚持ち残り1枚だけ)高確率で流局していたでしょう。
ツモ打
Sにドが付くとヤバイ人になるように、本命にドの付くド本命・ピンズをいともあっさりと切る沢崎さん。
山にはが2枚、はありません。
そして2巡後・・・沢崎さんのツモ牌は!!
ツモドラ沢崎手牌
ツモ・三色同順・ドラ、満貫の1本場2100−4100ツモアガリ(+2000)。
沢崎さんは供託リーチ棒と合わせて10300点の収入ですが順位ウマの差+40(40000点)と合わせて実質50300点のアガリです。
沢崎さんの1アガリでトップに+50、二着に+10のウマが付くその差50−10=40(40000点)得したことになります。
このトップに+50という数字は+30(ウマ)+20(オカ)の合計だと思います。
沢崎さんは引き678三色が付くのをリーチせず待てる辛抱強さとピンズ清一色模様の白鳥さんにを切れる押しの強さを兼ね備えたある種の怪物だと言っても良いでしょう。
結果は
沢崎 誠 +58.1
白鳥 翔 +11.9
丸山 奏子 −24.2
勝又 健志 −45.8
こんな打ち方をするMリーガーの代わりはなかなか居ないんじゃないかと私は感じます。
今回のまとめ
・トップ条件が絡む時は安易なリーチはしない(1ハン足りない時は裏ドラ頼みもあるが裏ドラが乗るのは約38%と半分以下)
・三色同順ができそうな時は一手先だけでなく二手先、三手先まで考えてみる(沢崎さん3巡目ドラ沢崎手牌から789三色もあるがの2枚引けば678三色もある)
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