獅子座の星座は結構大きいので、その形を肉眼で観察するのは難しいかもしれません。一番輝いているレグルスを見つけてみるといいかもしれませんね。獅子座の形を思い浮かべながら、星をたどっていくとその勇敢な獅子座の姿が浮かび上がってくるかもしれません。
獅子座のものがたり
獅子座のお話は、蟹座の時のヘラクレスの12の試練の一つになります。一番最初の試練が獅子座のものがたりの部分になっています。
ネメアの森という場所がありました。いつの頃からか人食いライオンがたびたび現れるようになり、人々は恐怖におびえていました。その人食いライオンを退治しようという勇者が数人現れ、ネメアの森へと向かいましたが誰一人戻ってくる者はいなかったのです。
この人食いライオン、普通のライオンではありません。怪物デュフォンの子で鉄よりも固い皮膚を持ち、普通のライオンよりもはるかに巨大だったのです。普通の人間にかなうわけがありません。
ヘラクレスの最初の試練
ティリュンスのエウリステウス王は、この人食いライオンの話を聞き「どうしたらよいものか。」と考えていました。そこへ妻子を殺してしまったヘラクレスの噂を耳にします。これはちょうどいい試練になるだろうと、獅子退治をヘラクレスに命じたのです。
*(ヘラクレスの妻子殺しの話は蟹座編から見られます.)
命を受けたヘラクレスは、暗いネメアの森を人食いライオンを求めてさ迷います。森の奥深くまで行ったときに人食いライオンと遭遇することになります。ライオンは口から血を滴らせています。今さっきまで人を食べていたかのような雰囲気を漂わせています。
ヘラクレスは弓を持ち、ライオンに向けて照準を合わせます。引かれた矢はまっすぐにライオンめがけて飛んでいきます。しかし、ことごとくライオンの体に当たった矢は跳ね返されてしまいました。必死に矢を射るヘラクレスとは違い、ライオンは大あくびをしています。
人食いライオンとの死闘
ヘラクレスの射る矢を何とも感じないライオンでしたが、いきなりヘラクレスに襲い掛かりました。ヘラクレスはとっさに身をかわし、素手でライオンを押さえつけました。そのままヘラクレスの手はライオンの首をつかみ締め上げます。
ライオンも普通のライオンではなく、バケモノの子ですからそう簡単に死んではくれません。なんと三日三晩ヘラクレスはライオンの首を絞め続け、やっと退治することが出来たのです。
天に昇るライオン
ヘラクレスとライオンの戦いを見ていた女神ヘーラは、神の子であるヘラクレスとよく戦ったと誉め、人食いライオンを天に上げ星座にしてあげました。どうやらこの女神ヘーラは、ヘラクレスを憎んでいたようです。何故、憎んでいたのかはまた別の神話のものがたりになります。
こうして春の南の方角に、大きな獅子座の姿が現れるようになったのです。
ギリシャ神話の神は人間的
ギリシャ神話に出てくるいろいろな神がいますが、全員がとても人間臭いですよね。もちろん神ですから不死であったり、人にはない能力を持っています。しかし、物語の中身を見れば以外に人間とあんまり変わらないじゃないか!というものばかりです。
ゼウスだけを見ても、すぐ美人に惚れる、浮気する、また別の女性に惚れる。ゼウスは女性だけではなく、美少年にも恋をしますけどね。とにかく、だらしがない。妻が怖くて浮気を必死で隠そうとするのも、すぐにばれてビクビクしてますからね。
こんな神を尊敬することは難しいと感じてしまいます。ギリシャ神話は、当時の人の恋愛小説みたいな、日本でいえば「源氏物語」に近いのかなと思いますね。
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