そんなロマンのある星ですが、今回は蟹座についてお話していきます。黄道12星座の一つですが、暗い星で構成されているので、目立たない星座でもあります。見つけ方は、蟹座の両隣りにある明るい星で構成されている双子座と獅子座を見つけるとよいでしょう。その間に位置するのが蟹座です。蟹座は春の星座になります。カニの甲羅あたりにボーっと淡く見えるのがプレセペ星団です。この星団を探すことでも蟹座を見つけることが出来ます。
蟹座のものがたり
蟹座の話の主人公は神の一人ヘラクレスになります。ヘラクレスは大神ゼウスとその愛人との間に生まれました。ヘラクレスには愛する妻と子供がおり、とてもし合わせに暮らしていました。その様子を気に食わないと思っていたのが、ゼウスの3番目の妻ヘラです。ヘラはある日、ヘラクレスを錯乱状態に陥れます。錯乱したヘラクレスは愛する妻と子を殺してしまうのです。
正気に戻ったヘラクレスは嘆き悲しみ、その罪滅ぼしをしたいと願います。どうしたら罪滅ぼしができるのかを大神ゼウスに問いかけます。するとゼウスはヘラクレスに12の試練を与えました。
その試練の一つが蟹座にかかわる【ヒドラ退治】でした。
ヒドラ退治
ヒドラとは8つの首を持つ大蛇です。しかも8つの首の一つは不死の能力を持っていました。ヘラクレスはヒドラに立ち向かいますが、首を切り落としても再び再生してしまうヒドラにどうしていいかわからなくなってしまいます。ヘラクレスは甥のイオラオスに協力をしてもらうように頼みました。ヒドラを倒す方法は、ヘラクレスが切り落とした首をイオラオスが松明の炎で焼き尽くすといったものでした。
この方法はうまくいき、ヒドラの首は再生しなくなりました。7つまでの首は何とかなりましたが、不死である8つ目の首を退治できません。そこでヘラクレスはヒドラに大きな岩をぶつけて身動きできないようにしてしまいます。
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蟹のカルキノス
大蛇ヒドラには友達のカルキノスという蟹がいました。最初はヒドラが優勢でしたのでカルキノスはその戦いを只傍観していました。しかし、徐々に劣勢になるヒドラ、挙句に岩によって身動きをできなくなった姿を見てヘラクレスに戦いを挑みます。
カルキノスはハサミでヘラクレスの足を切ってしまおうとします。しかし、ヘラクレスのほうが圧倒的に体が大きくあっさりとヘラクレスに踏みつぶされてしまいました。
星座になったカルキノス
これを見ていたゼウスの妻ヘラは、ヒドラとカルキノスを哀れに思い、二人一緒に空にあげ星にしました。これが蟹座とウミヘビ座のものがたりになります。
元をただせばゼウスの妻ヘラが、ヘラクレスに意地悪をしなければヒドラもカルキノスも殺されることはなかったのですよね。そのヘラが哀れに思ったというのがちょっと笑えます。カルキノスの死もなんというか「えっ!?」って思いますよね。カルキノスってサワガニぐらいの大きさだったのでしょうか?コントのように思えてしまいます。
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春の空に蟹座を見てみよう
春になったら夜空を見上げて蟹座を探してみましょう。その時に、ヘラクレスに踏みつぶされたカニではなく、熱い友情でヘラクレスに勇敢に立ち向かった蟹カルキノスというように思ってください。そのそばにはヒドラであるウミヘビ座があることでしょう。