新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2015年01月09日
赤いキャミソール
もう六年も前のこと
母が60歳になる日。
母の還暦を祝って、妹家族と父と祖母と、大人数で食事に行った。
貧乏人が無理をして、老舗の料亭を予約しての食事だ。
その食事に先駆けて、妹と二人で「身につけられる赤いグッズ」を探しに買い物に行った。
結局、赤いキャミソール型の下着になった。
六年前の品なのに、母はまだそのキャミソールを大切に持ってくれている。その買い物の光景を、今でも鮮明に覚えている。
食事の席でプレゼントを渡して、
「次はおとんの時だね」
と言った。
あのときは、父が還暦を迎える日もこうやって同じようにみんなでお祝いをするのだと思っていた。
今年、今月12日、父が60歳になる。
「おとんが還暦だけど、
お祝いはどうする?
おかんの時みたいに、
食事会をしたいんだけど」
そう妹に連絡をしたい。
だけどたくさんの壁が立ちはだかる。
まず物理的な壁。
連絡する術がない。
LINEも電話も拒否られている。
やっかいなのは心理的な壁。
「勝手に祝えば?」
「自分が離婚させたんやろ?今更なんなん」
「姉ちゃんとは祝いたくない」
刃の言葉ならいくらでも想像がつく。
こうやってビクビクして色々考えているけど私、
きっと、12日は、何も悩んでない顔で父と二人で過ごすんだろう。
本当にいやだ
本当に自分がいやだ
********************************************
誰か読んでくれていたら嬉しいです。
励みになります、よろしければ押してやってください。
********************************************
母が60歳になる日。
母の還暦を祝って、妹家族と父と祖母と、大人数で食事に行った。
貧乏人が無理をして、老舗の料亭を予約しての食事だ。
その食事に先駆けて、妹と二人で「身につけられる赤いグッズ」を探しに買い物に行った。
結局、赤いキャミソール型の下着になった。
六年前の品なのに、母はまだそのキャミソールを大切に持ってくれている。その買い物の光景を、今でも鮮明に覚えている。
食事の席でプレゼントを渡して、
「次はおとんの時だね」
と言った。
あのときは、父が還暦を迎える日もこうやって同じようにみんなでお祝いをするのだと思っていた。
今年、今月12日、父が60歳になる。
「おとんが還暦だけど、
お祝いはどうする?
おかんの時みたいに、
食事会をしたいんだけど」
そう妹に連絡をしたい。
だけどたくさんの壁が立ちはだかる。
まず物理的な壁。
連絡する術がない。
LINEも電話も拒否られている。
やっかいなのは心理的な壁。
「勝手に祝えば?」
「自分が離婚させたんやろ?今更なんなん」
「姉ちゃんとは祝いたくない」
刃の言葉ならいくらでも想像がつく。
こうやってビクビクして色々考えているけど私、
きっと、12日は、何も悩んでない顔で父と二人で過ごすんだろう。
本当にいやだ
本当に自分がいやだ
********************************************
誰か読んでくれていたら嬉しいです。
励みになります、よろしければ押してやってください。
********************************************