2022年06月17日
ちょっとだけMリーグ#5
今回もMリーグの一局だけを取り上げてMリーガーの良い部分に注目して掘り下げます。
今日の主役は白鳥 翔プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/uHnV3WrOTmo
2020年1月11日 第1試合
東4局1本場
東家 萩原 聖人 27600
南家 白鳥 翔 39200
西家 勝又 健志 27700
北家 岡田 紗佳 5500
現在、白鳥さんが二着目に11500点リードしているトップ目ですが、親の4000オールツモや西家12000ロンでもトップ目が入れ替わります。
現在ラス目の北家・岡田さんの手は
ドラ岡田手牌
この手から見えるのはドラ色ピンズ混一色や字牌が集まれば小四喜、大四喜、字一色辺りが最高形です。
対子がもっと増えれば役・役・混一色・対々和の跳満もあります。
岡田さんは北家での3つ共役牌でポン3回してドラや赤1枚を引けば跳満にもなります。
また、点棒状況から岡田さんは役満ロンで2着目以上、役満ツモならトップ目になれる為、どちらかと言えば役満を意識する局面だと考える事もできます。
役満にならなそうなら混一色方向で満貫〜跳満狙いで良いでしょう。
ツモ打
既に岡田さんは白鳥さんの第一打を鳴かず、スルー。
次に東家・萩原さんは
ドラ萩原手牌
メンツ手の5シャンテンとテンパイスピードで他家に遅れていて受け身になりそうです。
他家の方が明らかに早いので安全牌は持っておきたい手です。
ツモ打
そして南家・白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
暗刻があるもののオタ風で役なし1シャンテンですがドラ表示牌のカン、ペンの愚形受けしかなく、待ちが悪いので手替わりを見たい手です。
例えばのくっつきを見たりを重ねたりした端に近い牌のシャンポン待ちリーチやドラを重ねたり引きして高くなるのを見ます。
ツモ打
最後に西家・勝又さんは
ドラ勝又手牌
この手はメンツ手3シャンテンながら愚形受け入れが2つ(ペン、カン)あり、ここの動きに注目しながら進めます。
後はドラ表示牌のスジ受け入れ部分も薄くなりやすいのでここの動きも見ながら打ちます。
ツモ打
ここで勝又さんから切られたを岡田さんがポンして打。
ポンドラ岡田手牌
次の萩原さんがツモ打でこのを岡田さんがポンして打。
ポンポンドラ岡田手牌
また萩原さんのツモでツモ打
ドラ萩原手牌
次巡、岡田さんはツモ打
ポンポンドラ岡田手牌
次巡、萩原さんツモ打で1メンツ完成。
ドラ萩原手牌
この同巡、勝又さんがツモ打でこのを岡田さんポンで打。
ポンポンポンドラ岡田手牌
ピンズ混一色・なら1シャンテンですがここは岡田さんがトップ目と33700点差で小四喜も見たい場面です。
この手にどちらかが重なれば、小四喜へ手を進めるので良いでしょう。
次巡、萩原さんはツモ打
ドラ萩原手牌
ここで萩原さんが1シャンテンと白鳥・岡田両名にスピードで追いつきますが、カンが残りそうなリーチ・赤2600が見える形です。
同巡、白鳥さんはツモ打とペンを処理し始めています。
ここで切りしないのはを引いた時に三面受けを残しておく為です。
ドラ白鳥手牌
もしここにカンでも引けば、
ドラテンパイ例1
こんな端牌(1と9)シャンポン待ちにして少しでも出アガリ(ロン)しやすい待ちになります。
この同巡、岡田さんはツモツモ切り。
ここで岡田さんはまばたきしながらツモ切りました。
一般的に言われているのはまばたきはストレスを感じているサインだそうです。
ちょっとこのツモ切りは気になってしまいます。
ここで手出しすると他家全員に情報を与えてしまうのでしたくないのは当然なんですが、どうせ小四喜を見るのならここは切りでも良かったのではないか?と感じます。
例えばリャンメン受け入れを引いたとしても
ポンポンポンドラ手牌例1
こんな混一色・の満貫止まりで満貫を直撃して三着目と約6000点差になるものの、どちらかのタンキ待ちではまずミエミエで出ない待ちです。
それならが重なった時だけ小四喜狙いの対々和が付けば混一色・対々和・で跳満のテンパイにも取れます。
ツモポンポンポン手牌例2
ツモポンポンポン手牌例3
次巡、岡田さんはツモツモ切り
この次巡、岡田さん以外の3人はとピンズと字牌以外を切っています。
この同巡の岡田さんはツモ打
と字一色・小四喜のダブル役満まで見ています。
ポンポンポンドラ岡田手牌
ピンズターツ落としなら危険度的にも切りが良いと感じますが、岡田さんはドラくっつきも考えたのかもしれません。
次巡、萩原さんはツモ切りで捨牌にはとが暗刻になっています。
もし萩原さんがタンヤオを見てを外していれば、
ドラテンパイ例2
こんなテンパイが入っていたかもしれません。
この同巡、白鳥さんは
ドラ白鳥手牌
ここから打とします。
これが当時のTwitter上などで議論になった場面です。
一部では「元恋人への差し込みじゃないか?」など疑惑の声が上がった場面です。
ここで二人の心の声をアテレコしてみます。(※フィクションです)
白鳥「さーにゃん(紗佳)、このが見えるじゃろ?」
岡田「しょうちゃん、なんでば切っとうと?」
白鳥「こんなん、あんたの手なんかぶち見えとるんじゃけえの!余裕で通せる」
岡田「しょうちゃんなんか、鳥の皮串にしちゃるけんね!!」
なんて気持ちだったのかは永遠の謎のままですが、これについて少し説明します。
を切る前の白鳥さんの手が
ドラ白鳥手牌
です。
ここで白鳥さんからとが3枚見えているので、この時に岡田さんが小四喜テンパイなら
ポンポンポン仮想岡田手牌1
この形1通りしかありません。
岡田さんの捨牌が
岡田捨牌
この最後の3巡は(ツモ切り)、(ツモ切り)、(手出し)で、最後ので手牌が1枚変わったのがわかります。
岡田さんがでテンパイだとすると、そこから1枚なくなった形からを手出ししたことになります。
テンパイの1つ前の形は、のどちらかだったと考えられます。
とそこで3巡前のツモ切りに注目すると、ツモ切る時に上の、に+で持っていたことになります。
ポンポンポン仮想手牌3
ポンポンポン仮想手牌4
仮想手牌3なら混一色・対々和・の跳満ツモアガリです。
岡田さんはピンズくっつきも見ていたぐらいなので跳満ツモなら喜んでアガるでしょう。
仮想手牌4なら切り跳満テンパイでこれもあまりは切らないでしょう。
これらの理由から、白鳥さんは岡田さんが小四喜テンパイではないと判断したのでしょう。
後はこの手から切られる安全牌がしかなく、このままでは手づまりになると判断したからでしょう。
ドラ白鳥手牌
ツモツモ切り
この次巡、白鳥さんはツモ打また切り。
同巡、岡田さんはツモツモ切り。
次巡、白鳥さんはツモ打三連打。
この2巡、岡田さんはとツモ切りなので手は変わっていないのがわかります。
最初の切りの時点で岡田さんがタンキ待ちでないとわかっていれば、余裕で切れる牌なわけです。
白鳥さんが三枚目切りの同巡、勝又さんはツモで
ドラ勝又手牌
残りの2枚引き、岡田さんの字一色の夢を砕くようなツモです。
数巡後、岡田さんは
ポンポンポンドラ岡田手牌
こんな混一色・ドラ待ち跳満テンパイ。
萩原さんにも
ドラ萩原手牌
の役なしカンダマテンが入っています。
ここにツモ打でテンパイ崩し。
この次巡、ツモで
ドラ萩原手牌
345三色同巡・赤・ドラテンパイの萩原さんは切りリーチ!
この時点で待ちのドラは白鳥さんに2枚、勝又さんに1枚、岡田さんに1枚の純カラ。
この次巡、新しく現物になったを白鳥さんが切ると、勝又さんがチー。
チードラ勝又手牌
これはハイテイ(最後のツモ)を下家・岡田さんに押し付ける鳴きです。
岡田さんがテンパイ維持なら放銃またはオリの二択を迫るものです。
ハイテイでもアガリは出ることなく流局しました。
白鳥翔プロは最年少で日本プロ麻雀連盟A2リーグに昇級。
24期・25期麻雀マスターズを獲得。
第18回モンド杯優勝、第28期發王位を獲得。
2019年のMリーグでは初の四暗刻タンキをアガるなど大活躍。
自らのキャッチフレーズは「供託泥棒」「麻雀ハイブリッド」「白いブラックスワン」。
プライベートでは岡田紗佳プロと結婚を前提に交際していたが破局。
ABEMA番組内で自らのパニック障害を告白されています。
解説では「おおおおおお」だの「わあああああ」だのと賑やかしに聞こえますが、プロの中ではトップクラスの読みの精度とそれに乗っかれる芯の強さを感じる時があります。
今回のまとめ
・他家手牌を仮定してみてそこから数巡を再現してみる(岡田さん小四喜なら1通りだけ、ツモ切り手出しの1度しか牌が変わってない→小四喜は否定できる)
・白鳥さんの読みは正確かつ打牌も丁寧
・白鳥さんは堀さんと仲良し(仲良く喧嘩しな)
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